介護福祉士国家試験の勉強を始めると、最初に戸惑いやすいのが「科目の多さ」です。
参考書を開くと、介護の基本、社会の理解、コミュニケーション、生活支援技術、認知症、障害、医療的ケア、介護過程など、幅広い分野が並んでいます。
ここで大切なのは、科目名をばらばらに覚えようとしないことです。
まずは、試験全体の構造をつかむと、これから何を学ぶのかが見えやすくなります。
この記事では、試験実施機関が公表している合格基準をもとに、11試験科目群とA・B・Cパートの関係を整理します。あわせて、学習しやすいように「土台・理解・実践」という流れで全体像を確認します。

合格には「総得点」と「11試験科目群すべての得点」が関係する
介護福祉士国家試験の筆記試験は、1問1点、125点満点です。
全パートを受験する場合、現行の試験センターの合格基準では、総得点で合格基準点以上を取ることに加えて、11試験科目群すべてにおいて得点があることが示されています。
これは、受験対策でとても重要なポイントです。総得点が高くても、11試験科目群のうち、得点がない科目群がある場合は合格基準を満たせません。得意分野だけに偏りすぎず、苦手分野にも最低限触れておくことが大切です。
ただし、合格基準点やパート別の扱いは、試験回ごとの公表資料で確認する必要があります。受験年度の正式な情報は、必ず試験センターの最新資料で確認してください。
A・B・Cパートは、学習の見通しを立てる手がかりになる
試験センターの合格基準では、11試験科目群がA・B・Cのパート別内訳として示されています。
Aパートには、介護福祉職としての基本的な考え方、社会の理解、コミュニケーション、生活支援技術に関する科目群が含まれます。
Bパートには、こころとからだのしくみ、老化、認知症、障害、医療的ケアに関する科目群が含まれます。
Cパートには、介護過程と総合問題が含まれます。
このA・B・Cパートを、学習上は次のように捉えると分かりやすくなります。
- Aパートは、介護職としての土台。
- Bパートは、利用者の心身状態や特性の理解。
- Cパートは、学んだ知識を使って支援を考える実践的な力。
公式のパート別内訳を確認しながら、このような流れで見ると、科目同士のつながりが見えやすくなります。
Aパート|介護職としての土台を学ぶ
Aパートには、次の試験科目群が含まれます。
- 人間の尊厳と自立、介護の基本。
- 社会の理解。
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術。
- 生活支援技術。
ここで学ぶのは、介護福祉職として利用者に関わるための土台です。
たとえば、利用者の尊厳を守ること、自立を支えること、介護保険制度や社会保障の仕組みを理解すること、本人・家族・多職種と適切に関わることなどです。
食事、入浴、排泄、移動の支援も、単なる手順の確認にとどまりません。
本人の希望、生活歴、残存能力、安全、プライバシーへの配慮と結びつけて考えることが大切です。
Bパート|利用者の状態を理解する
Bパートには、次の試験科目群が含まれます。
- こころとからだのしくみ。
- 発達と老化の理解。
- 認知症の理解。
- 障害の理解。
- 医療的ケア。
ここで学ぶのは、利用者の心身状態や生活上の困難を理解するための知識です。
なぜ転倒しやすくなるのか。
なぜ食事中にむせるのか。
認知症によって、どのような不安や混乱が起こるのか。
障害特性に応じて、どのような配慮が必要になるのか。
この理解があると、現場での声かけ、見守り、環境調整の意味が見えやすくなります。
Bパートは、日々の介護場面を専門的に理解するための科目群といえます。
Cパート|知識を使って支援を組み立てる

Cパートには、介護過程と総合問題が含まれます。
介護過程では、情報収集、アセスメント、課題の整理、目標設定、計画、実施、評価といった流れを学びます。
総合問題では、事例を読みながら、利用者の状態、生活背景、家族関係、支援上の課題を考えます。
Cパートは、AパートとBパートで学んだ知識を、具体的な支援に結びつける部分です。
たとえば、片麻痺のある利用者の移乗介助を考える場合、Aパートでは尊厳、自立支援、生活支援技術を学びます。Bパートでは身体機能や障害特性を理解します。Cパートでは、その方に合った支援方法を考えます。
6月の学習は、全体像の確認から始める
例年、介護福祉士国家試験の筆記試験は1月下旬頃に実施されています。ただし、正式な試験日は年度ごとに公表されるため、受験する年度の実施要領を確認してください。
多くの受験生にとって、6月は全体像を確認し、学習計画を立てるのに適した時期です。
この時期は、細かい暗記を急ぐより、まずは参考書の目次を見ながら、11試験科目群とA・B・Cパートの関係を確認してみましょう。
自分が今どの科目群を学んでいるのか。
その科目群は、土台・理解・実践のどこに関係するのか。
この視点を持つだけで、参考書や問題集の見え方が変わります。
学習開始時期や必要な勉強量には個人差があります。すでに学習を進めている方は復習に、これから始める方は全体像の確認に活用してください。
まとめ|11試験科目群を意識しながら、つながりで学ぶ
全パートを受験して合格を目指す場合、介護福祉士国家試験では、11試験科目群すべてに得点が必要です。
そのため、特定の分野だけに偏らず、苦手な科目群にも少しずつ触れておくことが大切です。
そのうえで、A・B・Cパートを「土台・理解・実践」の流れで見ると、学習の全体像がつかみやすくなります。
Aパートで介護職としての土台を学ぶ。
Bパートで利用者の状態を理解する。
Cパートで支援を組み立てる。
6月の学習では、まず「いま学んでいる内容が、試験全体のどこに位置づくのか」を確認してみてください。
全体像が見えると、日々の学習を進めやすくなります。
参考・出典
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 合格基準」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 出題基準」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 試験概要」
※本記事は、受験学習の全体像を理解するための解説です。受験年度の正式な試験日程、受験申込、合格基準、出題基準は、必ず公式資料で確認してください。
関連リンク
介護キャンパスのトップページはこちら
介護福祉士国試合格サポートの一覧はこちら
介護福祉士国家試験対策の記事一覧はこちら



