ケアマネジャー試験では、介護支援分野、保健医療サービス分野、福祉サービス分野の基本知識を幅広く確認する必要があります。
この無料版では、有料版と同じ形式で、3分野から合計10問を掲載しています。
短い○×問題を通して、介護保険制度、要介護認定、認知症、医療連携、地域包括支援センター、権利擁護など、試験でよく問われる基本用語を確認していきます。
この記事の学習目的
この記事では、ケアマネジャー試験の基礎固めとして、次の内容を確認します。
・介護保険制度の基本
・被保険者の区分
・要介護認定の流れ
・居宅サービス計画の基本
・認知症や訪問看護の基礎知識
・地域包括支援センターや権利擁護の基本
この一問一答の使い方
まずは、問題文を読んで○・×を解答し、解答・Point解説・用語チェック・暗記ポイントを確認します。間違えた問題は、暗記ポイントをもう一度読み直してください。
ケアマネジャー試験では、細かな知識をいきなり覚える前に、基本用語の意味を正しく押さえることが大切です。
第1問 介護保険の保険者
介護保険制度の保険者は、原則として市町村および特別区である。
解答:○
Point解説
介護保険制度の保険者は、市町村および特別区です。
保険者とは、介護保険制度を運営する主体のことです。介護保険では、市町村・特別区が、被保険者の資格管理、保険料の徴収、要介護認定、保険給付、地域支援事業などを行います。
ケアマネジャー試験では、「国」「都道府県」「市町村」の役割の違いが問われやすいです。介護保険制度では、国や都道府県も制度運営に関わりますが、保険者は市町村・特別区です。
特に、「介護保険の保険者は都道府県である」というような選択肢は誤りになります。都道府県は、介護保険事業支援計画の策定、財政安定化基金の設置、介護保険審査会の設置、一部サービス事業者の指定・指導監督などに関わりますが、保険者そのものではありません。
地域密着型サービスや居宅介護支援の指定など、市町村が担う事項もあるため、「事業者指定はすべて都道府県」と覚えないように注意しましょう。
用語チェック
保険者
介護保険制度を運営する主体です。介護保険では、市町村および特別区が保険者となります。
特別区
東京都23区のことです。介護保険制度では、市町村と同じように保険者として扱われます。
暗記ポイント
介護保険の保険者は「市町村・特別区」です。
国や都道府県の役割と混同しないようにしましょう。
第2問 第1号被保険者
介護保険の第1号被保険者は、65歳以上の者である。
解答:○
Point解説
介護保険の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。
第1号被保険者は、65歳以上の者です。第1号被保険者は、要介護状態または要支援状態になった原因を問わず、認定を受ければ介護保険サービスを利用できます。
ここで大切なのは、第1号被保険者は「65歳以上」という年齢で区分される点です。病気や障害の原因が特定疾病であるかどうかは、第1号被保険者のサービス利用条件ではありません。
試験では、第1号被保険者と第2号被保険者の違いが頻出です。特に、「年齢」「医療保険加入の有無」「特定疾病の要件」を整理しておくことが重要です。
用語チェック
第1号被保険者
介護保険制度における65歳以上の被保険者です。要介護・要支援認定を受けることで、介護保険サービスの対象となります。
要介護状態
身体上または精神上の障害により、継続して常時介護を必要とする状態をいいます。
暗記ポイント
第1号被保険者は「65歳以上」です。
原因を問わず、認定を受ければ介護保険サービス利用の対象になります。
第3問 第2号被保険者
第2号被保険者は、原因を問わず、要介護・要支援認定を受ければ介護保険サービスを利用できる。
解答:×
Point解説
第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。
第2号被保険者が介護保険サービスを利用できるのは、加齢に伴って生じる特定疾病が原因で、要介護状態または要支援状態になり、要介護・要支援認定を受けた場合です。
この問題は、ケアマネジャー試験で非常に狙われやすいところです。第1号被保険者は原因を問わず対象になりますが、第2号被保険者は「特定疾病が原因」という条件があります。
たとえば、40歳から64歳までの医療保険加入者であっても、交通事故など特定疾病以外の原因で介護が必要になった場合は、介護保険の第2号被保険者としての給付対象とは整理されません。
用語チェック
第2号被保険者
40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。特定疾病が原因で要介護・要支援状態になった場合に、介護保険サービスの対象となります。
