第38回介護福祉士国家試験から、パート合格制度が導入されました。Aパートは午前試験(60問)で構成されています。今回は「人間の尊厳と自立」「介護の基本」「社会の理解」「人間関係とコミュニケーション」「コミュニケーション技術」の5科目から34問の問題&解答解説を行っていきます。解答解説はそれぞれの問題の下のタブをクリックしてご確認ください。
■人間の尊厳と自立
問題1
社会福祉の理念を発展させた人物に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
1 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)は,「ソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)」を提唱した。
2 ニィリエ(Nirje, B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の 8 つの原理」を提唱した。
3 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)は,「エーデル改革」を提唱した。
4 リッチモンド(Richmond, M.)は,「ケースワークの 7 原則」を提唱した。
5 エリクソン(Erikson, E.)は,「自立生活運動の理念」を提唱した。
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
バンク・ミケルセンは、ノーマライゼーションの理念の普及に大きく関わった人物です。「ソーシャルロール・バロリゼーション」を提唱したのはヴォルフェンスベルガーです。
選択肢2:○ 適切
ニィリエは、「ノーマライゼーションの8つの原理」を示した人物として知られています。障害のある人も一般市民と同じような生活条件を保障されるべきだという考え方を発展させました。
選択肢3:× 不適切
ヴォルフェンスベルガーは「ソーシャルロール・バロリゼーション」を提唱した人物です。「エーデル改革」を提唱した人物ではありません。
選択肢4:× 不適切
リッチモンドはケースワークの発展に寄与した人物ですが、「ケースワークの7原則」を提唱したのはバイステックです。
選択肢5:× 不適切
エリクソンはライフサイクル論で知られる発達心理学者です。「自立生活運動の理念」を提唱した人物ではありません。
問題2
Aさん(62歳,男性,要介護2)は,2年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。妻と自宅で過ごしたいと希望し,訪問介護(ホームヘルプサービス)と訪問看護を利用している。最近,症状が進行し,サービス担当者会議で,Aさんは,「人工呼吸器はつけないで,最期まで自宅で生活したい」と言った。
会議のあと,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)に,「夫にはなかなか言えないのですが,一日でも長く一緒にいたいので,私は人工呼吸器をつけてほしいと思っています」と気持ちを伝えた。
次のうち,Aさんの妻に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の提案として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「会議で話されていたAさんの意思が大切なので,尊重しませんか」
2 「私にはわからないので,医師に決めてもらってはどうですか」
3 「Aさんに人工呼吸器をつけてもらったほうがいいですよね」
4 「Aさんとお互いの気持ちを話し合う時間をつくりませんか」
5 「病院や施設の情報がほしいと介護支援専門員に伝えてはどうですか」
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
Aさん本人の意思は大切ですが、妻の気持ちを十分に受け止めないまま本人意思の尊重だけを一方的に勧める対応は適切ではありません。家族の思いにも配慮が必要です。
選択肢2:× 不適切
本人や家族の思いを整理しないまま、医師に決定を委ねるのは適切ではありません。支援者には、意思決定を支える役割が求められます。
選択肢3:× 不適切
訪問介護員が人工呼吸器の装着を勧めるような誘導的な発言をすることは適切ではありません。本人と家族の意思を尊重しながら中立的に関わる必要があります。
選択肢4:○ 適切
Aさんと妻が互いの気持ちを話し合う時間をつくるよう提案することは、双方の思いを大切にした支援です。人生の最終段階に関わる重要な意思決定では、対話を支える姿勢が重要です。
選択肢5:× 不適切
病院や施設の情報を得ること自体は一つの支援ですが、この場面ではまず本人と妻の気持ちの違いを丁寧に共有できるよう働きかけることが優先されます。
■介護の基本
問題3
介護施設における介護ロボットに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 導入した施設は,人員配置基準が撤廃される。
2 使用方法は,職員個人の判断で行う。
3 導入することによって,利用者の自立支援や生活の質の向上が期待される。
4 導入の目的は,職員と利用者とのかかわりを最小限に抑えることである。
5 導入によって,職員の巡回は不要になる。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
介護ロボットを導入しても、人員配置基準が撤廃されるわけではありません。制度上の基準は別に定められています。
選択肢2:× 不適切
介護ロボットの使用方法は、職員個人の判断だけで決めるものではありません。施設として安全性や活用方法を検討し、適切に運用する必要があります。
選択肢3:○ 適切
介護ロボットの導入には、利用者の自立支援や生活の質の向上、職員の負担軽減などが期待されます。目的は、人を置き換えることではなく支援を充実させることにあります。
選択肢4:× 不適切
導入の目的は、職員と利用者の関わりを最小限にすることではありません。むしろ、必要な場面でより良い関わりを実現するための手段です。
選択肢5:× 不適切
介護ロボットを導入しても、職員の巡回が不要になるわけではありません。安全確認や個別対応は引き続き必要です。
問題4
次の記述のうち,指定避難所での要配慮者に対する生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 避難所内の情報提供には,音声やピクトグラム(pictogram)も取り入れる。
