第38回介護福祉士国家試験から、パート合格制度が導入されました。Cパートは午後試験の後半として(20問)で構成されています。今回は「介護過程」「総合問題」から20問の問題&解答解説を行っていきます。解答解説はそれぞれの問題の下のタブをクリックしてご確認ください。
■介護過程
問題106
次のうち,介護過程における生活課題への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職が望む支援を実現すること
2 利用者が望む暮らしを実現すること
3 他職種が望む連携を実現すること
4 家族が望む経済状況を実現すること
5 施設が望む運営を実現すること
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
介護福祉職が望む支援を実現することが目的ではありません。介護福祉職は専門的視点から支援を考えますが、その支援は利用者の生活課題や意向に基づいて行われます。
選択肢2:○ 適切
介護過程における生活課題への対応は、利用者が望む暮らしの実現を目指して行います。利用者の思い、生活歴、価値観、現在の心身の状況を踏まえ、本人らしい生活を支えることが重要です。
選択肢3:× 不適切
他職種との連携は大切ですが、他職種が望む連携を実現すること自体が目的ではありません。連携は、利用者の生活を支えるための手段です。
選択肢4:× 不適切
家族の経済状況に配慮する場面はありますが、介護過程の目的は家族が望む経済状況を実現することではありません。家族の意向も確認しながら、最終的には利用者本人の生活課題と意思を中心に考えます。
選択肢5:× 不適切
施設運営上の都合を考慮することはありますが、施設が望む運営を実現することが介護過程の目的ではありません。施設の体制やルールは、利用者の生活支援を適切に行うための条件として考える必要があります。
問題107
次のうち,短期目標に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職の介護目標を設定する。
2 利用者の1年後の状態を記載する。
3 利用者の家族を主体にして表現する。
4 アセスメントに基づく利用者の具体的な生活課題から検討する。
5 目標達成時の介護福祉職の満足度を記載する。
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
短期目標は、介護福祉職の介護目標を設定するものではありません。介護福祉職が何をしたいかではなく、利用者がどのような生活状態を目指すのかを具体的に示します。
選択肢2:× 不適切
短期目標は、通常、比較的短い期間で達成を目指す目標です。1年後の状態は長期目標として考えることが多く、短期目標としては期間が長すぎます。
選択肢3:× 不適切
短期目標は、利用者本人を主体にして表現します。家族の意向を確認することは大切ですが、目標の中心は家族ではなく利用者本人です。
選択肢4:○ 適切
短期目標は、アセスメントに基づいて明らかになった利用者の具体的な生活課題から検討します。たとえば、食事、排泄、移動、入浴、コミュニケーションなど、生活上の課題に対して、一定期間で目指す状態を具体的に設定します。
選択肢5:× 不適切
短期目標に記載するのは、目標達成時の介護福祉職の満足度ではありません。評価するのは、利用者の生活状態がどのように変化したか、目標にどの程度近づいたかです。
問題108
次のうち,介護計画の実施に関するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の実践状況は評価日にまとめて記載する。
2 介護福祉職が結果に満足できるまで実践を続ける。
3 介護福祉職の実践経験を積むことを目的にする。
4 他職種が立案した介護計画をチームで実践する。
5 利用者に支援内容を説明して同意を得る。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
利用者の実践状況は、評価日にまとめて記載するものではありません。日々の支援の中で、利用者の状態や反応、変化を記録し、必要に応じてチームで共有することが大切です。評価日だけにまとめて記載すると、経過が分かりにくくなり、支援の見直しにもつながりにくくなります。
選択肢2:× 不適切
介護計画の実施は、介護福祉職が結果に満足できるまで続けるものではありません。目標の達成状況や利用者の状態変化を確認し、必要に応じて評価・見直しを行います。判断の中心は、介護福祉職の満足度ではなく、利用者の生活課題や目標達成の状況です。
選択肢3:× 不適切
介護計画の実施は、介護福祉職の実践経験を積むことを目的にするものではありません。介護福祉職が経験を重ねることは大切ですが、介護計画の目的は、利用者が望む生活の実現に向けて支援することです。
選択肢4:× 不適切
介護計画は、他職種が一方的に立案したものを介護福祉職が実践するものではありません。介護福祉職は、利用者の生活に最も近い専門職として、アセスメントや目標設定、計画立案にも関わります。チームで実践することは大切ですが、「他職種が立案した介護計画」という表現が不適切です。
選択肢5:○ 適切
介護計画を実施する際には、利用者に支援内容を説明し、同意を得ることが必要です。利用者が支援の目的や内容を理解し、納得したうえで支援を受けられるようにすることは、利用者主体の介護を進める基本です。
問題109
次のうち,サービス担当者会議にサービス管理責任者が出席する目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 個別支援計画の取り組みの報告
2 障害支援区分の判定
3 支給が必要かどうかの決定
4 サービス等利用計画の説明
5 相談支援専門員への個別支援計画作成の指示
