青梅市様の令和8年度 主任介護支援専門員ステップアップ研修として、
「カスタマーハラスメント対処と防止策 ― 青梅市内の介護支援専門員を支える助言・指導の実践」
をテーマに登壇しました。
本研修は、青梅市内の主任介護支援専門員の皆様を対象に、介護支援専門員が直面しやすいカスタマーハラスメント場面をどのように見立て、担当ケアマネジャーをどのように支えるかを考える内容として実施しました。
居宅介護支援や地域包括支援センターの現場では、利用者・家族の不安、介護負担、制度理解の難しさなどが、強い言葉や不当な要求として表れることがあります。
一方で、すべてをカスタマーハラスメントと捉えるのではなく、苦情・要望・支援困難・カスハラを切り分ける視点が欠かせません。
今回の研修では、主任介護支援専門員として、担当ケアマネジャーを孤立させず、記録・共有・管理者連携・次回対応へつなげる助言のあり方を整理しました。
研修概要
今回の研修は、集合研修・120分で実施しました。
研修では、カスタマーハラスメントの基本理解に加え、居宅介護支援・地域包括支援センターの相談援助場面で起こりやすい対応上の迷いを取り上げました。
主な内容は、以下の通りです。
- 苦情・クレームとカスタマーハラスメントの切り分け
- 居宅・包括でカスハラが起こりやすい背景
- 主任介護支援専門員としての助言・指導の役割
- 担当ケアマネを孤立させない相談支援の進め方
- 記録・共有・管理者連携につなげる組織対応の視点
カスハラ対応は、利用者や家族を遠ざけるためのものではありません。
支援関係を継続するために、対応できる範囲を整理し、職員の安全と専門職としての支援を両立させるための実務です。
研修プログラム
研修は、講義とワークを組み合わせた120分構成で進めました。
前半ではカスタマーハラスメントの基本理解と背景を確認し、後半では主任介護支援専門員として、担当ケアマネジャーへの助言をどのように行うかを具体的に検討しました。
| 項目 | 内容 | 研修で扱った主な視点 |
|---|---|---|
| オリエンテーション | 研修のねらい共有 | カスタマーハラスメント対応を、担当者個人の問題ではなく、支援者を支える実務課題として確認しました。 |
| 講義① | カスハラの基本理解と背景 | 苦情・要望・支援困難・カスハラの違い、居宅・包括で起こりやすい背景、法的な位置づけを整理しました。 |
| ワーク① | 振り返りと共有 | 自身の担当ケースや相談対応を振り返り、負担感や迷いが生じた場面を、主任介護支援専門員としての助言に置き換えて考えました。 |
| 講義② | カスハラ対処と助言の視点 | 初動対応、事実・感情・要求の切り分け、対応フレーズ、記録の残し方、組織対応へつなぐ視点を確認しました。 |
| ワーク② | 事例をもとにしたアプローチ検討 | 電話での強い叱責や訪問への不安が生じている事例をもとに、Aさんに何を確認し、どのように助言するかを検討しました。 |
| まとめ・振り返り | 明日からの助言・実践へ | 担当ケアマネを孤立させない関わり、記録・共有・管理者連携につなげる行動を整理しました。 |
研修では、カスハラを「強い言動への対処」として扱うだけでなく、介護支援専門員が安心して支援を継続できるように、主任介護支援専門員がどのような助言・指導を行うかを重視しました。
特に、相談を受けた際には、まず担当者の不安や負担を受け止めたうえで、事実・感情・要求を分けて確認することが大切です。
その整理があることで、記録、管理者への共有、次回訪問時の安全確保など、具体的な対応につなげやすくなります。
研修で大切にしたこと
今回の研修で大切にしたのは、カスハラ対応を単なるクレーム対応や説得技術として扱わないことです。
居宅介護支援や地域包括支援センターでは、利用者宅への訪問や電話相談など、1対1に近い対応が多くあります。
そのため、担当ケアマネジャーが暴言、威圧、長時間の電話、不当な要求を受けても、「自分の対応が悪かったのではないか」と抱え込んでしまうことがあります。
主任介護支援専門員には、そうした相談を受けたときに、担当者を責めず、状況を一緒に整理する役割があります。
研修では、次の視点を大切にしました。
- 苦情・要望・支援困難・カスハラを切り分けること
- 担当ケアマネを一人で抱え込ませないこと
- 発言内容、頻度、時間、業務への影響を記録に残すこと
- 管理者や事業所内で共有し、組織対応へつなげること
- 支援継続と職員保護を両立して考えること
カスタマーハラスメント対応では、相手の不安や困りごとを理解する視点も必要です。
ただし、威圧的な言動や人格否定、不当な要求が続く場合には、担当者だけで受け止め続けるのではなく、組織として対応方針を確認することが求められます。
おわりに
介護支援専門員は、利用者・家族にとって身近な相談先である一方、制度への不満や介護生活の不安を受け止めやすい立場でもあります。
だからこそ、カスタマーハラスメント対応では、利用者・家族との関係を大切にしながらも、職員を守る視点を外すことはできません。
今回の研修が、青梅市内の介護支援専門員を支える助言・指導の実践に役立ち、地域全体で安心して相談できる支援体制づくりにつながれば幸いです。
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