2 避難所内では,二次避難に備えて土足で過ごしてもらう。
3 食事は,被災者の平等性,公平性の観点から同じものを提供する。
4 トイレは,感染予防のために和式便器が望ましい。
5 生活範囲は,区画されたスペースに限定する。
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
指定避難所では、要配慮者が必要な情報を受け取りやすいよう、音声やピクトグラムなど複数の手段を用いることが重要です。多様な特性に配慮した情報提供が求められます。
選択肢2:× 不適切
避難所内を土足で過ごすことは、衛生面や生活のしやすさの面から適切ではありません。二次避難への備えとは別に、生活環境への配慮が必要です。
選択肢3:× 不適切
平等性だけを優先して全員に同じ食事を提供するのは適切ではありません。要配慮者には嚥下状態やアレルギー、疾病などに応じた配慮が必要です。
選択肢4:× 不適切
感染予防の観点から和式便器が望ましいとはいえません。高齢者や障害のある人にとっては、洋式便器の方が安全で使用しやすい場合が多くあります。
選択肢5:× 不適切
生活範囲を区画スペースだけに限定することは、生活の自由や尊厳を損なうおそれがあります。安全を確保しつつ、できるだけ生活しやすい環境を整えることが大切です。
問題5
ユニバーサルデザイン(universal design)の7原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 安全で使いやすいデザインにする。
2 要介護高齢者を対象とする。
3 個別対応より標準化を優先する。
4 介護福祉職にとって操作しやすいことを優先する。
5 デザインの美しさを優先する。
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
ユニバーサルデザインは、できるだけ多くの人が安全で使いやすいように設計する考え方です。特定の人だけでなく、幅広い利用者に配慮することが基本です。
選択肢2:× 不適切
ユニバーサルデザインは、要介護高齢者だけを対象とするものではありません。年齢や障害の有無にかかわらず、多くの人が利用しやすいことを目指します。
選択肢3:× 不適切
標準化を優先するというより、多様な人にとって使いやすいことを重視する考え方です。個別性を無視するものではありません。
選択肢4:× 不適切
介護福祉職にとっての操作しやすさだけを優先するのは適切ではありません。利用者を含め、多くの人にとっての使いやすさが重視されます。
選択肢5:× 不適切
美しさが重視される場合もありますが、ユニバーサルデザインの中心は安全性や使いやすさです。美しさの優先が本質ではありません。
問題6
Aさん(51歳,男性,障害支援区分5)は,知的障害がある。共同生活援助(グループホーム)で生活をしている。日中は,生活介護を利用して軽作業を行っている。Aさんは,タオルに強いこだわりを持っていて,なじみの店で自分が選んだタオルしか使用しない。これまでタオルは,両親と買いに行っていたが,両親が高齢になり行けなくなった。Aさんの両親から,サービス管理責任者に,「強いこだわりがあるので,いつも行く店で本人にタオルを選ばせてほしい。何か良いサービスはありませんか」と相談があった。
次の記述のうち,サービス管理責任者の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 店までの移動に不安があるため,同行援護を勧める。
2 身体機能の維持・向上のために,自立訓練(機能訓練)を勧める。
3 一人で外出できるように,自発的活動支援を勧める。
4 自立した日常生活が送れるように,自立生活援助を勧める。
5 本人が買物に行けるように,行動援護を勧める。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
同行援護は、主に視覚障害により移動に著しい困難がある人を対象としたサービスです。Aさんの状況には当てはまりません。
選択肢2:× 不適切
自立訓練(機能訓練)は、身体機能の維持や向上を目的とする支援です。今回の相談内容である買物同行の支援としては適切ではありません。
選択肢3:× 不適切
自発的活動支援は、制度上の障害福祉サービス名としての位置づけではなく、この場面で勧める具体的サービスとして適切ではありません。
選択肢4:× 不適切
自立生活援助は、一人暮らしなどを行う障害者に対して生活全般を支えるサービスです。買物時の外出支援として最も適切とはいえません。
選択肢5:○ 適切
行動援護は、知的障害や精神障害により行動上著しい困難がある人に対し、外出時の支援などを行うサービスです。Aさんが本人の希望に沿って買物に行けるように支援する方法として適切です。
問題7
次の記述のうち,介護保険制度における一人暮らしの要支援者を支えるサービスの内容として,適切なものを1つ選びなさい。
1 夜間を安心して過ごすために,夜間対応型訪問介護を利用する。
2 自宅で安全に移動するために,介護予防住宅改修を利用する。
3 趣味のカラオケに行くために,小規模多機能型居宅介護を利用する。
4 身元保証や死後の財産処分のために,高齢者等終身サポート事業を利用する。
5 金銭管理のために,日常生活自立支援事業を利用する。
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
夜間対応型訪問介護は、原則として要介護者を対象とする地域密着型サービスです。要支援者を支えるサービス内容としては適切ではありません。
選択肢2:○ 適切
介護予防住宅改修は、要支援者が自宅で安全に生活できるように手すりの設置などを行う制度です。自宅で安全に移動するための支援として適切です。
選択肢3:× 不適切
小規模多機能型居宅介護は、趣味のための外出支援を目的として利用するサービスではありません。日常生活上の支援を総合的に行うサービスです。
選択肢4:× 不適切
高齢者等終身サポート事業は介護保険制度のサービスではありません。身元保証や死後事務に関する民間等の支援です。
選択肢5:× 不適切
日常生活自立支援事業は福祉サービス利用援助や金銭管理支援などを行いますが、介護保険制度のサービスではありません。
問題8
Aさん(91歳,女性,要支援2)は,長年診療所の医師として地域医療に貢献してきた。婚姻歴はなく,診療所敷地内の自宅で3匹の猫と暮らしている。85歳で医師を引退した後も,近隣にはAさんをしたう地域住民が多く,定期的に,「先生,元気にしてますか」とAさんの自宅を訪ねている。
