「つらい」と言えない介護職へ|ストレスを抱え込まない相談とセルフケア

福祉専門職のメンタルケア

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介護・福祉職は、利用者支援、家族対応、多職種連携、記録、勤務調整など、いくつもの負担を抱えながら働いています。

人手不足や不規則勤務が続くと、「周囲も大変だから」「自分だけ弱音を吐けない」と考え、つらさを抱えたまま働き続けることがあります。

セルフケアには、自分のストレスに気づき、必要なときに相談や支援につながることも含まれます。

心の疲れは、言葉より先に表れる

メンタルヘルス不調の初期には、本人が「つらい」と自覚する前に、心身や行動に変化が表れることがあります。

  • 眠りにくい、夜中に目が覚める
  • 仕事に行く前から気持ちが重い
  • 利用者や家族の言葉に強く反応する
  • 集中しにくく、確認漏れが増える
  • 休日も仕事のことが頭から離れない

忙しい現場では、こうした変化を「疲れているだけ」と受け止めがちです。休んでも回復しにくい状態が続く、仕事や生活への影響が大きくなっている場合は、早めの相談を考えます。

相談は、限界になる前に使う

相談は、深刻な状態になってから行うものとは限りません。

「最近、夜勤後も眠れません」

「家族対応のことが頭から離れません」

「利用者へのイライラが続いています」

「今の勤務が少しきつくなっています」

最近起きている変化を思いつくままに伝えることも相談としてとても大事な一歩です

気持ちをうまく整理できていなくても構いません。早い段階で状況を共有することで、業務負担の確認や休養、専門的な支援につながることがあります。

伝えにくいときは「事実」から話す

「つらい」「苦しい」と言葉にするのが難しいときは、最近の事実から伝える方法があります。

伝え方の例

「ここ2週間、夜中に何度も目が覚めています」

「休憩を取れない日が続いています」

「同じ職員に業務が偏っています」

「出勤前に動悸がすることがあります」

「いつから」「どのような変化があるか」「仕事や生活にどう影響しているか」を伝えると、相手も状況を確認しやすくなります。

相談先は一つに限らない

業務負担や勤務体制、それに伴う心身の変化は、上司や人事・労務担当者に伝えることで、職場での対応を検討しやすくなります。

一方、上司に話しにくい場合や、上司自身が悩みの原因になっている場合もあります。法人の相談窓口、別の管理職、産業医や保健師など、状況に応じて相談先を選びます。

職場を通さずに相談したいときは、厚生労働省の「こころの耳」を利用できます。働く人本人が、電話・SNS・メールでメンタルヘルスに関する相談をすることができます。

「誰に相談すればよいか分からない」「職場にはまだ話しにくい」という段階でも利用できます。まず外部の相談員に話し、自分の状態や次の行動を整理する方法もあります。

産業医がいない小規模な事業場では、地域産業保健センターなどの外部支援もあります。こちらは事業場の規模や相談内容、地域によって利用方法が異なるため、職場の担当者や最寄りの窓口に確認してください。

一度の相談で状況が変わらないとき

人員不足などの事情から、すぐに配置や勤務体制が変わらないこともあります。

それでも、相談した日時、伝えた内容、その後の経過を簡単に残しておくと、次の相談で状況を説明しやすくなります。

改善が見られない、相談しにくい状態が続く、ハラスメントや労働条件の問題が疑われる場合は、法人の相談窓口や統括部門、外部の公的相談機関へ相談先を広げる方法があります。

相談する力もセルフケアの一つ

介護・福祉の仕事では、多職種連携を通じて利用者を支えています。一方、自分自身のつらさは一人で抱え込んでしまうことがあります。

「前とは少し違う」「この状態が続いている」と感じたときは、誰かにつながるタイミングです。

早めに相談することは、自分の心身を守り、専門職として働き続けるためのセルフケアの一つです。

参考資料

厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」
厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」
厚生労働省・こころの耳「ストレスチェック制度について 労働者数50人未満の事業場」
厚生労働省「労働者数50人未満の小規模事業者の方」

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梅沢 佳裕

ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表
最新福祉情報サイト【介護キャンパス】主宰
梅沢 佳裕

社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター他。
東京都を拠点に、介護・福祉事業所の人材育成、管理職研修、法定研修、制度改正対応、BCP、カスタマーハラスメント対策などをテーマに、研修講師・コンサルティング・執筆活動を行っています。

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