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
サービス管理責任者は、個別支援計画に基づく支援の実施状況、利用者の変化、今後の支援上の課題などを報告します。サービス担当者会議では、こうした情報を共有することで、サービス等利用計画との整合性を図ります。
選択肢2:× 不適切
障害支援区分の判定は、サービス管理責任者が行うものではありません。障害支援区分は、市町村による認定調査や審査判定を経て決定されます。
選択肢3:× 不適切
支給が必要かどうかを決定するのは、サービス管理責任者ではありません。障害福祉サービスの支給決定は、市町村が行います。
選択肢4:× 不適切
サービス等利用計画を作成し、説明する中心的な役割を担うのは、相談支援専門員です。サービス管理責任者は、事業所側の立場から個別支援計画の内容や支援状況を共有します。
選択肢5:× 不適切
サービス管理責任者が、相談支援専門員へ個別支援計画作成を指示するわけではありません。個別支援計画はサービス管理責任者が作成し、サービス等利用計画は相談支援専門員が作成します。両者は上下関係ではなく、利用者支援のために連携する関係です。
問題110・問題111
次の事例を読んで,問題110、問題111について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(78歳,女性,要介護1)は,軽度の認知症(dementia)があり,通所介護(デイサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。一人娘が近くに住んでいる。最近,近所の人から娘に,「決められた日以外にごみを出しているので,そっと片づけているの」と連絡があった。
翌日,娘がAさんの自宅に行くと,部屋の中に弁当の空の容器がそのまま残されていた。心配した娘が同居を勧めたが,Aさんは,「これからも,この家からデイサービスに通いたい」と強い口調で言った。話し合いの結果,娘が夕方に様子を見に行くことになった。
Aさんは,通所介護(デイサービス)を休むことなく利用していたが,ある日の迎えのとき,担当の介護福祉職に,「今日は行きたくない」と言って利用を拒否した。娘が理由を聞くと,「クイズの時間になると利用者のBさんに,あなたの答えはいつも間違えていると何度も注意される。情けない・・・」と話した。娘はAさんの様子を介護福祉職に伝えた。
問題110
次のうち,Aさんのニーズとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 娘の家で同居すること
2 自宅での生活を続けること
3 通所介護(デイサービス)を休めること
4 弁当のメニューを変更すること
5 ごみ出しを近所の人に任せること
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
娘の家で同居することは、娘が心配して提案した内容です。Aさん本人は同居を望んでおらず、自宅からデイサービスに通いたいと話しています。そのため、Aさんのニーズとはいえません。
選択肢2:○ 適切
Aさんは、「これからも、この家からデイサービスに通いたい」と意思を示しています。軽度の認知症による生活課題はありますが、本人の希望を尊重し、必要な支援を加えながら自宅生活の継続を考えることが重要です。
選択肢3:× 不適切
デイサービスを休めることは、Aさんの本来のニーズとはいえません。Aさんはこれまで通所介護を休まず利用しており、利用拒否の背景には、Bさんから何度も注意されることで情けなさを感じていることがあります。単に休めるようにするのではなく、安心してデイサービスを利用できる環境調整が必要です。
選択肢4:× 不適切
弁当の空容器が残されていたことは、生活上の課題を示す情報です。しかし、事例文には弁当のメニューを変更したいというAさんの希望は示されていません。ここから直接、Aさんのニーズと判断することはできません。
選択肢5:× 不適切
近所の人がごみを片づけてくれている状況はありますが、Aさんがごみ出しを近所の人に任せたいと希望しているわけではありません。ごみ出しの支援は必要かもしれませんが、本人のニーズとして最も適切とはいえません。
問題111
Aさんの娘から連絡を受けた通所介護(デイサービス)では,介護過程の再アセスメントをすることになった。
次のうち,Aさんの再アセスメントで重視すべき情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 通所介護(デイサービス)を利用しない日の過ごし方
2 通所介護(デイサービス)での様子
3 通所介護(デイサービス)の利用継続に関する娘の意見
4 通所介護(デイサービス)の迎えを担当した介護福祉職の印象
5 通所介護(デイサービス)以外のサービスを利用することへの意向
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
通所介護を利用しない日の過ごし方も、Aさんの在宅生活を考えるうえでは大切な情報です。しかし、今回の再アセスメントは、デイサービス利用拒否の背景を確認する場面です。直接関係が深いのは、通所介護での様子です。
選択肢2:○ 適切
Aさんは、デイサービス内でBさんから何度も注意され、情けなさを感じています。利用拒否の背景には、通所介護での人間関係や活動中の心理的負担があると考えられます。そのため、再アセスメントでは、Aさんのデイサービスでの様子を重視することが最も適切です。
選択肢3:× 不適切
娘の意見を聞くことは大切ですが、最も重視すべき情報ではありません。Aさん本人が利用を拒否した理由を明らかにするためには、本人の気持ちと通所介護での状況を確認する必要があります。
選択肢4:× 不適切
