この記事では、2026年度のケアマネジャー試験合格を目指す方に向けて、2025年度に実施された第28回介護支援専門員実務研修受講試験のうち、福祉サービスの知識等15問について、問題と解答解説を掲載します。
福祉サービスの知識等は、相談援助、面接技術、権利擁護、生活保護、成年後見制度、高齢者虐待防止、障害福祉サービス、地域福祉、介護保険外サービスとの連携など、利用者の生活を幅広く支えるうえで欠かせない内容が問われる分野です。
解答解説は、それぞれの問題の下のタブをクリックしてご確認ください。
■福祉サービスの知識等
問題46
面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 「どのようなことでお困りですか」という質問は、クローズドクエスチョンである。
2 「なぜ」で始まる質問は、クライエントの戸惑いが増幅することが多いので、注意が必要である。
3 面接を開始する際には、面接の終了時間をクライエントと確認しておくことが望ましい。
4 観察には、非言語的メッセージを捉えることは含まれない。
5 共感とは、クライエントの立場であれば、どのような気持ちになるだろうか、と想像して感じ取ることである。
〖解答〗2・3・5
〖解説〗
選択肢1:× 不適切
「どのようなことでお困りですか」という質問は、相手が自由に答えられるオープンクエスチョンです。クローズドクエスチョンは、「はい」「いいえ」や短い答えで回答できる質問を指します。面接の初期場面では、クライエントが自分の言葉で状況を語れるよう、オープンクエスチョンを活用することが大切です。
選択肢2:○ 適切
「なぜ」で始まる質問は、使い方によってはクライエントに責められている印象を与えたり、戸惑いを強めたりすることがあります。たとえば「なぜできなかったのですか」と尋ねると、防衛的な反応を招く場合があります。必要な場面では、「どのような事情がありましたか」「その時、何が起きていましたか」のように表現を工夫します。
選択肢3:○ 適切
面接を開始する際には、面接の目的や予定時間、終了時間の目安をクライエントと確認しておくことが望ましいです。時間の見通しがあることで、クライエントは安心して話しやすくなります。また、限られた時間の中で、何を優先して話し合うかを共有することにもつながります。
選択肢4:× 不適切
観察には、表情、視線、声の調子、姿勢、沈黙、落ち着きのなさなど、非言語的メッセージを捉えることも含まれます。面接では、言葉として語られた内容だけでなく、言葉になっていないサインにも注意を向けることが重要です。
選択肢5:○ 適切
共感とは、クライエントの立場に立ったなら、どのような気持ちになるだろうかと想像し、その感情を感じ取ろうとする姿勢です。単に同情することや、支援者自身の価値観で判断することではありません。相手の置かれている状況や思いを理解しようとする姿勢が、信頼関係の形成につながります。
この問題のポイント
この問題では、面接場面における質問技法、面接の構造化、観察、共感が問われています。
オープンクエスチョンは相手が自由に語れる質問であり、「なぜ」で始まる質問は相手を責める印象にならないよう注意が必要です。面接では、開始時に目的や終了時間を確認し、言語情報だけでなく非言語的メッセージも観察します。共感は、クライエントの立場に立って気持ちを理解しようとする基本姿勢として押さえておきましょう。
問題47
ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 ソーシャルワークは、人権を尊重し、生活課題を有する人々がつながりを実感できる社会への変革と社会的包摂の実現を目指している。
2 チームアプローチでは、それぞれの専門職の役割を曖昧にすることがよい。
3 アセスメントに当たっては、クライエントの家族関係や経済状況、地域の社会資源など多岐にわたる情報収集が必要である。
4 アセスメントシートを使用する際は、すべての項目を順番通りに聞かなければならない。
5 コンサルテーションとは、関連機関や関連領域の専門家との相談等により、援助者が専門的助言や示唆を受けることである。
〖解答〗1・3・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
ソーシャルワークは、人権の尊重、社会正義、社会的包摂、生活課題を抱える人への支援を重視します。個人の困りごとだけを見るのではなく、その人を取り巻く家族、地域、制度、社会環境にも目を向け、必要に応じて社会資源につなげたり、環境に働きかけたりすることが大切です。
選択肢2:× 不適切
チームアプローチでは、それぞれの専門職の役割を曖昧にするのではなく、役割や責任を明確にしたうえで連携することが重要です。医師、看護職、介護職、介護支援専門員、相談援助職などが、それぞれの専門性を生かしながら情報を共有し、共通の目標に向かって支援を行います。
選択肢3:○ 適切
アセスメントでは、クライエント本人の心身の状態だけでなく、家族関係、経済状況、住環境、地域とのつながり、利用できる社会資源などを幅広く把握します。生活課題は一つの要因だけで生じるものではないため、多面的に情報を集め、支援方針を検討することが求められます。
選択肢4:× 不適切
アセスメントシートは、必要な情報を漏れなく把握するための有効な道具ですが、すべての項目を機械的に順番通りに聞かなければならないわけではありません。面接では、クライエントの話の流れ、負担感、緊急性、信頼関係に配慮しながら、必要な情報を適切な順序で確認します。