Aさんは昨年から歩行の不安を訴え,現在は地域住民の見守りのほか,訪問型サービスを週2回利用している。人の世話になることに慣れていない様子もあるが,最期まで自宅で暮らすことを望んでいる。
次の記述のうち,Aさんの生活史を尊重した訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「3匹の猫は,今後は地域の皆さんに預けましょう」
2 「近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう」
3 「介護を受けることにも,今後は慣れてください」
4 「医師であったことは忘れて,私たちを頼ってください」
5 「一人暮らしで自宅で最期を迎えるのは,不安がありますよね」
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
Aさんが大切にしてきた猫との生活を一方的に手放す前提で話すことは、生活史や本人の思いを尊重した対応とはいえません。
選択肢2:○ 適切
Aさんが地域で長く築いてきた人間関係や生活歴を踏まえ、近所の人の力も借りながら地域で暮らし続けられるよう支える声かけは、生活史を尊重した支援として適切です。
選択肢3:× 不適切
介護を受けることに慣れるよう促す表現は、本人の気持ちに寄り添っておらず、押しつけになりかねません。
選択肢4:× 不適切
医師であったことを忘れるよう促すのは、Aさんのこれまでの人生や役割を否定する関わりです。生活史の尊重に反します。
選択肢5:× 不適切
不安を決めつけるような声かけは、本人の思いを丁寧に受け止める姿勢として適切ではありません。
問題9
次の記述のうち,介護老人保健施設における在宅復帰に向けたカンファレンスで,介護福祉士が連携する職種の役割として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 歯科衛生士が,義歯を作成する。
2 看護師が,車いすを貸与する。
3 介護支援専門員(ケアマネジャー)が,訪問介護計画を作成する。
4 福祉用具専門相談員が,下肢の機能訓練をする。
5 作業療法士が,自宅の玄関の段差を確認する。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
歯科衛生士は口腔ケアや保健指導を行う職種であり、義歯を作成するのは歯科医師や歯科技工士です。
選択肢2:× 不適切
車いすの貸与は看護師の役割ではありません。福祉用具の選定や貸与は介護保険制度や福祉用具専門職等が関わります。
選択肢3:× 不適切
訪問介護計画を作成するのは訪問介護事業所のサービス提供責任者です。介護支援専門員は居宅サービス計画を作成します。
選択肢4:× 不適切
下肢の機能訓練を行うのは理学療法士などの専門職が中心であり、福祉用具専門相談員の役割ではありません。
選択肢5:○ 適切
作業療法士は、生活行為や住環境に着目した支援を行います。在宅復帰に向けて自宅玄関の段差を確認することは、生活場面を見据えた役割として適切です。
問題10
次の記述のうち,介護老人福祉施設におけるリスクマネジメントとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 安全対策担当者を置き,事故発生予防のための委員会を定期的に開催する。
2 家族からの苦情は,介護福祉士が,その場で解決する。
3 利用者の私物を壊したときは,介護福祉職の自己判断で弁償する。
4 入浴介助時のインシデントの報告は,職員間の口頭による伝達に統一する。
5 事故防止のため,地域のお祭りへの参加は控える。
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
介護老人福祉施設では、安全対策担当者を置き、事故発生予防のための委員会を定期的に開催することがリスクマネジメントとして重要です。組織的に安全を確保する姿勢が求められます。
選択肢2:× 不適切
家族からの苦情を介護福祉士がその場で単独で解決しようとするのは適切ではありません。内容に応じて上司や組織で対応する必要があります。
選択肢3:× 不適切
私物を壊した場合に自己判断で弁償することは適切ではありません。まずは事実確認と組織への報告が必要です。
選択肢4:× 不適切
インシデント報告を口頭伝達だけに統一すると、記録が残らず再発防止に生かしにくくなります。文書化して共有することが大切です。
選択肢5:× 不適切
事故防止を理由に地域参加を一律に控えるのは適切ではありません。安全対策を講じながら、生活の質や社会参加も大切にする必要があります。
問題11
次の記述のうち,介護現場におけるレジオネラ菌の感染対策として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 感染者の衣類は,熱湯で煮沸消毒する。
2 提供する食品は,加熱調理を徹底する。
3 循環式浴槽は,塩素系薬剤を使用して消毒する。
4 ドアノブは,次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する。
5 家庭用加湿器のタンクの水は,常に貯めておく。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
レジオネラ菌対策として、感染者の衣類を熱湯で煮沸消毒することは主な対策ではありません。感染源となりやすいのは水回りです。
選択肢2:× 不適切
食品の加熱調理は食中毒予防には有効ですが、レジオネラ菌対策の中心ではありません。
選択肢3:○ 適切
レジオネラ菌は浴槽水などで増殖するため、循環式浴槽は塩素系薬剤で適切に消毒し、衛生管理を徹底することが重要です。
選択肢4:× 不適切
ドアノブの消毒は接触感染対策として有効な場合がありますが、レジオネラ菌対策の中心とはいえません。
選択肢5:× 不適切
家庭用加湿器の水をためたままにすると菌が繁殖しやすくなります。水はこまめに交換し、清潔に保つことが大切です。
問題12
介護福祉職が受けるストレスチェック制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 3年に1回の実施が義務づけられている。
2 労働者数が常時100名の事業場は受検が免除される。
3 結果は労務管理を行う介護主任へ提供され,面接指導に活用する。
4 心理的な負担の程度を把握するためのものである。
5 高ストレスと判定された場合は,産業医による治療が必須である。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