特定疾病
加齢との関係が認められる疾病として、介護保険制度上定められている疾病です。
暗記ポイント
第2号被保険者は「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」です。
サービス利用には「特定疾病が原因」という条件があります。
第4問 要介護認定の申請先
要介護認定の申請先は、原則として市町村である。
解答:○
Point解説
介護保険サービスを利用するには、原則として、住んでいる市町村に要介護認定または要支援認定の申請を行います。
申請後は、市町村の職員などによる認定調査が行われます。また、市町村からの依頼により、主治医が心身の状況について主治医意見書を作成します。
要介護認定は、介護保険サービスを利用する入口になる手続きです。試験では、「申請先はどこか」「認定調査は誰が行うか」「主治医意見書は何に使われるか」などが問われやすいです。
なお、本人が申請することが基本ですが、家族が窓口で手続きを行う場合や、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などが申請手続を代行する場合もあります。
用語チェック
要介護認定
介護の必要性や程度を判定する手続きです。認定結果により、要支援1・2、要介護1〜5などに区分されます。
主治医意見書
主治医が、本人の心身の状態や医学的な管理の必要性などを記載する書類です。要介護認定の判定資料になります。
暗記ポイント
要介護認定の申請先は市町村です。
申請後は、認定調査と主治医意見書が判定資料になります。
第5問 一次判定と二次判定
要介護認定では、コンピュータによる一次判定だけで最終的な要介護度が決定される。
解答:×
Point解説
要介護認定では、まず認定調査の結果や主治医意見書の一部の項目をもとに、コンピュータによる一次判定が行われます。
しかし、一次判定だけで最終的な要介護度が決まるわけではありません。その後、介護認定審査会が、一次判定結果、認定調査の内容、主治医意見書などをもとに二次判定を行います。
最終的には、市町村が要介護度を認定します。つまり、要介護認定は「申請」「認定調査」「主治医意見書の作成」「一次判定」「介護認定審査会による二次判定」「市町村による認定」という流れで理解すると整理しやすくなります。
一次判定でも主治医意見書の一部が使われるため、「主治医意見書は二次判定だけで使う」と覚えないように注意しましょう。
試験では、「一次判定だけで決まる」「主治医だけが判定する」「介護支援専門員が要介護度を決める」といった誤った選択肢に注意が必要です。
用語チェック
一次判定
認定調査の結果などをもとに、コンピュータにより行われる判定です。
二次判定
介護認定審査会が、一次判定結果や主治医意見書などをもとに行う審査・判定です。
介護認定審査会
要介護状態区分などについて審査・判定を行う機関です。
暗記ポイント
要介護度は、一次判定だけでは決まりません。
介護認定審査会による二次判定を経て、市町村が認定します。
第6問 居宅サービス計画
居宅サービス計画は、利用者が居宅で介護サービスを利用するための計画である。
解答:○
Point解説
居宅サービス計画は、利用者が自宅などの居宅で介護保険サービスを利用するための計画です。一般にケアプランと呼ばれます。
居宅サービス計画には、利用者の心身の状態、生活状況、本人や家族の希望、生活上の課題、利用するサービスの種類や内容などが整理されます。
居宅介護支援では、介護支援専門員がアセスメントを行い、利用者の意向を踏まえて居宅サービス計画を作成します。サービス事業者との連絡調整も、居宅介護支援の重要な役割です。
試験では、居宅サービス計画を単なるサービス一覧として覚えるのではなく、利用者の生活課題を整理し、必要なサービスを組み合わせる計画として理解することが大切です。
用語チェック
居宅サービス計画
居宅で介護保険サービスを利用するために作成される計画です。利用者の状態や希望に応じて、サービス内容を整理します。
アセスメント
利用者の心身の状態、生活環境、希望、課題などを把握・分析することです。
居宅介護支援
介護支援専門員が、居宅サービス計画の作成やサービス事業者との連絡調整などを行うサービスです。
暗記ポイント
居宅サービス計画は、居宅でのサービス利用を整理する計画です。
介護支援専門員が、利用者の意向と生活課題を踏まえて作成します。
第7問 認知症の理解
認知症では、記憶障害だけでなく、判断力の低下や見当識障害などがみられることがある。
解答:○
Point解説
認知症では、記憶障害だけでなく、見当識障害、理解力や判断力の低下、実行機能の低下などがみられることがあります。