選択肢5:○ 適切
コンサルテーションとは、関連機関や関連領域の専門家に相談し、援助者が専門的な助言や示唆を受けることです。支援者が一人で抱え込まず、他職種や専門機関の知見を活用することで、より適切な支援方針を検討しやすくなります。
この問題のポイント
この問題では、ソーシャルワークの理念、チームアプローチ、アセスメント、コンサルテーションが問われています。
ソーシャルワークでは、人権尊重や社会的包摂の視点を大切にしながら、本人を取り巻く環境全体を捉えて支援します。アセスメントでは多面的な情報収集が必要ですが、シートを機械的に埋めることが目的ではありません。多職種連携やコンサルテーションを活用し、本人の生活課題に応じた支援を組み立てることが重要です。
問題48
ソーシャルワークにおける相談援助者の基本姿勢として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 クライエントに対していかなる差別もしない。
2 判断能力が低下しているクライエントであっても、自己決定を尊重して支援する。
3 クライエントから得た個人情報は、クライエントの同意を得ないで、近隣住民からの照会に応じて提供してよい。
4 支援計画では、短期・長期などの期間を設けることなく、目標を立てる。
5 クライエントが抱えている不安、ためらい、遠慮などに注意する。
〖解答〗1・2・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
相談援助者は、クライエントの年齢、性別、障害、疾病、経済状況、家族関係、生活歴、価値観などによって差別的に扱ってはなりません。ソーシャルワークでは、人権の尊重と個人の尊厳を基本に、どのような状況にある人にも公正に関わる姿勢が求められます。
選択肢2:○ 適切
判断能力が低下しているクライエントであっても、本人の意思や希望をできる限り確認し、自己決定を尊重して支援することが大切です。支援者が一方的に決めるのではなく、理解しやすい説明、選択肢の提示、家族や関係者との調整などを通じて、本人の意思決定を支える姿勢が求められます。
選択肢3:× 不適切
クライエントから得た個人情報を、本人の同意なく近隣住民に提供することは適切ではありません。相談援助者には守秘義務があり、個人情報は慎重に取り扱う必要があります。関係機関との情報共有が必要な場合でも、原則として本人の同意を得たうえで、支援に必要な範囲に限って共有します。
選択肢4:× 不適切
支援計画では、目標を立てるだけでなく、短期目標・長期目標などを設定し、支援の見通しを明確にすることが重要です。期間を設けずに目標だけを立てると、支援の進み具合や達成状況を確認しにくくなります。クライエントの状況に応じて、現実的で評価可能な目標を設定することが大切です。
選択肢5:○ 適切
相談援助では、クライエントが言葉にした内容だけでなく、不安、ためらい、遠慮、戸惑いなどにも注意を向ける必要があります。本人が困りごとを十分に言い出せない場合や、支援を受けることに抵抗を感じている場合もあります。表情、沈黙、話し方、視線なども含めて丁寧に受け止める姿勢が大切です。
この問題のポイント
この問題では、相談援助者の基本姿勢、自己決定の尊重、守秘義務、支援計画、クライエント理解が問われています。
ソーシャルワークでは、差別をしない姿勢、本人の自己決定を尊重する姿勢、個人情報を適切に守る姿勢が基本になります。判断能力が低下している場合でも、本人の意思を確認し、意思決定を支援する視点が重要です。また、クライエントの不安やためらいなど、言葉になりにくい気持ちにも目を向けることが求められます。
問題49
ソーシャルワークにおける地域援助について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 専門家によって行われるため、地域住民の参加は必要ではない。
2 地域アセスメントの手法には、福祉施設への聞き取り調査が含まれる。
3 アドボカシーとは、地域に出向き潜在的なニーズを発見することである。
4 地域包括ケアシステムを構築するプロセスには、地域資源の発掘が含まれる。
5 高齢者の孤立死を防ぐため、見守りネットワークを構築することが重要である。
〖解答〗2・4・5
〖解説〗
選択肢1:× 不適切
地域援助は、専門職だけで完結するものではありません。地域住民、民生委員、自治会、ボランティア、福祉施設、医療機関、行政など、多様な主体が参加し、地域の課題を共有しながら取り組むことが重要です。住民の参加は、地域の実情に合った支援体制づくりに欠かせません。
選択肢2:○ 適切
地域アセスメントでは、地域の生活課題や社会資源を把握するために、福祉施設、医療機関、地域団体、住民などへの聞き取り調査を行うことがあります。統計資料だけでは分からない地域の実情や支援上の課題を把握するために、関係機関への聞き取りは有効な方法です。
選択肢3:× 不適切
アドボカシーとは、権利擁護や代弁を意味します。本人や地域の人々が自分の意思や権利を十分に表明できない場合に、その権利や利益を守るために支援することです。地域に出向き、潜在的なニーズを発見する活動は、アウトリーチとして整理されます。
選択肢4:○ 適切
地域包括ケアシステムを構築するプロセスには、地域資源の発掘が含まれます。既存の医療・介護サービスだけでなく、住民活動、見守り活動、サロン、移動支援、買い物支援など、地域にあるさまざまな資源を把握し、必要に応じてつなげていくことが大切です。
