介護保険最新情報Vol.1506|令和8年8月から一部の補足給付対象者の食費・居住費が見直しへ

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厚生労働省は、令和8年5月29日付で、介護保険最新情報Vol.1506「令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について」を発出しました。

今回の通知は、令和8年8月1日からの特定入所者介護(予防)サービス費、いわゆる補足給付における食費・居住費の見直しについて、自治体から介護サービス事業者等へ周知を求める内容です。

本稿は、厚生労働省の介護保険最新情報Vol.1506をもとに、介護・福祉実務者向けに要点を整理したものです。実際の適用や個別の負担額は、利用者の負担段階、居室区分、施設類型、負担限度額認定の内容、市町村からの通知等により異なります。最終的な確認は、必ず一次資料や市町村の案内に基づいて行ってください。

特定入所者介護(予防)サービス費とは

特定入所者介護(予防)サービス費は、介護保険施設やショートステイを利用する低所得の方に対し、食費・居住費の負担を軽減するための給付です。

参考資料では、介護保険施設として、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が示されています。あわせて、ショートステイを利用する方の食費・居住費についても、補足給付の仕組みが説明されています。

補足給付では、標準的な費用の額である基準費用額と、利用者が負担する負担限度額との差額が、介護保険から給付されます。

令和8年8月から見直される内容

今回の通知では、令和8年8月1日より、告示等に基づき、特定入所者介護(予防)サービス費における食費・居住費の負担限度額・基準費用額が引き上がることが示されています

参考資料では、第3段階①・第3段階②に該当する方について、食費が日額30円〜60円引き上がることが示されています。

また、居住費については、一部の方を除き日額100円引き上がるとされています。あわせて、食費の基準費用額も日額100円引き上がることが示されています

ただし、今回の見直しは、すべての利用者に一律に同じ影響が出るものではありません。実際の影響は、利用者負担段階、利用しているサービス、居室区分、施設類型、補足給付の適用有無によって異なります。

補足給付の対象者は市町村の認定で確認する

参考資料では、補足給付について、利用者負担第1段階から第3段階②の方を対象に、所得に応じた負担限度額を設定する仕組みとして説明されています。

個々の利用者がどの段階に該当するかは、施設・事業所が独自に判断するものではありません。負担段階や負担限度額は、市町村の認定結果や負担限度額認定証等を確認して整理します。

利用者や家族へ説明する際には、「第3段階だから必ずこの金額になる」といった断定的な説明を避け、認定結果や居室区分等を踏まえて、個別に確認することが大切です。

補足給付の対象外となる方も確認が必要

参考資料では、補足給付の対象ではない方の負担額は、施設と利用者の契約により決められていることも示されています

今回の記事で扱う中心は補足給付の見直しですが、施設・事業所としては、補足給付の対象者だけを確認すれば十分とは限りません。

自施設で食費・居住費の料金設定を見直す場合は、補足給付の対象外となる利用者も含めて、契約内容、重要事項説明書、料金表、運営規程等との整合を確認しておく必要があります。

なお、契約変更や同意取得の具体的な要否・方法は、各施設・事業所の契約条項、運営規程、料金改定の有無、市町村や保険者の案内等によって異なります。管理者、事務担当者、生活相談員等で早めに確認しておくと、8月以降の説明や請求処理に備えやすくなります。

居住費の引上げには一部対象外があります

参考資料では、居住費について「一部の方を除き」日額100円引き上がるとされています。

また、介護老人保健施設や介護医療院の一部の類型、多床室の扱いについて注記が付されています。そのため、施設種別や居室区分を確認しないまま、「すべての居住費が一律に上がる」と説明することは避けてください。

実務上は、利用者ごとの負担限度額認定の内容、居室区分、施設類型を確認したうえで、個別の負担額を整理します。

利用者負担段階の基準見直し案も示されています

参考資料には、令和7年度の年金額改定を踏まえた、利用者負担段階の基準見直し内容も含まれています

具体的には、年金収入金額等に関する基準額について、旧80.9万円から新82.65万円への見直し内容が示されています。

ただし、この基準額の見直しについては、通知本文で「現在改正作業中」であり、改正については追って通知を発出する予定とされています。

そのため、現時点で事業所が独自に利用者の段階変更を予測したり、家族へ確定事項として説明したりすることは避けてください。利用者負担段階の最終的な確認は、市町村から発行される新しい負担限度額認定証や、今後示される正式な通知をもとに行います。