ストレスチェック制度は3年に1回ではありません。一定規模以上の事業場では、原則として毎年1回実施します。
選択肢2:× 不適切
常時100名の事業場が受検免除になるわけではありません。制度の対象要件を満たす事業場では実施義務があります。
選択肢3:× 不適切
ストレスチェック結果は本人の同意なく労務管理担当者へ提供できません。個人情報保護に十分配慮する必要があります。
選択肢4:○ 適切
ストレスチェック制度は、労働者の心理的な負担の程度を把握するための制度です。メンタルヘルス不調の未然防止が目的です。
選択肢5:× 不適切
高ストレスと判定されても、産業医による治療が必須となるわけではありません。必要に応じて本人の申出により面接指導につなげます。
■社会の理解
問題13
民法の親族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 三親等内の血族を家族と規定している。
2 六親等内の姻族を親族と規定している。
3 いとこは互いに扶養する義務があると規定している。
4 同居する親族は互いに扶け合わなければならないと規定している。
5 養子と養親の間には,親族関係は生じない。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
民法では「家族」を三親等内の血族と規定しているわけではありません。民法上は「親族」の範囲が定められています。
選択肢2:× 不適切
親族に含まれる姻族は三親等内です。六親等内の姻族ではありません。
選択肢3:× 不適切
いとこ同士に一般的な扶養義務があるとは規定されていません。扶養義務の範囲は一定の親族関係に限られます。
選択肢4:○ 適切
民法では、同居する親族は互いに助け合わなければならないと規定されています。これは親族間の基本的な関係を示すものです。
選択肢5:× 不適切
養子と養親の間には法律上の親族関係が生じます。したがって誤りです。
問題14
次の記述のうち,「令和4(2022)年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)における,高齢者に関する調査結果として,適切なものを1つ選びなさい。
1 65歳以上の者のいる世帯の世帯構造で最も多いのは,親と未婚の子のみの世帯である。
2 高齢者世帯は5割以上を占めている。
3 要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組合せでは,65歳以上同士が約6割を占めている。
4 介護が必要となった理由の第1位は,骨折・転倒である。
5 1世帯当たりの平均所得金額では,高齢者世帯では600万円を超えている。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
65歳以上の者のいる世帯の中で最も多い世帯構造は、親と未婚の子のみの世帯とは限りません。この記述は調査結果と一致しません。
選択肢2:× 不適切
高齢者世帯が全世帯の5割以上を占めているわけではありません。割合を過大に示しています。
選択肢3:○ 適切
要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組合せでは、65歳以上同士が約6割を占めています。いわゆる老老介護の現状を示す内容です。
選択肢4:× 不適切
介護が必要となった理由の第1位は骨折・転倒ではありません。調査結果と一致しません。
選択肢5:× 不適切
高齢者世帯の平均所得金額が600万円を超えているという記述は適切ではありません
問題15
Aさん(78歳,女性)は,一人暮らしである。家事や買物は,時間はかかるが,できるだけ自分で取り組んでいる。近くに頼れる親族がいないため,緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用している。Aさんは,定期的に市の窓口や,地域包括支援センターに今後の生活支援について相談している。近所には,毎日散歩を一緒にしている友人グループがいて,散歩に来ない仲間がいると訪問して声をかけあっている。
次のうち,Aさんの生活を支える自助に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんが身辺のことを,時間をかけてもやること
2 緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用していること
3 市の窓口の職員が相談に応じること
4 地域包括支援センターの職員が相談に応じること
5 散歩仲間が声をかけあっていること
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
自助とは、自分自身の力で生活を支えることです。Aさんが時間をかけても自分で身辺のことを行っていることは、自助に当たります。
選択肢2:× 不適切
公共サービスを利用して緊急時に通報できるようにすることは、公的支援の活用であり自助ではありません。
選択肢3:× 不適切
市の窓口職員が相談に応じることは公助です。本人による自助には当たりません。
選択肢4:× 不適切
地域包括支援センター職員の相談対応も公的支援であり、自助ではありません。
選択肢5:× 不適切
散歩仲間が声をかけ合うことは、地域の支え合いであり互助に当たります。自助ではありません。
問題16
介護保険制度における介護サービス利用に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 65歳未満の者は,保険給付の対象外である。
2 保険給付には,支給限度額がある。
3 要介護認定の有効期限は,原則として3か月である。
4 保険給付による福祉用具の貸与は,要介護3以上の者が対象である。
5 地域包括支援センターに相談する前に,要介護認定を受ける必要がある。
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
65歳未満でも、特定疾病により要介護状態になった第2号被保険者は介護保険の給付対象となります。
選択肢2:○ 適切
介護保険の保険給付には、区分支給限度基準額が設けられています。利用できるサービス量には一定の上限があります。
選択肢3:× 不適切
要介護認定の有効期限は原則3か月ではありません。新規認定や更新認定などで定めが異なりますが、より長い期間が設定されます。
選択肢4:× 不適切
福祉用具貸与は要介護3以上に限定されるものではありません。種目ごとに条件があります。