選択肢5:○ 適切
高齢者の孤立死を防ぐためには、見守りネットワークの構築が重要です。地域住民、民生委員、地域包括支援センター、介護サービス事業者、医療機関、宅配事業者などが連携し、日常の小さな変化に気づける体制を作ることで、孤立や異変の早期発見につながります。
この問題のポイント
この問題では、地域援助、地域アセスメント、アドボカシー、地域包括ケアシステム、見守りネットワークが問われています。
地域援助では、専門職だけでなく、地域住民や関係機関との協働が重要です。地域アセスメントでは、統計資料や聞き取り調査などを通じて地域課題と社会資源を把握します。アドボカシーは権利擁護・代弁、アウトリーチは地域に出向いて支援を届ける活動として区別しておきましょう。
問題50
介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 訪問介護は、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう援助を行うものである。
2 利用者の同居家族等に障害や疾病がなくても、その他の事情により、家事が困難である場合には、生活援助を利用することができる。
3 事業所は、訪問回数が少ない利用者には、訪問介護計画を作成しなくてもよい。
4 事業所のサービス提供責任者には、特段の資格要件はない。
5 事業所のサービス提供責任者には、サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者との連携を図ることが業務として位置付けられている。
〖解答〗1・2・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
訪問介護は、利用者が可能な限り居宅で、その有する能力に応じて自立した日常生活を営めるように支援するサービスです。身体介護や生活援助を通じて、単に介護を代行するのではなく、利用者の残存能力を生かしながら在宅生活を支えることが基本になります。
選択肢2:○ 適切
生活援助は、同居家族等がいる場合に一律で利用できないわけではありません。同居家族等に障害や疾病がある場合だけでなく、その他の事情により家事を行うことが困難な場合には、必要性を確認したうえで利用できることがあります。利用者本人の生活を維持するために必要な援助かどうかを、個別に判断することが大切です。
選択肢3:× 不適切
訪問回数が少ない場合であっても、訪問介護計画を作成しなくてよいわけではありません。訪問介護事業所は、利用者の心身の状況、希望、居宅サービス計画の内容などを踏まえて、訪問介護計画を作成する必要があります。サービス回数の多い少ないにかかわらず、計画に基づく支援が求められます。
選択肢4:× 不適切
サービス提供責任者には、一定の資格要件があります。介護福祉士など、法令上定められた要件を満たす者が配置されます。サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成、訪問介護員への指示・調整、利用者や家族との連絡調整など、訪問介護の質を支える重要な役割を担います。
選択肢5:○ 適切
サービス提供責任者には、サービス担当者会議への出席等を通じて、居宅介護支援事業者との連携を図ることが業務として位置付けられています。訪問介護の現場で把握した利用者の状態変化や生活上の課題を、介護支援専門員と共有することで、居宅サービス計画の見直しや適切な支援につながります。
この問題のポイント
この問題では、訪問介護の目的、生活援助の考え方、訪問介護計画、サービス提供責任者の役割が問われています。
訪問介護は、利用者の在宅生活と自立支援を支えるサービスであり、身体介護・生活援助のいずれも、本人の生活上の必要性に基づいて提供されます。訪問回数が少なくても訪問介護計画は必要であり、サービス提供責任者には資格要件と連携・調整の役割がある点を押さえておきましょう。
問題51
介護保険における通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 通所介護の基本方針には、利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図ることが含まれる。
2 機能訓練指導員を1人以上配置しなければならない。
3 事業者は、事業所ごとに通常の事業の実施地域を定めなくてもよい。
4 事業者は、利用料以外に利用者が使用したおむつ代の支払いを受けることができる。
5 事業所の建物と利用者の居住建物が同一の場合、その建物に居住する者以外に、当該事業所を利用させてはならない。
〖解答〗1・2・4
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
通所介護は、利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を営めるよう支援するとともに、社会的孤立感の解消、心身機能の維持、家族の身体的・精神的負担の軽減を図ることを目的としています。利用者本人への支援だけでなく、在宅生活を支える家族の負担軽減も重要な役割です。
選択肢2:○ 適切
通所介護事業所には、機能訓練指導員を1人以上配置しなければなりません。機能訓練指導員は、利用者の心身の状態に応じて、日常生活を営むために必要な機能の維持・向上を支援します。生活機能の維持を目的とした支援は、通所介護の大切な役割です。
選択肢3:× 不適切
