介護福祉士国家試験の勉強を始めようと思ったとき、多くの人が最初に迷うのが、参考書や問題集の選び方です。
書店やネットには、たくさんの教材が並んでいます。
「どれを買えばいいのか」
「古い教材でも使えるのか」
「新しい試験制度に対応しているのか」
と迷う人もいると思います。
教材選びで大切なのは、何冊も買い揃えることではありません。
第39回試験に向けて、出題基準とパート合格制度の両方を確認し、自分が続けやすい教材を選ぶことです。
まず分けて考えたい2つの変更点
教材を選ぶときは、次の2つを分けて考えることが大切です。
1つ目は、出題内容に関わる「新カリキュラム・出題基準」への対応です。
これは、どの科目・内容が試験で問われるのかに関わります。
2つ目は、合否判定に関わる「パート合格制度」への対応です。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターでは、介護福祉士国家試験について、複数の科目を1つのパートとして合否判定し、一定の合格基準に達したパートは翌年・翌々年まで受験が免除されると説明しています。また、第39回試験からは、合格済みパートを含めた全パート受験か、不合格パートのみ受験かを選択できるとされています。
ここで注意したいのは、パート合格制度は「出題内容そのもの」ではなく、合否判定と受験免除に関わる仕組みだという点です。
教材を選ぶときは、まず現在の出題基準に対応しているかを確認し、そのうえでパート別の学習にも使いやすいかを見ると安心です。
「パート合格」でも苦手科目を捨ててよいわけではない
第39回に向けて、もう一つ大切な注意点があります。
介護福祉士国家試験では、全体の合格基準点だけでなく、試験科目群すべてにおいて得点があることが合格基準に含まれています。試験センターの合格基準では、11試験科目群すべてに得点があることが示されています。
さらに、パート別の判定でも、各パートの基準点以上を得点し、そのパートを構成する試験科目群すべてに得点があることが求められます。
つまり、パート合格制度があるからといって、苦手科目を完全に捨ててよいわけではありません。
「得意なパートだけを伸ばす」ことも大切ですが、同時に、0点の科目群をつくらない学習が必要です。
教材を選ぶときも、特定の分野だけに偏ったものではなく、全体を確認できる教材を手元に置いておくと安心です。
参考書は「最新対応」と「読みやすさ」で選ぶ
参考書は、知識を整理するための教材です。
選ぶときは、表紙や説明文で、次の点を確認しましょう。
- 現在の出題基準に対応していること。
- 第39回試験に向けた説明があること。
- 制度改正やパート合格制度への補足があること。
- 科目ごとの全体像が見やすいこと。
試験センターは、出題基準について、試験問題を作成するために用いる基準であり、出題範囲を厳密に限定するものではないと説明しています。また、法改正による制度の重大な変更など、出題基準にない事項であっても、介護福祉士として習得すべき事項は出題されることがあるとしています。
そのため、古い教材だけで学習するのは避けたほうが安全です。
メインで使う参考書は、できるだけ新しい版を選びましょう。
ただし、分厚くて難しい教材が必ずしも自分に合うとは限りません。
働きながら勉強する人にとっては、短い時間でも読み進められることが大切です。
参考書を選ぶ際のポイントは…
- 図表が多い。
- 1テーマが短くまとまっている。
- 専門用語の説明がわかりやすい。
- 現場の事例と結びつけて理解できる。
このような参考書は、すき間時間の学習にも使いやすくなります。
問題集は「解説の丁寧さ」で選ぶ
問題集は、正解できたかどうかを確認するためだけの教材ではありません。
むしろ大切なのは、なぜ正解なのか、なぜ誤りなのかを理解することです。
問題集を選ぶときは、次の点を見てください。
- 選択肢ごとに解説があること。
- 誤りの理由が具体的に書かれていること。
- 出題科目やパートの区分が確認しやすいこと。
- 過去問と予想問題の違いがわかりやすいこと。
介護福祉士国家試験では、Aパート、Bパート、Cパートに試験科目群が分かれています。Aパートは「人間の尊厳と自立、介護の基本」「社会の理解」「人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術」「生活支援技術」、Bパートは「こころとからだのしくみ」「発達と老化の理解」「認知症の理解」「障害の理解」「医療的ケア」、Cパートは「介護過程」「総合問題」とされています。
自分がどのパート、どの科目群でつまずいているのかがわかる問題集を選ぶと、復習がしやすくなります。

独学なら、まずは3種類から始める
独学で始める場合、最初から教材を増やしすぎる必要はありません。
まずは、次の3種類からで十分です。
1つ目は、全体像をつかむ参考書。
試験範囲を広く確認し、苦手分野を見つけるために使います。
2つ目は、解説が丁寧な問題集。
知識を確認しながら、試験の問われ方に慣れていきます。
3つ目は、すき間時間用の一問一答やアプリ。
通勤時間、休憩時間、寝る前の数分に使いやすいものを選びます。
通信講座や学校の教材を使っている人は、まずその教材を中心にして大丈夫です。
追加で市販教材を買う場合は、不足している部分を補う目的に絞りましょう。
教材を増やすほど、勉強した気持ちにはなります。
でも、合格に近づくのは、買った冊数ではなく、実際に開いた回数です。
現場経験とつながる教材を選ぶ
介護福祉士国家試験の学習は、暗記だけではありません。
利用者の尊厳、自立支援、認知症ケア、障害理解、生活支援、介護過程。
これらは、日々の現場で向き合っている内容とつながっています。
- 「介護の基本」を読むときは、普段の声かけや支援場面を思い浮かべる。
- 「認知症の理解」を読むときは、利用者の不安や行動の背景を考えてみる。
- 「生活支援技術」を学ぶときは、自分の介助方法と照らし合わせてみる。
そのように読むと、知識は単なる文字ではなく、現場の経験と結びついた理解になります。
今週の小さな一歩
今週は、教材を買う前に、次の3つを確認してみましょう。
- 1つ目は、現在の出題基準に対応しているか。
- 2つ目は、パート別・科目群別に学習状況を確認しやすいか。
- 3つ目は、自分が最後まで使い切れそうか。
評判のよい教材でも、自分に合わなければ続きません。
反対に、完璧に見えない教材でも、自分が何度も開けるなら、大きな力になります。
焦って何冊も買わなくて大丈夫です。
まずは、信頼できる1冊を選び、少しずつページを開いていきましょう。
- 今日、参考書の目次だけ読んでみる。
- 問題を1問だけ解いてみる。
- 教材の発行年と対応試験を確認してみる。
その小さな行動が、合格への準備になります。
参考・出典
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 出題基準」
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 合格基準」
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「パート合格(合格パートの受験免除)のお知らせ」
- 厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」
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