選択肢5:× 不適切
地域包括支援センターには、要介護認定を受ける前でも相談できます。相談後に必要な手続につなげることが可能です。
問題17
次の記述のうち,障害者福祉の歴史的展開として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 国際連合の障害者の権利に関する条約の影響を受け,障害者基本法に「社会的障壁の除去」が規定された。
2 第二次世界大戦後5年以内に,優生保護法が廃止された。
3 「精神薄弱者福祉法」の制定によって,知的障害者の入所施設からの地域移行が推進された。
4 社会福祉基礎構造改革によって,高齢者より先に障害者の福祉制度が利用契約制度となった。
5 身体障害,知的障害,精神障害のうち,福祉に関する法律の制定が最も早かったのは知的障害である。
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
障害者権利条約の影響を受け、障害者基本法には「社会的障壁の除去」が規定されました。障害を個人だけの問題ではなく社会との関係で捉える考え方が反映されています。
選択肢2:× 不適切
優生保護法は第二次世界大戦後5年以内には廃止されていません。のちに母体保護法へ改正されました。
選択肢3:× 不適切
精神薄弱者福祉法の制定は知的障害者福祉の制度化に関わりますが、これによって直ちに地域移行が推進されたとはいえません。
選択肢4:× 不適切
利用契約制度への移行は社会福祉基礎構造改革に伴う動きですが、高齢者より先に障害者だけがそうなったわけではありません。
選択肢5:× 不適切
身体障害者福祉法の制定の方が早く、知的障害に関する福祉法が最も早かったわけではありません。
問題18
次の記述のうち,障害者福祉の関係する機関やシステムとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域活動支援センターは,補装具の判定を行う。
2 基幹相談支援センターには,介護福祉士の配置が義務となっている。
3 都道府県は,身体障害者更生相談所を設置しなければならない。
4 都道府県は,障害支援区分の認定を行う。
5 利用者負担の額は,市町村障害福祉計画によって決められる。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
補装具の判定を行うのは更生相談所などであり、地域活動支援センターではありません。
選択肢2:× 不適切
基幹相談支援センターに介護福祉士の配置が義務づけられているわけではありません。
選択肢3:○ 適切
都道府県は、身体障害者更生相談所を設置しなければなりません。専門的な相談や判定を担う機関です。
選択肢4:× 不適切
障害支援区分の認定を行うのは市町村です。都道府県ではありません。
選択肢5:× 不適切
利用者負担額は法律や政令等に基づいて決まり、市町村障害福祉計画によって決められるものではありません。
問題19
障害者虐待防止に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。
2 著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。
3 使用者による障害者虐待は含まれない。
4 行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。
5 虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合の通報先は市町村です。都道府県ではありません。
選択肢2:× 不適切
著しい拒絶的対応は、心理的虐待に当たる内容です。身体的虐待ではありません。
選択肢3:× 不適切
障害者虐待防止法では、使用者による障害者虐待も対象に含まれています。
選択肢4:× 不適切
必要がある場合には、行政職員が障害者福祉施設等に立ち入り調査を行うことが認められています。
選択肢5:○ 適切
虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合、正当な通報であれば守秘義務違反にはなりません。通報を促進するための重要な規定です。
問題20
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,自宅で一人暮らしをしている。外出機会が少ないAさんを心配して,民生委員が定期的に見守りを行っている。ある日,民生委員から地域包括支援センターに,「Aさんのように,家に閉じこもりがちな要介護者が増えている。民生委員だけでは十分な見守りができない」と相談があった。
次の記述のうち,地域包括支援センターの職員の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。
2 介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。
3 フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。
4 地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
5 要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
地域包括支援センターへの相談は高齢者本人に限りません。民生委員など関係者からの相談も受け付けます。
選択肢2:× 不適切
要介護者のケアプラン作成は居宅介護支援事業所の介護支援専門員が中心に行います。地域包括支援センターの直接的対応として最も適切ではありません。
選択肢3:× 不適切
フォーマルな資源を優先して民生委員の関わりを制限するのは適切ではありません。地域の見守りと公的支援を連携させることが重要です。
選択肢4:○ 適切
地域ケア会議で関係者と地域課題を話し合うことは、閉じこもりがちな要介護者の増加という地域の課題に対して適切な対応です。個別支援と地域づくりの両面につながります。
選択肢5:× 不適切
介護保険審査会は、要介護認定の審査判定などに関わる機関であり、このような地域課題への対応のために設置するものではありません。
問題21
法定後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 65歳未満の者は利用することができない。
2 判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