通所介護事業者は、事業所ごとに通常の事業の実施地域を定める必要があります。通常の事業の実施地域は、送迎やサービス提供体制、利用者への説明に関係する重要な事項であり、運営規程にも定めておく必要があります。
選択肢4:○ 適切
通所介護事業者は、利用料のほか、利用者が使用したおむつ代などについて、実費相当額の支払いを受けることができます。食費、おむつ代、その他日常生活上必要となる費用については、内容を明確に説明し、利用者または家族の同意を得たうえで取り扱うことが大切です。
選択肢5:× 不適切
事業所の建物と利用者の居住建物が同一である場合でも、その建物に居住する者以外の利用を一律に禁止するものではありません。通所介護は、指定基準や運営基準に従って、対象となる利用者にサービスを提供します。同一建物に関する取扱いと、利用対象者を限定することは区別して理解する必要があります。
この問題のポイント
この問題では、通所介護の目的、人員基準、運営規程、利用者負担、同一建物の取扱いが問われています。
通所介護は、利用者本人の心身機能の維持や社会参加を支えるとともに、家族の介護負担を軽減する役割も持っています。機能訓練指導員の配置、通常の事業の実施地域の設定、おむつ代など実費負担の取扱いを整理しておくことが大切です。
問題52
介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 指定訪問入浴介護の基本方針には、居宅での入浴の援助を行うことによって、利用者の心身機能の維持を図ることが含まれる。
2 サービスの提供の責任者は、入浴介護に関する知識を有していなくてもよい。
3 サービス提供に使用する浴槽は、あらかじめ利用者が用意しなければならない。
4 事業所ごとに、医師を1人以上配置しなければならない。
5 事業者は、セクシュアルハラスメントにより、従業者の就業環境が害されないよう必要な措置を講じなければならない。
〖解答〗1・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
訪問入浴介護は、利用者の居宅を訪問し、浴槽を提供して入浴の介護を行うサービスです。身体の清潔保持だけでなく、心身機能の維持、生活意欲の向上、家族の介護負担の軽減にもつながります。居宅で安全に入浴できるよう支援することが基本です。
選択肢2:× 不適切
サービス提供の責任者は、訪問入浴介護の提供に必要な知識や経験を有していることが求められます。入浴は、体温、血圧、皮膚状態、呼吸状態などに影響するため、安全確認や急変時対応を含めた知識が必要です。「入浴介護に関する知識を有していなくてもよい」とする記述は不適切です。
選択肢3:× 不適切
訪問入浴介護では、事業者が浴槽を利用者の居宅に持ち込み、入浴介護を提供します。利用者があらかじめ浴槽を用意しなければならないわけではありません。自宅の浴槽で入浴することが難しい方に対して、専用の浴槽を用いて支援する点が特徴です。
選択肢4:× 不適切
訪問入浴介護事業所には、医師を1人以上配置しなければならないという基準はありません。訪問入浴介護では、看護職員と介護職員が連携してサービスを提供します。医師の配置義務があるサービスではないため、この選択肢は不適切です。
選択肢5:○ 適切
事業者は、セクシュアルハラスメントなどにより、従業者の就業環境が害されないよう、必要な措置を講じなければなりません。これは訪問入浴介護に限らず、介護サービス事業者に求められる重要な運営上の対応です。職員が安心して働ける環境を確保することは、サービスの質を守るうえでも大切です。
この問題のポイント
この問題では、訪問入浴介護の基本方針、浴槽の提供、人員配置、ハラスメント対策が問われています。
訪問入浴介護は、事業者が浴槽を持ち込んで居宅で入浴を支援するサービスであり、利用者の清潔保持や心身機能の維持を目的とします。医師の配置義務はありませんが、安全な入浴支援のためには、看護職員と介護職員の連携が重要です。また、事業者にはハラスメントにより職員の就業環境が害されないよう必要な措置を講じることも求められます。
問題53
介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 短期入所生活介護計画は、利用期間にかかわらず、作成しなければならない。
2 居室については、日照、採光、換気等利用者の保健衛生、防災等について十分考慮しなければならない。
3 利用者20人未満の併設型の事業所の場合、介護職員は常勤でなくてもよい。
4 事業者は、利用者から理美容代の支払いを受けることができる。
5 事業者は、その利用者に対して、利用者の負担により、当該指定短期入所生活介護事業所の従業者以外の者による介護を受けさせることができる。
〖解答〗2・3・4
〖解説〗
選択肢1:× 不適切
短期入所生活介護計画は、利用期間にかかわらず必ず作成しなければならないものではありません。短期入所生活介護では、相当期間以上にわたり継続して利用することが予定される利用者について、心身の状況、希望、課題、居宅サービス計画の内容などを踏まえて短期入所生活介護計画を作成します。「利用期間にかかわらず」とする記述は不適切です。
選択肢2:○ 適切
短期入所生活介護の居室については、日照、採光、換気などの保健衛生面に加え、防災面にも十分配慮する必要があります。短期間の利用であっても、利用者が安全で清潔な環境の中で過ごせるよう、生活環境を整えることが求められます。
選択肢3:○ 適切
