今週の介護・福祉分野では、令和8年熊本地震に伴う介護保険関係の特例措置、車いす利用者の送迎事故、介護人材の採用、地域支援事業の改正など、現場や事業所運営に関わる動きがありました。
厚生労働省は、令和8年熊本地震について、特定被災区域を対象とする介護保険関係の特例措置を通知しました。全国一律の措置ではなく、対象となる地域や権利利益、被保険者の条件が定められています。
また、消費者安全調査委員会が確認した車いす送迎中の事故では、死亡事故も多く報告されました。介護現場で日常的に行われている送迎について、車いすの固定やシートベルト、安全確認の方法を振り返る材料となる内容です。
このほか、介護職員の採用経路、社会福祉施設等を対象とした統計調査、8月21日に発出された地域支援事業実施要綱の改正について、8月15日から21日までの動きを紹介します。
【★注目】令和8年熊本地震、特定被災区域の介護保険関係に特例措置
発信日:2026.08.18
要旨
厚生労働省は、介護保険最新情報Vol.1536で、令和8年熊本地震に伴う介護保険関係の特例措置を通知しました。
対象となる「特定被災区域」は、災害救助法が適用された市町村の区域です。告示で定められた介護保険関係の特定権利利益のうち、2026年7月28日以後に存続期間が満了するものについて、満了日を2027年1月27日まで延長する措置が講じられています。
また、特定被災区域内に住所を有する被保険者について、2026年7月28日から2027年7月31日までに要介護・要支援認定の有効期間が満了する場合、市町村が定める期間を最大12か月の範囲で加えることができる特例も設けられました。
適用の有無は地域や対象となる権利利益によって異なります。該当する事業所や介護支援専門員、被保険者は、Vol.1536の原文と自治体からの案内を確認してください。
出典:厚生労働省・介護保険最新情報Vol.1536をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48113/
【★注目】消費者事故調が確認した車いす送迎事故49件 うち30件が死亡事故
発信日:2026.08.17
要旨
消費者安全調査委員会の経過報告では、事故情報データバンクや新聞報道、インターネット記事などを通じて、2019年1月から2025年12月までの7年間に、車いす利用者を自動車で送迎中の事故49件が確認されています。このうち30件が死亡事故でした。
介護サービスにおける送迎事故は34件で、そのうち24件が死亡事故です。ただし、この49件は国内で発生した事故の全数を示したものではありません。経過報告でも、把握されていない事故がある可能性が示されています。
今回公表されたのは事故等原因調査の経過報告で、調査は現在も続いています。車種や車いすによって固定方法は異なるため、各事業所でも使用している車両や車いすの取扱説明書を確認し、固定方法やシートベルト装着、安全確認の手順を振り返る機会にしたい内容です。
出典:消費者安全調査委員会「車椅子使用者を自動車で送迎中の事故に係る事故等原因調査について(経過報告)」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48094/
【★注目】介護職員の採用、「友人・知人からの紹介」が最多
発信日:2026.08.20
要旨
介護労働安定センターの介護労働実態調査によると、介護事業所・施設が行った採用活動では、**「職員に友人・知人などの紹介を依頼」66.0%**が最も多く、そのうち47.3%の事業所が「効果があった」と回答しています。
介護従事者が現在の法人へ就職した主な経路でも、「友人・知人からの紹介」が33.8%で最多でした。また、就職理由では「職場の人間関係が良さそうだったから」が35.1%と上位に入っています。
人材不足が続くなか、友人・知人からの紹介が介護人材の採用経路として一定の役割を果たしていることがうかがえる結果です。求人方法だけでなく、現在働いている職員が職場をどのように感じているかも、採用を考えるうえで見逃せない視点です。
出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48162/
2026年社会福祉施設等調査・介護サービス施設・事業所調査への協力を呼びかけ
発信日:2026.08.17
要旨
厚生労働省は、令和8(2026)年社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査への協力を呼びかけています。
社会福祉施設等調査では施設数や従事者、利用者の状況などを、介護サービス施設・事業所調査では介護サービスの提供体制や従事者の状況などを把握します。
調査対象となる施設・事業所や調査票の種類は一律ではありません。介護サービス施設・事業所調査には基本票と詳細票があり、サービス種別によって全数調査と抽出調査に分かれています。社会福祉施設等調査についても、施設・事業所の種別によって調査方法が異なります。
調査票が届いた施設・事業所では、自施設が対象となる調査の種類、回答方法、回答期限を案内に沿って確認してください。
出典:厚生労働省「令和8(2026)年社会福祉施設等調査及び令和8(2026)年介護サービス施設・事業所調査」
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/fukushikaigochousa.html
地域支援事業実施要綱を改正 家族介護者支援などを拡充
発信日:2026.08.21
要旨
厚生労働省は、介護保険最新情報Vol.1537で、令和8年度地域支援事業実施要綱等の改正点を示しました。
今回の改正では、新たに「介護情報利活用事業」が設けられたほか、生活支援体制整備事業で、生活支援コーディネーターが家族介護者をめぐる地域課題にも対応できるよう、関係者とのネットワークづくりに関する内容が加えられています。
任意事業の家族介護支援事業についても、仕事と介護の両立を踏まえた相談窓口や、企業・家族介護者を含めた地域のネットワークづくりなどが盛り込まれました。
市町村や地域包括支援センター、生活支援コーディネーターなど、地域支援事業に関わる実務者は今回の改正内容を確認しておきたいところです。
出典:厚生労働省・介護保険最新情報Vol.1537
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index_00010.html
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、車いす利用者を送迎する際の事故です。
介護現場では、車いすのまま送迎車に乗っていただく場面は珍しくありません。日々繰り返している業務だからこそ、車いすの固定やシートベルトの確認が「いつもの作業」になり、確認そのものが形だけになってしまうことがあります。
今回の経過報告で確認された49件のうち、介護サービスにおける送迎事故は34件、そのうち24件が死亡事故でした。この数字は国内で起きた事故の全数ではありませんが、日頃の送迎方法を振り返るには重い数字だと感じます。
車種や車いすによって、固定する位置や方法は異なります。自施設で使っている車両と車いすでは、どこを、どのように固定するのか。職員が同じ手順で確認できているか。 今回の報告を、送迎時の安全確認をもう一度見直す機会にしたいと思います。
この記事について
編集・解説:梅沢佳裕(ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰)
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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