厚生労働省は、令和8年4月30日付で、介護保険最新情報Vol.1499を発出しました。今回の内容は、介護業における対象汎用製品の補助申請受付開始と、主な問い合わせへの回答を周知するものです。
具体的には、「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」について、介護業で新たに申請可能となった汎用製品が示されています。あわせて、従業員数の考え方、申請受付期間、カタログ未掲載製品の取扱い、法人種別ごとの主な要件について、実務上確認しておきたい回答が整理されています。
今回、新たに申請受付が開始された汎用製品
今回の通知では、介護業で新たに省力化補助金の申請が可能となった汎用製品として、次の2種類が示されています。
- 飲料ディスペンサー/とろみ給茶機
- 再加熱キャビネット/カート
これらは、令和8年1月9日付事務連絡で、主に介護業で使用する汎用機器として製品カタログに追加することが周知されていたものです。今回、製品および製造事業者の登録、販売事業者の登録が行われ、当該機器の導入にかかる補助金申請が可能となりました。
既に申請可能とされている製品
今回の通知では、参考として、既に介護業で補助申請が可能な製品も示されています。
- 清掃ロボット
- 配膳ロボット
したがって、今回のVol.1499で確認できる範囲では、主に介護業で使用する汎用機器として、今回新たに申請可能となった2種類と、既に申請可能とされている2種類が整理されています。
なお、介護業で活用し得る製品の全体像や最新の対象製品については、省力化補助金の製品カタログや公募要領を確認する必要があります。
カタログに掲載されていない製品は対象外
実務上、特に注意したいのは、カタログに掲載されていない製品は補助対象外とされている点です。
今回の通知では、カタログに登録されていない製品について、現時点では補助対象製品はカタログに掲載されている製品のみであり、掲載されていない製品は補助対象外と回答されています。
そのため、「同じような機能を持つ機器だから対象になるはず」と判断して導入を進めるのは避ける必要があります。申請を検討する場合は、必ず対象製品がカタログに掲載されているかを確認することが大切です。
従業員数は「法人全体」で判断する
今回のQ&Aでは、公募要領における補助対象者の要件について、「従業員数300人以下」等の従業員数をどの単位で判断するのかが示されています。
回答では、従業員数は申請対象の事業所ごとではなく、法人全体の人数とされています。
複数の介護サービス事業所や施設を運営している法人では、1つの事業所だけの人数で判断しないよう注意が必要です。補助対象者に該当するかどうかは、法人全体の従業員数を確認した上で判断する必要があります。
申請受付期間は「令和9年3月末頃までの間」
補助事業の締め切りについて、今回の通知では、公募要領において、令和9年3月末頃までの間に補助事業の申請を受け付けるとされています。
ただし、実際に申請を検討する場合は、最新の公募要領や公式サイトで受付状況を確認する必要があります。補助金の申請では、受付期間、登録状況、必要書類などの確認が重要になるため、導入を検討する段階で早めに情報を確認しておくことが望まれます。
法人の種類によって要件が異なる
今回の通知では、「自法人が補助対象になるかを知りたい」という問い合わせに対して、法人の種類によって条件が異なるため、公募要領の「補助対象者」を確認するよう案内されています。
主な事例として、社会福祉法人と株式会社の場合が示されています。
社会福祉法人の場合
介護業を営む社会福祉法人、たとえば特別養護老人ホームを運営する法人の場合、次の2点を満たすことが条件とされています。
- 従業員数300人以下
- 介護保険法に基づくサービスの範囲内で補助事業を行うこと
ここで重要なのは、単に社会福祉法人であればよいということではなく、通知上は「介護保険法に基づくサービスの範囲内で補助事業を行うこと」が条件として示されている点です。自法人の事業内容や導入目的が要件に合うかどうかは、公募要領で確認する必要があります。
株式会社の場合
有料老人ホームを運営する株式会社の場合、次の2点を満たすことが条件とされています。
- 資本金5,000万円以下
- 従業員数100人以下
今回の通知では、これらは主な事例として示されています。法人種別によって確認すべき要件が異なるため、株式会社以外の法人や、複数事業を展開している法人では、通知に記載された例だけで判断せず、公募要領の補助対象者を確認することが必要です。
介護事業所が確認しておきたいこと
今回の通知は、少なくとも本文の範囲では、介護現場に新たな法的義務を課すものではありません。省力化補助金の活用に関する周知・案内として位置付けられます。
介護事業所が確認しておきたいポイントは、次のとおりです。
- 導入したい機器がカタログに掲載されているか
- 自法人が補助対象者の要件を満たすか
- 従業員数を法人全体で確認しているか
- 補助事業が介護保険法に基づくサービスの範囲内で行われるものか
- 最新の公募要領や申請手続を確認しているか
今回の対象機器は、通知上、「主に介護業で使用する汎用機器」として位置付けられています。介護現場では、清掃、配膳、飲料提供、とろみ付け、食事提供の準備などに一定の業務負担が生じるため、こうした製品の導入が業務効率化に資するかどうかを、各事業所の実情に照らして検討することが大切です。
まとめ
介護保険最新情報Vol.1499では、介護業における省力化補助金の活用について、次の内容が示されました。
- 飲料ディスペンサー/とろみ給茶機の補助申請が可能となった
- 再加熱キャビネット/カートの補助申請が可能となった
- 既に、清掃ロボットと配膳ロボットは申請可能とされている
- 補助対象製品は、現時点ではカタログ掲載製品のみ
- 従業員数の要件は、事業所単位ではなく法人全体で判断する
- 申請受付は、令和9年3月末頃までの間とされている
- 法人の種類によって要件が異なるため、公募要領の確認が必要
今回の通知は、介護分野における業務効率化を進めるため、省力化補助金の活用可能性を周知するものです。介護事業者は、対象製品や法人要件を確認した上で、自法人の業務負担軽減に本当に役立つ導入かどうかを検討することが重要です。
※ご確認いただきたい点
本記事は、厚生労働省が公表した介護保険最新情報Vol.1499の原文(※)に沿って、実務者向けに要点を整理したものです。
できる限り正確を期して記載していますが、実際の運用判断にあたっては、必ず厚生労働省の原通知・関係告示・最新の疑義解釈等の一次情報をご確認ください。
とくに、厚労省通知や医療関係の情報は、通知本文の文脈や関連する告示・算定ルールをあわせて確認することが重要です。
本記事は実務理解を助けるための参考情報であり、最終的な判断は必ず元情報に基づいて行っていただくことをおすすめします。
関連リンク(※出典)
■介護保険最新情報vol.1499(介護分野の業務効率化に資する汎用機器の導入に向けた省力化補助金の活用について(介護業における対象汎用製品の補助申請受付開始および主な問い合わせについて))(令和8年4月30日厚生労働省老健局高齢者支援課事務連絡)
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