利用者20人未満の併設型事業所の場合、介護職員は常勤でなくてもよいとされています。短期入所生活介護では、単独型か併設型か、利用定員の規模などによって人員配置の取扱いが異なります。併設型では、併設施設との一体的な運営を前提とした基準が設けられている点を押さえておきましょう。
選択肢4:○ 適切
事業者は、通常の利用料のほか、利用者の希望により提供される理美容代などについて、実費相当額の支払いを受けることができます。理美容代は介護保険給付の対象そのものではないため、内容や費用をあらかじめ説明し、利用者または家族の同意を得て取り扱うことが大切です。
選択肢5:× 不適切
短期入所生活介護事業者は、利用者に対して、利用者の負担により、当該事業所の従業者以外の者による介護を受けさせることはできません。事業所は、指定基準に基づき、自らの従業者によって適切なサービスを提供する責任があります。外部の者による介護を利用者負担で受けさせることは不適切です。
この問題のポイント
この問題では、短期入所生活介護の計画作成、居室環境、人員基準、利用者負担、サービス提供責任が問われています。
短期入所生活介護では、利用者が短期間でも安全に過ごせるよう、居室の保健衛生や防災に配慮する必要があります。理美容代などは実費として受け取ることができますが、事業所の従業者以外による介護を利用者負担で受けさせることはできません。計画作成や人員配置については、利用期間や事業所の類型による取扱いを整理しておきましょう。
問題54
介護保険における住宅改修について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 事前の支給申請に必要な「住宅改修が必要な理由書」は、原則として、被保険者本人が作成する。
2 取付工事の必要のないスロープによる段差の解消は、住宅改修費の支給対象とならない。
3 ポータブルトイレの設置は、住宅改修費の支給対象とならない。
4 浴室の床材を滑りにくいものに変更することは、住宅改修費の支給対象となる。
5 転居前の住宅について住宅改修費の支給を受けた場合、転居後の住宅については住宅改修費の支給を受けることができない。
〖解答〗2・3・4
〖解説〗
選択肢1:× 不適切
住宅改修費の事前申請に必要な「住宅改修が必要な理由書」は、原則として、介護支援専門員などが作成します。被保険者本人が作成するものではありません。住宅改修では、本人の心身の状況、生活動作、住環境を確認し、必要性を専門的に説明することが求められます。
選択肢2:○ 適切
取付工事を伴わないスロープによる段差の解消は、住宅改修費の支給対象とはなりません。住宅改修費の対象となるのは、手すりの取付け、段差の解消、床材変更など、住宅に対して工事を行うものです。工事を伴わないスロープは、福祉用具貸与の対象として整理されます。
選択肢3:○ 適切
ポータブルトイレの設置は、住宅改修費の支給対象ではありません。ポータブルトイレは住宅そのものを改修するものではなく、福祉用具の購入対象として扱われます。住宅改修と福祉用具購入・貸与の違いを整理しておくことが大切です。
選択肢4:○ 適切
浴室の床材を滑りにくいものに変更することは、住宅改修費の支給対象となります。床材の変更は、転倒防止や移動の安全確保を目的とした住宅改修に該当します。特に浴室は滑りやすく転倒リスクが高いため、利用者の状態に応じた環境調整が重要です。
選択肢5:× 不適切
転居前の住宅について住宅改修費の支給を受けていても、転居後の住宅について、改めて住宅改修費の支給を受けることができます。住宅改修費は、原則として同一住宅につき支給限度基準額が管理されますが、転居した場合には新たな住宅として扱われます。「転居後は支給を受けることができない」とする記述は不適切です。
この問題のポイント
この問題では、介護保険における住宅改修の対象範囲、理由書、福祉用具との違い、転居時の取扱いが問われています。
住宅改修費の対象は、手すりの取付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更など、住環境を工事によって改善するものです。工事を伴わないスロープは福祉用具貸与、ポータブルトイレは福祉用具購入として整理されます。転居した場合は、転居後の住宅について改めて支給を受けられる点も押さえておきましょう。
問題55
介護保険における認知症対応型通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 指定認知症対応型通所介護の基本方針には、利用者の社会的孤立感の解消が含まれる。
2 単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所は、機能訓練室を備えなければならない。
3 単独型・併設型指定認知症対応型通所介護事業所の生活相談員は、介護支援専門員でなければならない。
4 若年性認知症の要介護者は、指定認知症対応型通所介護を利用することができない。
5 認知症対応型通所介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、当該認知症対応型通所介護計画を必要に応じて変更する。
〖解答〗1・2・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
指定認知症対応型通所介護は、認知症のある利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を営めるよう支援するサービスです。基本方針には、利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持、家族の身体的・精神的負担の軽減が含まれます。認知症の人が地域の中で安心して過ごせる場としての役割も重要です。