迎えを担当した介護福祉職の印象も参考情報にはなります。しかし、印象だけでは客観性が十分とはいえません。再アセスメントでは、Aさんの発言、通所介護での実際の様子、活動場面での関わりなどを具体的に確認する必要があります。
選択肢5:× 不適切
通所介護以外のサービス利用を検討することは、今後の支援の選択肢になる場合があります。しかし、まずはAさんがなぜデイサービスに行きたくないと感じたのかを把握することが先です。すぐに別サービスへの変更を考えるのではなく、現在の通所介護での課題を確認することが重要です。
問題112・問題113
次の事例を読んで,問題112、問題113について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(50歳,男性,障害支援区分3)は,中度の知的障害がある。身体機能に問題はないが,遂行機能に障害がある。短い言葉での意思表示はできる。両親は亡くなっている。姉が近くに住んでいるが,同居は難しく,共同生活援助(グループホーム)へ入居した。入居時に短期目標を「生活のリズムを整える」と設定し,順調に進んでいた。日中は就労継続支援B型事業所に通っている。
共同生活援助(グループホーム)の生活に慣れてきた頃,Aさんは日中活動を休むようになった。心配した生活支援員が居室を訪ねると,Aさんが,「昨日も,遊びに来た隣室の友人が,散らかっている部屋をみて笑った。前はきれいにできていたのに」と自信をなくしている様子であった。
生活支援員がAさんの居室を確認すると,趣味で集めているアニメグッズや衣服が増えていて,きれいにしていた自室内に散乱していた。
問題112
次のうち,日中活動を休むようになったAさんの状態を理解するために必要な情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんの家族構成
2 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間
3 Aさんが自信をなくした理由
4 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情
5 Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
Aさんの家族構成は、生活歴や支援体制を理解するうえでは大切な情報です。しかし、今回問われているのは、Aさんが日中活動を休むようになった状態を理解するために必要な情報です。直接的には、自信をなくした理由を確認することが重要です。
選択肢2:× 不適切
隣室の友人がAさんの部屋に行った時間は、状況把握の一部にはなります。しかし、日中活動を休むようになったAさんの心理状態を理解するうえで最も重要な情報ではありません。
選択肢3:○ 適切
Aさんは、部屋が散らかっていることを友人に笑われ、「前はきれいにできていたのに」と話しています。これは、片づけがうまくできないことへの戸惑いや、できていたことができなくなったように感じる不安、自信喪失につながっていると考えられます。日中活動を休む背景を理解するには、Aさんがなぜ自信をなくしたのかを把握することが最も適切です。
選択肢4:× 不適切
生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情は、Aさんの状態を理解するための中心情報ではありません。支援者側の気持ちよりも、Aさん本人の気持ちや状態を確認することが大切です。
選択肢5:× 不適切
Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由も、参考情報にはなります。しかし、今回の問題で重要なのは、友人と遊ぶことになった経緯ではなく、その後にAさんが自信をなくし、日中活動を休むようになった背景です。
問題113
後日,カンファレンスが開かれ,短期目標についての見直しが検討された。 次の記述のうち,見直された短期目標として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 趣味を変更する。
2 現在の自室の状態を維持する。
3 衣服を部屋の隅に寄せる。
4 日中活動の事業所を変更する。
5 自室を整理整頓する。
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
趣味を変更する必要はありません。Aさんにとってアニメグッズを集めることは、楽しみや本人らしさにつながる活動と考えられます。支援では、趣味をやめさせるのではなく、増えた物を整理できるように支えることが大切です。
選択肢2:× 不適切
現在の自室の状態は、アニメグッズや衣服が散乱している状態です。その状態を維持することは、Aさんの生活課題の解決にはつながりません。
選択肢3:× 不適切
衣服を部屋の隅に寄せるだけでは、整理整頓とはいえません。一時的に物を移動しているだけで、Aさんが自室を使いやすく保つための目標としては不十分です。
選択肢4:× 不適切
日中活動の事業所を変更することは、短期目標として適切ではありません。Aさんが日中活動を休むようになった背景には、自室の乱れと、それによる自信喪失があります。まずは、現在の生活課題に対する支援を検討する必要があります。
選択肢5:○ 適切
Aさんの課題は、物が増えたことで自室を整理しにくくなり、自信をなくしている点にあります。短期目標として「自室を整理整頓する」と設定することで、Aさんが生活環境を整え、再び自信を取り戻すことにつながります。
■総合問題
(総合問題1)
