【文例】夜勤の介護記録の書き方|睡眠・不穏・離床の記録ポイント

福祉現場の記録の書き方と活かし方

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夜勤中の介護記録では、「どこまで書けばよいのか」と迷うことがあります。

「よく眠っていた」「不穏あり」「数回離床」といった記録では、夜間の経過を十分に読み取れません。何時に覚醒したのか、離床後にどこへ向かったのか、本人は何を訴え、職員はどう対応したのか。こうした情報が抜けると、早番や日勤の職員が利用者の状態をつかみにくくなります

夜勤記録は、睡眠や覚醒、離床、排泄、体調変化などを時系列で残し、その後のケアにつなぐ情報です。この記事では、夜間帯の観察ポイント、不眠・不穏・離床時の記録文例、新人職員が迷いやすい書き方を解説します。

夜間帯の介護記録で重要な観察ポイント

夜間の睡眠状態は、「眠っていた」「眠れなかった」という二つの表現だけでは捉えきれません。

同じ不眠でも、入眠まで時間がかかった場合、短時間の覚醒を繰り返した場合、離床して居室外へ出た場合では、夜間の経過が異なります。翌日の傾眠や活動性、食事摂取などを見るうえでも、いつ、どのような状態が見られたかが分かる記録が役立ちます

夜間帯では、主に次の点を観察します。

  • 入眠・覚醒の時刻
  • 中途覚醒の回数や時間帯
  • 離床時の行動や移動先
  • 本人の発言や訴え
  • 疼痛、咳嗽、発熱、排泄などの状態
  • 職員が行った声かけや介助
  • 対応後の状態変化

毎回すべてを書く必要はありません。普段と異なる状態や、その後のケアに関わる変化を記録します。

NG例

「夜間、不眠。不穏あり。」

この記録では、不眠の状態も、「不穏」と記載した根拠も分かりません。

修正文例

「21時30分頃に入眠。1時10分に覚醒し、ベッド上で端座位となっているところを職員が確認した。『トイレに行きたい』との訴えがあり、歩行介助でトイレへ誘導した。排泄後に再入床し、1時35分頃に再入眠した。」

覚醒時刻、本人の訴え、職員の対応、再入眠までの経過が一続きで分かります。

夜勤記録では、何が起き、その後どうなったかを時系列で残します。この流れが見えると、日中の眠気や体調変化との関連も確認しやすくなります。

「不穏」という言葉も、単独では具体的な状態が伝わりません。

居室を繰り返し出入りした、大声で職員を呼んだ、同じ訴えを繰り返した、不安を訴えて落ち着かない様子が見られたなど、実際の言動を記載します。観察した行動や発言を具体的に残すことで、読み手が夜間の状況を共有できます。

不眠・不穏・離床時の記録文例

夜勤中は、限られた時間で記録を作成します。次の順番を意識すると、短い文章でも経過が伝わります。

時刻 → 利用者の状態 → 職員の対応 → その後の変化

文例1:入眠に時間がかかった場合

「22時、消灯後も利用者A様はベッド上で覚醒していた。職員が声をかけると、『今日はなかなか眠れない』と話された。疼痛や体調不良の訴えはなかった。23時の巡回時には閉眼しており、その後2時まで睡眠していた。」

「不眠」とまとめず、本人の訴えと睡眠経過を記録しています。

文例2:夜間に繰り返し離床した場合

「0時20分、利用者B様が居室から廊下へ出ているところを職員が確認した。『家に帰らないといけない』と話され、玄関方向へ歩こうとした。職員が付き添って居室へ戻り、5分ほど話を聞くと表情が穏やかになった。0時40分頃に再入床した。2時10分にも離床し、トイレ使用後に再入床。2時30分の巡回時には閉眼していた。」

離床回数に加えて、本人の発言、移動しようとした方向、職員の対応、その後の状態まで確認できます。

「徘徊あり」「不穏あり」と記載するより、本人が実際に何を言い、どのように行動したかを残す方が、次の勤務者も状況を把握しやすくなります。

文例3:夜間に大声が見られた場合

「3時15分、利用者C様が居室内で『誰か来て』と繰り返し大きな声を出しているところを職員が確認した。訪室すると、『一人でいるのが怖い』と話された。ベッド横で5分ほど話を聞くと声量が小さくなり、その後は臥床した。3時40分の巡回時には閉眼していた。」

大声という行動に加え、本人の訴えと対応後の変化が分かる記録です。

文例4:夜間に体調変化があった場合

「4時、利用者D様がナースコールを押し、『気持ちが悪い』と訴えた。顔色に著変はなく、嘔吐は見られなかった。事業所の夜間連絡手順に沿って担当者へ報告し、指示を受けて状態観察を継続した。4時30分には『少し楽になった』と話され、ベッド上で安静にしていた。」

夜間の体調変化では、本人の訴え、観察した状態、報告先、対応内容、経過を記録します。

具体的な報告先や連絡順序は、サービス種別や事業所の夜間体制によって異なります。看護職、オンコール担当者、管理者、主治医、協力医療機関などへの連絡は、自事業所のマニュアルや緊急時対応手順に従います。

夜勤記録で新人が迷いやすいポイント

記録に慣れていない職員は、「どこまで書けばよいのか」と迷いがちです。

夜間の出来事をすべて詳しく書くと、記録に時間がかかります。「特変なし」の一言だけでは、その夜の状態を十分に共有できません。

優先して残したいのは、次の勤務者が知っておくべき変化です。

  • 普段より中途覚醒が多かった
  • これまで見られなかった夜間行動があった
  • 歩行や移動の状態に変化があった
  • 疼痛や体調不良の訴えがあった
  • 普段と異なる発言や反応が見られた

「よく眠れた」「落ち着いていた」といった表現を使う場合も、観察した事実を添えると状態が明確になります。

NG例

「夜間は落ち着いて過ごした。」

修正文例

「21時30分頃に入眠。2時に一度覚醒して水分を摂取した後、再入眠した。6時まで離床は見られなかった。」

新人職員への指導では、次の4点を確認すると記録の流れをつかみやすくなります。

  • 何時に起きたか
  • 本人は何を言い、どう行動したか
  • 職員はどのように対応したか
  • その後、状態はどう変化したか

夜間帯には、その時間に勤務していた職員しか把握していない出来事があります。次の勤務者が場面を具体的にイメージできる記録が、継続したケアを支えます

まとめ

夜間帯の介護記録では、睡眠、不眠、不穏、離床といった用語に加えて、そのときの状態を具体的に残します。

入眠・覚醒の時刻、本人の発言、離床時の行動、職員の対応、対応後の変化が分かると、夜間から日中へ情報をつなぎやすくなります。

特に「不穏」「落ち着かない」と記載する際は、その判断につながった具体的な行動や発言を書き添えます

夜間の体調変化では、自事業所のマニュアルや緊急時対応手順に沿って対応し、報告先や対応内容、その後の経過を事実に基づいて記録します。

夜勤記録は、夜間の状態とケアの経過を次の勤務者へ伝え、その後の支援につなげるための実務記録です。

【次回の内容】
次回は、『服薬介助の介護記録の書き方|拒否・飲み忘れ』を取り上げます。

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梅沢 佳裕

ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表
最新福祉情報サイト【介護キャンパス】主宰
梅沢 佳裕

社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター他。
東京都を拠点に、介護・福祉事業所の人材育成、管理職研修、法定研修、制度改正対応、BCP、カスタマーハラスメント対策などをテーマに、研修講師・コンサルティング・執筆活動を行っています。

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公的資料や最新通知を確認しながら、制度と現場実践をつなぐ分かりやすい解説を心がけています。

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