ここで大切なのは、認知症を「もの忘れだけ」と考えないことです。時間や場所が分かりにくくなる、説明を理解しにくくなる、手続きや家事の段取りが難しくなるなど、生活全体に影響が出ることがあります。
ケアマネジャー試験では、認知症の症状を、本人の性格や単なるわがままとして捉えない視点が重要です。認知症による生活上の困りごとを理解し、本人や家族への支援につなげる視点が問われます。
また、認知症の人の支援では、本人の尊厳、意思決定支援、生活歴の理解、家族支援なども関連して問われやすいテーマです。
用語チェック
記憶障害
新しいことを覚えにくくなったり、最近の出来事を思い出しにくくなったりする状態です。
見当識障害
時間、場所、人などの認識が難しくなる状態です。
判断力の低下
状況を理解して適切に判断することが難しくなる状態です。
暗記ポイント
認知症は、記憶障害だけではありません。
見当識障害、判断力の低下、生活上の困難もあわせて理解しましょう。
第8問 訪問看護
訪問看護は、医師の指示に基づいて、看護師等が居宅を訪問して療養上の世話や診療の補助を行うサービスである。
解答:○
Point解説
訪問看護は、看護師等が利用者の居宅を訪問し、療養上の世話や必要な診療の補助を行うサービスです。
重要なのは、訪問看護は医師の指示に基づいて行われるという点です。訪問介護と訪問看護は名称が似ていますが、内容は異なります。訪問介護は、訪問介護員等が身体介護や生活援助を行うサービスです。一方、訪問看護は、看護師等が医療的な視点を持って療養生活を支えるサービスです。
ケアマネジャー試験では、「誰が行うのか」「医師の指示が必要か」「療養上の世話と診療の補助とは何か」が問われやすいです。
在宅療養、看取り、医療依存度の高い利用者への支援では、訪問看護と介護支援専門員、主治医、訪問介護、リハビリ職などとの連携が重要になります。
用語チェック
訪問看護
看護師等が居宅を訪問し、療養上の世話や必要な診療の補助を行うサービスです。
療養上の世話
健康状態の観察、清潔保持、排泄支援、栄養管理、服薬状況の確認など、療養生活を支える看護をいいます。
診療の補助
医師の指示に基づいて行う医療的な補助行為です。
暗記ポイント
訪問看護は、医師の指示に基づくサービスです。
訪問介護と混同しないようにしましょう。
第9問 地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談支援や権利擁護などを行う機関である。
解答:○
Point解説
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように支援するための機関です。
主な業務には、介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援があります。
試験では、地域包括支援センターを「介護サービス事業所の一つ」として覚えるのではなく、地域の高齢者支援の総合的な相談・支援機関として理解することが大切です。
また、地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などの専門職が配置され、チームで高齢者支援にあたります。高齢者本人だけでなく、家族、地域住民、介護支援専門員などからの相談にも関わります。
用語チェック
地域包括支援センター
高齢者の総合相談支援、権利擁護、介護予防ケアマネジメント、包括的・継続的ケアマネジメント支援などを担う機関です。
総合相談支援
高齢者や家族のさまざまな相談を受け、必要な支援や制度につなぐ機能です。
包括的・継続的ケアマネジメント支援
介護支援専門員への支援や、医療・介護・地域の関係機関との連携を進める支援です。
暗記ポイント
地域包括支援センターは、高齢者支援の総合相談窓口です。
介護予防、総合相談、権利擁護、ケアマネ支援を押さえましょう。
第10問 権利擁護
成年後見制度は、判断能力が不十分な人を支援する制度である。
解答:○
Point解説
成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人を支援する制度です。
たとえば、契約、財産管理、福祉サービスの利用手続きなどを本人だけで行うことが難しい場合に、本人の権利や利益を守るための仕組みとして活用されます。
ケアマネジャー試験では、成年後見制度は福祉サービス分野や権利擁護の基本として問われます。単に「財産管理の制度」として覚えるのではなく、本人の意思や生活を支える権利擁護の制度として理解することが大切です。