選択肢2:○ 適切
単独型・併設型の指定認知症対応型通所介護事業所は、サービス提供に必要な設備として、食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室などを備える必要があります。機能訓練室は、利用者の心身機能の維持や生活機能の支援を行うために必要な設備として位置付けられます。
選択肢3:× 不適切
生活相談員は、必ず介護支援専門員でなければならないわけではありません。生活相談員には、相談援助に必要な資格や経験等が求められますが、介護支援専門員に限定されるものではありません。生活相談員の役割と、介護支援専門員の資格を混同しないようにしましょう。
選択肢4:× 不適切
若年性認知症の要介護者も、指定認知症対応型通所介護を利用することができます。認知症対応型通所介護は、高齢の認知症の人だけを対象とするものではなく、要介護認定を受けた若年性認知症の人も対象になります。「利用できない」とする記述は不適切です。
選択肢5:○ 適切
認知症対応型通所介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合には、その居宅サービス計画の内容を踏まえ、必要に応じて認知症対応型通所介護計画を変更します。通所サービスの個別計画は、居宅サービス計画と整合性を保ちながら、利用者の状態や目標に応じて見直すことが大切です。
この問題のポイント
この問題では、認知症対応型通所介護の基本方針、設備基準、生活相談員、対象者、個別計画の見直しが問われています。
認知症対応型通所介護は、認知症のある要介護者の在宅生活を支え、社会的孤立感の解消や家族の介護負担軽減にもつながる地域密着型サービスです。若年性認知症の人も利用対象となること、生活相談員は介護支援専門員に限定されないこと、居宅サービス計画との整合を踏まえて計画を見直すことを押さえておきましょう。
問題56
介護保険における小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者の居宅又はサービスの拠点において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で行わなければならない。
2 宿泊サービスでは、利用者1人につき1月当たりの利用日数の上限は定められていない。
3 宿泊サービスの利用者が1人であれば、夜間及び深夜の時間帯を通じて、夜勤や宿直を行う職員を置かないことができる。
4 通いサービスの利用者が登録定員に比べて著しく少ない状態が続くものであってはならない。
5 宿泊室については、宿泊専用の個室でなければならない。
〖解答〗1・2・4
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
小規模多機能型居宅介護は、利用者の居宅又はサービスの拠点において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で行われる地域密着型サービスです。通い、訪問、宿泊を柔軟に組み合わせ、利用者が住み慣れた地域で生活を続けられるよう支援することが基本です。
選択肢2:○ 適切
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスには、利用者1人につき1月当たり何日までという一律の上限は定められていません。利用者の心身の状況や家族の状況に応じて、通い、訪問、宿泊を組み合わせます。ただし、宿泊が長期化して実質的な入所施設のような利用にならないよう、居宅生活を支えるサービスとして適切に運用することが大切です。
選択肢3:× 不適切
宿泊サービスの利用者が1人であっても、夜間及び深夜の時間帯を通じて、夜勤職員又は宿直職員を配置する必要があります。宿泊を提供する以上、急変時や事故発生時に対応できる体制を確保しなければなりません。
選択肢4:○ 適切
小規模多機能型居宅介護では、通いサービスの利用者が登録定員に比べて著しく少ない状態が続くものであってはならないとされています。通いを中心に、利用者の状態や生活状況に応じて訪問や宿泊を組み合わせるサービスであるため、登録者の生活支援に資する形で適切に運営される必要があります。
選択肢5:× 不適切
宿泊室は、必ずしも宿泊専用の個室でなければならないわけではありません。利用者のプライバシーに配慮し、必要な面積や設備を確保することが求められますが、「宿泊専用の個室」に限定されるものではありません。個室以外であっても、適切な環境が確保されていれば認められる場合があります。
この問題のポイント
この問題では、小規模多機能型居宅介護の基本方針、宿泊サービス、夜間体制、通いサービス、宿泊室の取扱いが問われています。
小規模多機能型居宅介護は、通いを中心に、訪問や宿泊を柔軟に組み合わせて在宅生活を支える地域密着型サービスです。宿泊日数に一律の月上限はありませんが、夜間・深夜の職員配置は必要です。また、家庭的な環境や地域住民との交流、通いサービスの適切な利用状況も重要なポイントとして整理しておきましょう。
問題57
指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならない。
2 災害等のやむを得ない事情があっても、定員を超えて入所させることはできない。