3 市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。
4 法人を後見人に選任することはできない。
5 後見人は財産管理を行うことはできない。
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
法定後見制度は65歳未満でも利用できます。年齢で一律に制限されるものではありません。
選択肢2:○ 適切
法定後見制度は、判断能力が不十分な者を対象とする制度です。判断能力が十分ある者には法定後見人をつけることはできません。
選択肢3:× 不適切
市町村長は、一定の場合に後見開始等の審判を請求することができます。
選択肢4:× 不適切
後見人には個人だけでなく法人が選任されることもあります。
選択肢5:× 不適切
後見人は財産管理を行うことができます。むしろ重要な役割の一つです。
問題22
有料老人ホームに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 入居する高齢者に,介護,食事の提供,家事,健康管理のうち1つ以上のサービスを提供する。
2 状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられている。
3 自立した高齢者は,入居の対象外である。
4 共生型サービスとして,指定を受けることができる。
5 介護保険制度の指定対象外である。
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
有料老人ホームは、高齢者に対して介護、食事の提供、家事、健康管理のうち1つ以上のサービスを提供する施設です。
選択肢2:× 不適切
状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられているのは、主にサービス付き高齢者向け住宅に関する説明です。
選択肢3:× 不適切
有料老人ホームには、自立した高齢者を対象とする類型もあります。自立高齢者が一律に対象外ではありません。
選択肢4:× 不適切
有料老人ホームそのものが共生型サービスとして指定を受けるという説明は適切ではありません。
選択肢5:× 不適切
有料老人ホームの中には、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けるものもあります。したがって一律に指定対象外ではありません。
問題23
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 障害者は対象から除外されている。
2 生活困窮者自立相談支援事業は,社会福祉法人へ委託できない。
3 生活困窮者自立相談支援事業は,市にとって任意事業である。
4 生活困窮者住居確保給付金の支給は,市にとって必須事業である。
5 都道府県の責務は規定されていない。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
生活困窮者自立支援法の対象から障害者が除外されているわけではありません。生活困窮状態にある人を広く対象とします。
選択肢2:× 不適切
生活困窮者自立相談支援事業は、社会福祉法人等への委託が可能です。
選択肢3:× 不適切
生活困窮者自立相談支援事業は任意事業ではなく、必須事業です。
選択肢4:○ 適切
生活困窮者住居確保給付金の支給は、市にとって必須事業です。住居を失うおそれのある生活困窮者への重要な支援です。
選択肢5:× 不適切
都道府県の責務も法に規定されています。責務が規定されていないわけではありません。
問題24
次の記述のうち,生活保護制度における補足性の原理として,適切なものを1つ選びなさい。
1 申請に基づいて保護を行う。
2 国の定める基準によって測定された需要をもとに保護を行う。
3 個人の必要に応じてできるだけ早く保護を行う。
4 資産・能力を活用した上で保護を行う。
5 世帯を単位として保護を行う。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
申請保護の原則を示す内容であり、補足性の原理そのものではありません。
選択肢2:× 不適切
需要に基づく保護の考え方を示しており、補足性の原理を表すものではありません。
選択肢3:× 不適切
必要に応じて速やかに保護を行うという趣旨であり、補足性の原理とは異なります。
選択肢4:○ 適切
補足性の原理とは、資産、能力、その他あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する場合に生活保護を行うという考え方です。
選択肢5:× 不適切
世帯単位の原則を示す内容であり、補足性の原理ではありません。
■人間関係とコミュニケーション
問題25
新人職員のAさん(20歳)は,子どものころからの夢だった介護福祉職になり,がんばって働いていた。ただ,介護の技術をもっと学ぶ必要があるといつも感じていた。ある日,利用者のBさんに,「Aさんじゃダメだ,別の人を呼んで」と言われて,ショックを受けた。悩むうちに利用者とかかわりたくないと感じるようになり,眠れなくなってしまった。
次の記述のうち,このような状況にあるAさんが,ストレスを取り除くためにまず行うべき対処方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。
2 介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。
3 眠れるように,毎晩飲酒する。
4 上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
5 介護福祉職には向かないと判断して,転職する。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
つらさから逃げずに自覚することは一面では大切ですが、強いストレス状態にあるAさんがまず行う対処としては適切ではありません。
選択肢2:× 不適切
さらに全力で取り組むことは、かえって負担を強めるおそれがあります。まずは心身の状態を整えることが必要です。
選択肢3:× 不適切
飲酒で眠ろうとするのは健康的な対処ではなく、問題を悪化させる可能性があります。
選択肢4:○ 適切
上司や同僚に悩みを話し、助言を受けることは、ストレス対処として最初に行うべき適切な方法です。一人で抱え込まないことが重要です。
選択肢5:× 不適切
すぐに転職を判断するのは早計です。まずは相談し、支援を受けながら状況を整理することが大切です。
問題26