介護支援専門員の実務では、利用者の判断能力の低下、契約や金銭管理の困難、消費者被害、虐待リスクなどに気づく場面があります。その際に、地域包括支援センター、成年後見制度、日常生活自立支援事業などの制度や関係機関につなぐ視点が重要になります。
用語チェック
成年後見制度
判断能力が不十分な人について、契約や財産管理などを支援し、本人の権利や利益を守る制度です。
権利擁護
本人の権利や利益が損なわれないように支援する考え方です。
判断能力
契約や手続きなどについて、内容を理解し、自分で判断する力のことです。
暗記ポイント
成年後見制度は、判断能力が不十分な人を支援する制度です。
権利擁護は、本人の権利と生活を守る視点として押さえましょう。
ミニ解説・暗記ポイント
今回の10問では、ケアマネジャー試験の 介護支援分野・保健医療サービス分野・福祉サービス分野 を横断して、基本用語と制度の仕組みを確認しました。
特に押さえておきたい用語は、次のとおりです。
今日確認した重要用語
【介護支援分野】
介護保険の保険者/市町村/特別区
第1号被保険者/第2号被保険者/医療保険加入者
特定疾病/要介護状態/要支援状態
要介護認定/認定調査/主治医意見書
一次判定/二次判定/介護認定審査会
居宅サービス計画/ケアプラン/アセスメント
居宅介護支援/介護支援専門員/サービス事業者との連絡調整
【保健医療サービス分野】
認知症/記憶障害/見当識障害
判断力の低下/実行機能の低下/生活上の困難
訪問看護/医師の指示/看護師等
療養上の世話/診療の補助/在宅療養
医療連携/主治医/多職種連携
【福祉サービス分野】
地域包括支援センター/総合相談支援/権利擁護
介護予防ケアマネジメント/包括的・継続的ケアマネジメント支援
保健師/社会福祉士/主任介護支援専門員
成年後見制度/判断能力/財産管理
権利擁護/本人の意思/福祉サービスの利用支援
これらの用語は、ケアマネジャー試験でくり返し問われる重要テーマです。
一問一答では、まず○×で基本を確認します。
その後、Point解説、用語チェック、暗記ポイントを読むことで、用語の意味だけでなく、制度の仕組みやケアマネジャーの実務とのつながりも理解しやすくなります。
過去問や模擬問題に進む前に、介護保険制度、要介護認定、ケアプラン、認知症、訪問看護、地域包括支援センター、権利擁護などの頻出用語を一つずつ押さえていきましょう。
無料版のまとめ
今回の無料版では、ケアマネジャー試験の3分野から、基礎固めとして押さえたい10問を確認しました。
特に、介護保険制度、被保険者、要介護認定、居宅サービス計画、認知症、訪問看護、地域包括支援センター、権利擁護は、試験対策の土台になる重要テーマです。
有料版では、3分野別に、より多くの頻出用語と基本制度を一問一答形式で確認していきます。
参考資料について
本記事は、介護支援専門員実務研修受講試験の出題範囲、公的制度資料、厚生労働省資料、介護保険法・関連省令・通知、介護保険最新情報、公開過去問題の出題傾向等をもとに、介護キャンパスが独自に作成した一問一答教材です。市販問題集の設問文・解説文は使用していません。
※本記事は、過去問の出題傾向および2026年6月末までに公表・確認できる制度情報をもとに作成しています。7月以降に公表された通知・Q&A等は、今年度試験の出題対象として断定せず、補足情報として扱います。
参考資料
- 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員」
介護支援専門員実務研修受講試験の試験問題作成および合格基準設定に関する情報を確認しています。 - 厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」
出題方式、出題数、介護支援分野・保健医療福祉サービス分野の区分などを確認しています。 - 東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」
令和8年度試験の出題方式、試験時間、出題数、出題範囲等を確認しています。 - 厚生労働省「サービス利用までの流れ|介護保険の解説」
要介護認定の申請、認定調査、主治医意見書、一次判定、二次判定、認定後の流れを確認しています。 - 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
第2号被保険者と特定疾病の関係、特定疾病の考え方を確認しています。 - 厚生労働省「介護保険制度における要介護認定の仕組み」
要介護認定、介護認定審査会、一次判定・二次判定の考え方を確認しています。 - 厚生労働省「地域包括支援センターの業務」
介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務を確認しています。