3 指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
4 入所者の入浴又は清拭の頻度の下限については、定めがない。
5 夜間には、常勤の介護職員を置くことは義務付けられていない。
〖解答〗1・3
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
指定介護老人福祉施設は、入所者の意思及び人格を尊重し、常に入所者の立場に立ってサービスを提供するよう努めなければなりません。施設サービスであっても、職員側の都合や業務の効率を優先するのではなく、本人の尊厳、生活歴、希望、心身の状況を踏まえて支援する姿勢が基本になります。
選択肢2:× 不適切
指定介護老人福祉施設は、原則として入所定員を超えて入所させてはなりません。ただし、災害その他やむを得ない事情がある場合には、例外的に定員を超えて入所させることが認められる場合があります。したがって、「災害等のやむを得ない事情があっても、定員を超えて入所させることはできない」とする記述は不適切です。
選択肢3:○ 適切
指定介護老人福祉施設は、入所申込者のうち、指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる人を優先的に入所させるよう努めなければなりません。特別養護老人ホームは、常時介護を必要とし、在宅生活が困難な要介護者を支える施設であるため、必要性の高い人を適切に判断する視点が重要です。
選択肢4:× 不適切
入所者の入浴又は清拭については、頻度の下限が定められています。指定介護老人福祉施設では、原則として、1週間に2回以上、適切な方法により入浴又は清拭を行う必要があります。したがって、「頻度の下限については、定めがない」とする記述は不適切です。
選択肢5:× 不適切
指定介護老人福祉施設では、常時一人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならないとされています。夜間であっても、入所者の安全確保や急変時対応ができる勤務体制を整える必要があります。したがって、「夜間には、常勤の介護職員を置くことは義務付けられていない」とする記述は不適切です。
この問題のポイント
この問題では、指定介護老人福祉施設の基本姿勢、定員超過の例外、入所優先、入浴・清拭、介護職員の配置が問われています。
指定介護老人福祉施設では、入所者の意思と人格を尊重し、本人の立場に立ったサービス提供が基本です。入所に当たっては、指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高い人を優先する視点が求められます。また、入浴又は清拭は原則週2回以上必要であり、職員配置についても「常時」の体制を意識して整理しておきましょう。
問題58
生活保護制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 すべて国民は、生活保護法の定める要件を満たす限り、保護を無差別平等に受けることができる。
2 保護は、原則として、世帯を単位として行われる。
3 介護施設入所者基本生活費は、住宅扶助として給付される。
4 介護扶助は、原則として、金銭給付により行われる。
5 被保護者の収入として認定されるものには、老齢基礎年金が含まれる。
〖解答〗1・2・5
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
生活保護制度では、生活保護法に定める要件を満たす限り、すべて国民は保護を無差別平等に受けることができます。年齢、性別、社会的身分、生活困窮に至った理由などによって差別されるものではありません。保護の必要性は、資産、能力、扶養、他法他施策の活用などを確認したうえで判断されます。
選択肢2:○ 適切
生活保護は、原則として世帯を単位として行われます。世帯全体の収入、資産、生活状況を踏まえて、最低生活費に不足する部分を保護として補う仕組みです。ただし、世帯分離など例外的な取扱いが行われる場合もあります。
選択肢3:× 不適切
介護施設入所者基本生活費は、住宅扶助ではなく、生活扶助として給付されます。介護施設に入所している被保護者の日常生活に必要な基本的費用を保障するものです。生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助など、扶助の種類を区別して理解することが大切です。
選択肢4:× 不適切
介護扶助は、原則として金銭給付ではなく、現物給付によって行われます。介護サービスそのものを給付する形で行われるため、被保護者に現金を渡して介護サービス費を支払わせる仕組みではありません。介護保険の給付や自己負担分との関係も整理しておきましょう。
選択肢5:○ 適切
老齢基礎年金は、被保護者の収入として認定されます。生活保護では、年金、給与、手当、仕送りなど、利用可能な収入は原則として収入認定の対象となります。そのうえで、最低生活費に不足する部分について保護が行われます。
この問題のポイント
この問題では、生活保護制度の基本原理、世帯単位の原則、扶助の種類、収入認定が問われています。
生活保護は、要件を満たす人に対して無差別平等に行われ、原則として世帯単位で必要性が判断されます。介護施設入所者基本生活費は生活扶助、介護扶助は原則として現物給付である点を押さえておきましょう。また、老齢基礎年金は収入として認定されるため、最低生活費との差額を保護で補う仕組みとして整理することが大切です。
問題59