Aさんは有料老人ホームに入所したばかりである。ある日,廊下を行ったり来たりしているAさんに,B介護福祉職が声をかけた。Aさんは,「私の部屋はどこですか」と困った様子で答えた。B介護福祉職が,「ここから2つ隣の部屋です」と伝えると,Aさんは,「どこですか」と不安そうな表情で聞いた。B介護福祉職は非言語的コミュニケーションを用いて伝えることにした。
次の記述のうち,B介護福祉職が用いた非言語的コミュニケーションとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ゆっくり話した。
2 大きな声で伝えた。
3 Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。
4 Aさんに近づいた。
5 Aさんの部屋のドアを指さした。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
ゆっくり話すことは言語的コミュニケーションの工夫です。非言語的コミュニケーションとはいえません。
選択肢2:× 不適切
大きな声で伝えることも言語的コミュニケーションの工夫です。非言語的手段ではありません。
選択肢3:× 不適切
紙に書いて渡すことは視覚情報を用いる方法ですが、この場面では本人が場所を把握する支援として最も適切とはいえません。
選択肢4:× 不適切
近づくことも非言語的要素ではありますが、部屋の場所を具体的に伝える手段としては不十分です。
選択肢5:○ 適切
部屋のドアを指さすことは、言葉を使わずに位置を示す非言語的コミュニケーションです。この場面で最も分かりやすい対応です。
問題27
次のうち,介護福祉施設におけるコンプライアンスの意味として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 法令を遵守すること
2 給与を引き上げること
3 連携を促進すること
4 介護技術の向上に努めること
5 管理体制を強化すること
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
コンプライアンスとは、法令や規則、社会的ルールを守ることです。介護福祉施設でも、法令遵守は基本となります。
選択肢2:× 不適切
給与を引き上げることはコンプライアンスの意味ではありません。
選択肢3:× 不適切
連携を促進することは大切ですが、コンプライアンスそのものの意味ではありません。
選択肢4:× 不適切
介護技術の向上に努めることは専門職として重要ですが、コンプライアンスの定義ではありません。
選択肢5:× 不適切
管理体制の強化はコンプライアンスを支える場合がありますが、それ自体がコンプライアンスの意味ではありません。
問題28
入社して3か月のA介護福祉職は,はじめて夜勤を経験したとき,排泄チェック表の記入でミスをしてしまった。起床介助で忙しい時間に記入したために,記載箇所を間違えてしまった。A介護福祉職は自身のミスを受け入れられず,落ち込んでいる。
次の記述のうち,A介護福祉職に対する支持的スーパービジョンとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 同僚と一緒に排泄チェック表を確認する。
2 施設長から再発防止に向けた対応を指示する。
3 上司がA介護福祉職の気持ちの理解に努めつつ,状況を確認する。
4 看護師が利用者のその後の状況を確認する。
5 業務マニュアルを見直して,上司が必要な修正を行う。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
同僚と一緒にチェック表を確認することは教育的支援としては有効ですが、落ち込んでいるA介護福祉職への支持的スーパービジョンとして最も適切とはいえません。
選択肢2:× 不適切
施設長が再発防止の対応を指示することは管理的機能に近く、支持的スーパービジョンとは異なります。
選択肢3:○ 適切
支持的スーパービジョンでは、上司が本人の気持ちを受け止め、理解に努めながら状況を確認することが重要です。精神的な支えとなる関わりです。
選択肢4:× 不適切
看護師が利用者の状況を確認することは必要な場合もありますが、A介護福祉職への支持的スーパービジョンそのものではありません。
選択肢5:× 不適切
業務マニュアルの見直しは管理的・教育的対応であり、本人の感情面を支える支持的機能とは異なります。
■コミュニケーション技術
問題29
次のうち,利用者とのコミュニケーション場面で,介護福祉職が行う自己開示の目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自己の潜在意識を活用するため
2 利用者との信頼関係を評価するため
3 利用者に自分自身の情報を知らせるため
4 利用者との信頼関係を形成するため
5 自己を深く分析し,客観的に理解するため
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
自己の潜在意識を活用するために自己開示を行うわけではありません。
選択肢2:× 不適切
自己開示は利用者との信頼関係を評価するために行うものではありません。
選択肢3:× 不適切
利用者に自分の情報を知らせること自体が目的ではありません。あくまで支援関係づくりの手段です。
選択肢4:○ 適切
介護福祉職の自己開示は、適切な範囲で自分の経験や気持ちを伝えることで、利用者との信頼関係を形成することを目的とします。
選択肢5:× 不適切
自己分析や自己理解は自己覚知に関わる内容であり、自己開示の直接的目的ではありません。
問題30
A介護福祉職は,認知症(dementia)のあるBさん(80歳,女性)と会話をしている。Bさんは,「私は小さい頃毎年お祭りに行くことが楽しみでね」「なんだか最近ひざが痛いような気がしてね」「今から何をしようかしらね」と,次々に話している。A介護福祉職は,Bさんが混乱しないように,「Bさん,子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と返答した。
次のうち,A介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 要約
2 承認
3 賞賛
4 共感
5 同意
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
A介護福祉職は、Bさんが次々に話した内容をまとめて返しています。これは、相手の話の要点を整理して返す「要約」というコミュニケーション技術です。
選択肢2:× 不適切