施設・事業所で確認しておきたいこと

今回の通知を受けて、介護保険施設やショートステイを行う事業所では、次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 対象サービスの確認
    自施設・事業所が、今回の見直しに関係する介護保険施設やショートステイに該当するかを確認します。
  • 利用者負担段階の確認
    第3段階①・第3段階②に該当する利用者を中心に、令和8年8月以降の負担額に影響が出るかを確認します。最終確認は、市町村の認定結果や負担限度額認定証に基づいて行います。
  • 居室区分・施設類型の確認
    居住費の引上げには一部対象外があります。居室区分、施設類型、多床室等の扱いを一次資料で確認します。
  • 補足給付対象外の利用者への影響確認
    補足給付の対象外となる方の食費・居住費は、施設と利用者の契約内容により決まります。自施設で料金設定を変更する場合は、契約書、重要事項説明書、料金表、運営規程等との整合を確認します。
  • 説明・同意・書面管理の確認
    食費・居住費の金額を変更する場合は、契約内容や運営規程に応じて、利用者・家族への説明、同意取得、重要事項説明書や料金表の見直しが必要になる場合があります。具体的な手続きは、自施設の契約内容や市町村等の案内に基づいて確認してください。
  • 請求・事務処理への影響確認
    負担限度額や基準費用額の変更は、利用料説明、請求、介護ソフトの設定、請求前チェックにも関係します。8月サービス分からの処理に向けて、事務担当者と早めに共有しておくと安心です。

利用者・家族説明で注意したいこと

今回の見直しは、低所得の方に対する補足給付の仕組みに関わるため、説明の仕方には配慮が必要です。

特に、利用者や家族には「食費・居住費が上がる」という印象だけが先に伝わりやすくなります。実際には、利用者負担段階、サービス種別、居室区分、施設類型、契約内容によって影響は異なります。

説明する際は、次のように整理すると分かりやすくなります。

  • 令和8年8月1日から見直しが行われること
  • 補足給付の対象となる一部の方に影響があること
  • 第3段階①・第3段階②の方では、食費・居住費の負担が変わる場合があること
  • 居住費には一部対象外があること
  • 補足給付対象外の方は、施設との契約内容により負担額が決まること
  • 個別の負担額は、負担限度額認定、居室区分、施設類型、契約内容等を確認する必要があること

制度の一般説明と、利用者個別の負担額説明を分けて伝えることで、誤解を防ぎやすくなります。

8月1日に向けた実務上の準備

令和8年8月1日から、利用者負担額が変わる場合があります。対象となる施設・事業所では、早めに準備を進めておくとよいでしょう。

まず、今回の見直しにより影響を受ける可能性がある利用者を把握します。次に、食費・居住費の料金設定を変更するかどうかを施設内で確認します。

料金設定を変更する場合は、契約書、重要事項説明書、料金表、運営規程等の見直しが必要になる場合があります。あわせて、利用者・家族への説明方法、同意取得の方法、請求システムの設定、職員間の問い合わせ対応を整理しておくと、8月以降の混乱を防ぎやすくなります。

まとめ

介護保険最新情報Vol.1506では、令和8年8月1日から、特定入所者介護(予防)サービス費における食費・居住費の負担限度額・基準費用額が見直されることが示されました。

参考資料では、第3段階①・第3段階②に該当する方について、食費が日額30円〜60円引き上がること、居住費については一部の対象外を除き日額100円引き上がることが示されています。

一方で、今回の見直しは、すべての利用者に一律に影響するものではありません。施設・事業所では、対象サービス、利用者負担段階、居室区分、施設類型、負担限度額認定の内容を確認しながら、利用者・家族への説明や事務処理に備える必要があります。

また、補足給付の対象外となる方についても、食費・居住費の料金設定を変更する場合は、契約内容や重要事項説明書等との整合を確認してください。

利用者負担段階の基準額見直しについては、参考資料上の内容として示されており、追って通知が発出される予定です。今後の正式な通知や市町村からの案内もあわせて確認しておきましょう。

※ご確認いただきたい点

本記事は、厚生労働省が公表した介護保険最新情報Vol.1506の原文(※)に沿って、実務者向けに要点を整理したものです。
できる限り正確を期して記載していますが、実際の運用判断にあたっては、必ず厚生労働省の原通知・関係告示・最新の疑義解釈等の一次情報をご確認ください。

とくに、厚労省通知や医療関係の情報は、通知本文の文脈や関連する告示・算定ルールをあわせて確認することが重要です。
本記事は実務理解を助けるための参考情報であり、最終的な判断は必ず元情報に基づいて行っていただくことをおすすめします。

関連リンク

介護保険最新情報vol.1506(【事務連絡】令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について)(令和8年5月29日厚生労働省老健局介護保険計画課、老人保健課事務連絡)

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梅沢 佳裕

ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表
最新福祉情報サイト【介護キャンパス】主宰
梅沢 佳裕

社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター他。
東京都を拠点に、介護・福祉事業所の人材育成、管理職研修、法定研修、制度改正対応、BCP、カスタマーハラスメント対策などをテーマに、研修講師・コンサルティング・執筆活動を行っています。

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公的資料や最新通知を確認しながら、制度と現場実践をつなぐ分かりやすい解説を心がけています。

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