成年後見制度について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 成年後見制度の理念の一つとして、成年被後見人等の自発的意思の尊重がある。
2 成年後見人の選任は、都道府県社会福祉協議会が行う。
3 成年後見人は、弁護士に限られる。
4 任意後見では、任意後見人の不正や権限濫用がないよう監督するために、任意後見監督人が選任される。
5 任意後見人の配偶者は、任意後見監督人となることができる。
〖解答〗
1・4
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
成年後見制度では、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら支援することが大切にされています。判断能力が不十分な場合であっても、本人の希望や価値観をできる限りくみ取り、本人らしい生活を支える視点が求められます。
選択肢2:× 不適切
成年後見人の選任は、都道府県社会福祉協議会ではなく、家庭裁判所が行います。本人、配偶者、四親等内の親族、市町村長などが申立てを行い、家庭裁判所が事情を確認したうえで、適切な成年後見人等を選任します。
選択肢3:× 不適切
成年後見人は、弁護士に限られるわけではありません。親族、司法書士、社会福祉士、弁護士、法人などが選任される場合があります。本人の状況、財産管理や身上保護の必要性、親族関係などを踏まえて、家庭裁判所が適任者を選任します。
選択肢4:○ 適切
任意後見では、本人が判断能力のあるうちに任意後見人となる人を選び、契約を結んでおきます。その後、本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで任意後見契約の効力が生じます。任意後見監督人は、任意後見人の事務を監督し、不正や権限濫用を防ぐ役割を担います。
選択肢5:× 不適切
任意後見人の配偶者は、任意後見監督人になることはできません。任意後見監督人は、任意後見人を監督する立場にあるため、任意後見人と近い関係にある人が就任すると、適切な監督が難しくなるおそれがあります。
この問題のポイント
この問題では、成年後見制度の理念、成年後見人の選任、任意後見監督人の役割と欠格事由が問われています。
成年後見制度では、本人の意思を尊重しながら、財産管理と身上保護を支援します。成年後見人を選任するのは家庭裁判所であり、弁護士に限定されません。任意後見では、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見人の事務を監督する点を押さえておきましょう。
問題60
高齢者虐待防止法について適切なものはどれか。2つ選べ。
1 高齢者虐待には、養介護施設従事者等によるものが含まれる。
2 養護者の高齢者に対する著しい暴言は、身体的虐待に該当する。
3 高齢者を衰弱させるような養護者による長時間の放置は、著しく養護を怠ること(ネグレクト)に該当する。
4 介護支援専門員には、高齢者虐待の早期発見の役割は期待されていない。
5 都道府県は、養護者の負担を軽減するため、養護者の相談、指導及び助言その他の必要な措置を講じなければならない。
〖解答〗1・3
〖解説〗
選択肢1:○ 適切
高齢者虐待防止法における高齢者虐待には、養護者による高齢者虐待だけでなく、養介護施設従事者等による高齢者虐待も含まれます。介護保険施設、居宅サービス事業所、地域密着型サービス事業所などで従事する職員による虐待も、法の対象として位置付けられています。
選択肢2:× 不適切
養護者による著しい暴言は、身体的虐待ではなく、心理的虐待に該当します。身体的虐待は、暴力を加える、身体を拘束するなど、身体に外傷が生じる、または生じるおそれのある行為を指します。暴言、拒絶的な対応、脅し、無視などにより精神的苦痛を与える行為は、心理的虐待として整理されます。
選択肢3:○ 適切
高齢者を衰弱させるような長時間の放置は、著しく養護を怠ること、つまりネグレクトに該当します。必要な食事、水分、医療、介護、衛生管理などを十分に提供しないことにより、高齢者の心身の状態を悪化させる行為は、高齢者虐待として扱われます。
選択肢4:× 不適切
介護支援専門員には、高齢者虐待の早期発見の役割が期待されています。ケアマネジャーは、定期的なモニタリングやサービス調整を通じて、本人や家族の生活状況に接する機会が多い専門職です。身体状況、表情、家族関係、サービス利用状況などの変化に気づき、必要に応じて市町村や地域包括支援センターにつなぐ役割があります。
選択肢5:× 不適切
養護者の負担軽減に関する相談、指導及び助言その他必要な措置を講じる主体は、都道府県ではなく市町村です。高齢者虐待防止法では、市町村が養護者による高齢者虐待の対応において中心的な役割を担います。都道府県は、市町村相互間の連絡調整や情報提供、助言などの支援を行う立場です。
この問題のポイント
この問題では、高齢者虐待防止法における虐待の類型、養護者支援、市町村と都道府県の役割、介護支援専門員の早期発見の役割が問われています。
高齢者虐待には、養護者による虐待と養介護施設従事者等による虐待が含まれます。著しい暴言は心理的虐待、長時間の放置による衰弱はネグレクトとして整理します。介護支援専門員は虐待の早期発見に関わる重要な専門職であり、疑いを把握した場合は一人で抱え込まず、市町村や地域包括支援センター等と連携することが大切です。
以上で「福祉サービスの知識等」の過去問解説を終了します。