承認は相手の存在や感情、行動を認める関わりですが、この場面の中心は話の整理です。
選択肢3:× 不適切
賞賛は相手をほめる関わりです。この返答には当たりません。
選択肢4:× 不適切
共感は相手の感情に寄り添うことですが、この場面では複数の話題を整理して返している点が中心です。
選択肢5:× 不適切
同意は相手の意見に賛成することですが、この対応には当たりません。
問題31
次の記述のうち,利用者の家族との関係づくりにおける介護福祉職の基本姿勢として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 お互いの緊張が解けるまでじっと待つ。
2 介護福祉職のペースで話を進める。
3 利用者の意向よりも家族の意向を優先する。
4 家族への連絡は最小限にする。
5 利用者支援で協働するパートナーとして接する。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
緊張が解けるまで待つだけでは、関係づくりは進みません。介護福祉職から丁寧に働きかける姿勢が必要です。
選択肢2:× 不適切
介護福祉職のペースで話を進めるのは適切ではありません。家族の思いや状況に配慮する必要があります。
選択肢3:× 不適切
利用者の意向より家族の意向を優先するのは、利用者主体の支援に反します。
選択肢4:× 不適切
家族への連絡を最小限にするのではなく、必要な情報共有を行いながら関係づくりを進めることが大切です。
選択肢5:○ 適切
家族は利用者支援を協働して進めるパートナーです。介護福祉職は対等な協力関係を意識して関わることが基本姿勢となります。
問題32
Aさん(80歳,女性,要介護3)は中途障害の全盲である。介護老人福祉施設に入所している。最近,食堂の席の入れ替えがあった。Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を,自分に向けて話しかけられていると思って,応答した。しかし,誰からも反応はなく,Aさんは下を向いてしまった。その様子を見たB介護福祉職は,Aさんの状況に対応するために,同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し,協力を求めた。
次の記述のうち,B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんは疲れているので,部屋で休むように伝えてほしい。
2 Aさんは不安なので,そっと手を握ってほしい。
3 Aさんにもわかるように,話す相手の名前を呼んでから話してかけてほしい。
4 Aさんが混乱するので,食堂での会話は控えてほしい。
5 Aさんは施設の予定がわからないので,これから食事だと教えてほしい。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
Aさんを部屋で休ませるよう伝えることは、この場面の課題解決にはつながりません。
選択肢2:× 不適切
手を握ることは安心につながる場合もありますが、会話の相手が分からず混乱している状況への対応としては適切ではありません。
選択肢3:○ 適切
全盲のAさんには、誰が誰に話しているかが分かるよう、話す相手の名前を呼んでから話しかけることが有効です。状況理解を助け、安心して参加しやすくなります。
選択肢4:× 不適切
会話を控えるよう求めることは、Aさんの交流の機会を奪うことにつながり適切ではありません。
選択肢5:× 不適切
食事の予定を伝えることは別の支援として有効な場合もありますが、この場面での課題に直接対応する内容ではありません。
問題33
Aさん(72歳,男性)は記憶障害があり,介護施設に入居している。ある日,介護福祉職にAさんが,「あの,ちょっとお願いがあるんです。ええとね,実は,お昼ご飯をほとんど残しちゃいました…。それでね…,あ,あれかな,調理師さんはがっかりしたかな,私はずっと食堂をやっていたんですよ。店はけっこう繁盛していたけど閉めることになってね。あ,ええと何の話だったかな…」と話しかけてきた。
次のうち,このときのAさんの発言を促すための介護福祉職の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「Aさんは,お店を閉めたくなかったのですね」
2 「Aさんは,どんな料理が得意だったのですか」
3 「調理師さんのことは気にしなくていいですよ」
4 「どこかからだの具合が悪いのではないですか」
5 「何かお願いがあるのではありませんか」
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
店を閉めたくなかった気持ちに焦点を当てていますが、Aさんが最初に伝えようとしていた「お願い」を引き出す応答としてはずれています。
選択肢2:× 不適切
得意料理を尋ねると回想は広がりますが、本来のお願いの内容からさらに離れてしまう可能性があります。
選択肢3:× 不適切
調理師のことを気にしなくてよいと安心させる意図はありますが、Aさんの話したい内容を十分に引き出していません。
選択肢4:× 不適切
体調不良を推測して尋ねるのは、本人の話の流れに沿っていない対応です。
選択肢5:○ 適切
Aさんは途中で話がそれていますが、最初に「お願いがある」と述べています。そのため、「何かお願いがあるのではありませんか」と戻して促すことが適切です。
問題34
次のうち,客観的事実に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者Aは,楽しかったはずだ。
2 利用者Aは,朝食のパンを残した。
3 利用者Aは,何か言いたそうだった。
4 利用者Aは,不安だったと思う。
5 利用者Aは,退屈そうにしていた。
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
「楽しかったはずだ」は、話し手の推測が含まれており客観的事実ではありません。
選択肢2:○ 適切
「朝食のパンを残した」は、実際に観察できる具体的な行動であり、客観的事実に当たります。
選択肢3:× 不適切
「何か言いたそうだった」は観察者の解釈が入っており、客観的事実とはいえません。
選択肢4:× 不適切
「不安だったと思う」は主観的な推測を含む表現であり、客観的事実ではありません。
選択肢5:× 不適切
「退屈そうにしていた」も観察者の解釈を含むため、客観的事実とはいえません。
以上、問題1~34はここまでです。
問題35~先は、追ってアップされるこの後の投稿をお待ちください。