次の事例を読んで,問題114、問題115、問題116について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(66歳,女性)は,一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に,長年勤めた仕事を定年退職して,継続雇用で週2日の勤務になった。その頃から不眠を訴え,疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると,睡眠中に大声をあげたり,息子の部屋までふらふらと歩いてきたり,自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。近隣の大学病院を受診した結果,手足の震え,小刻みな歩行,顔のこわばりなどみられ,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。
Aさんは,趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し,これからの生活を楽しみたいと考えて,仕事を辞めた。そして,安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2の認定を受けて,介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。
問題114
Aさんの手足の震えは,ある体内物質の影響によって生じている。
次のうち,その体内物質に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 メラトニン(melatonin)
2 ドーパミン(dopamine)
3 アドレナリン(adrenaline)
4 コルチゾール(cortisol)
5 グルカゴン(glucagon)
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
メラトニンは、睡眠と覚醒のリズムに関係するホルモンです。不眠や睡眠リズムには関係しますが、手足の震えを生じさせる主な体内物質ではありません。
選択肢2:○ 適切
ドーパミンは、運動の調整に関係する神経伝達物質です。レビー小体型認知症では、パーキンソン症状として手足の震え、小刻み歩行、筋肉のこわばりなどがみられることがあります。これはドーパミンの低下と関係します。
選択肢3:× 不適切
アドレナリンは、緊張や興奮、ストレス反応に関係するホルモンです。心拍数や血圧の上昇などに関係しますが、Aさんの手足の震えの主な原因としては適切ではありません。
選択肢4:× 不適切
コルチゾールは、ストレスへの反応や血糖の調整などに関係するホルモンです。手足の震えや小刻み歩行などのパーキンソン症状の中心となる体内物質ではありません。
選択肢5:× 不適切
グルカゴンは、血糖値を上げる働きをもつホルモンです。血糖調整に関係しますが、手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりとの関連で問われる体内物質としては適切ではありません。
問題115
ある日,送迎のときに,介護予防通所リハビリテーション事業所のB介護福祉職は,息子から,日々の症状に変動がある母を自宅で介護するときにどのようなことに注意すべきか,と聞かれた。B介護福祉職は事業所で他職種ミーティングを行ってから返答することにした。
次の記述のうち,B介護福祉職の息子への助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 視覚的環境からの影響を防ぐために,自室のカーテンを無地のものに変更する。
2 下肢筋力を維持するために,毎日決まった時間に同じ運動をする。
3 転倒を防止するために,Aさんの外出の機会を減らす。
4 夜間は部屋をできるだけ明るく照らすために,直接照明を用いる。
5 着脱をしやすくするために,ボタン止めの衣服を使用する。
【解答】1
【解説】
Aさんは、レビー小体型認知症と診断されています。事例では、睡眠中に大声をあげる、ふらふらと歩く、自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話す、手足の震え、小刻み歩行、顔のこわばりなどが示されています。
レビー小体型認知症では、幻視がみられることがあります。
Aさんは「カーテンの花柄が動いて怖い」と話しているため、視覚的な刺激が不安や恐怖につながっている可能性があります。したがって、花柄のカーテンを無地のものに変更するなど、視覚的環境を整える助言が適切です。
選択肢1:○ 適切
Aさんは、カーテンの花柄が動いて見えて怖いと話しています。レビー小体型認知症では幻視がみられることがあり、模様や影、反射などが不安のきっかけになる場合があります。そのため、花柄のカーテンを無地に変更し、視覚的刺激を減らすことは適切な対応です。
選択肢2:× 不適切
下肢筋力の維持は大切ですが、Aさんは日々の症状に変動があります。毎日決まった時間に同じ運動を行うと、その日の体調によっては負担や転倒リスクにつながる可能性があります。状態に合わせて、無理のない運動量や時間を調整することが必要です。
選択肢3:× 不適切
転倒予防は重要ですが、外出の機会を減らすだけでは、活動量や意欲の低下につながる可能性があります。Aさんは趣味活動や息子との生活を楽しみたいと考えています。外出を一律に制限するのではなく、安全に歩ける環境や見守り、リハビリテーションを活用することが大切です。
選択肢4:× 不適切
夜間の安全確保のために照明を工夫することは大切です。しかし、直接照明で強く照らすと、まぶしさや影が生じ、かえって混乱や不安につながることがあります。夜間は、足元灯や間接照明などを使い、安心して移動できる明るさを確保することが望まれます。
選択肢5:× 不適切
Aさんには手足の震えや顔のこわばりなどのパーキンソン症状がみられています。細かい動作が必要なボタン止めの衣服は、着脱しにくい可能性があります。着脱しやすさを考えるなら、面ファスナーや大きめの留め具、かぶりやすい衣服などを検討します。
問題116
サービス利用開始から2か月後,担当介護支援専門員(介護福祉士)はモニタリングを行うために,Aさんの自宅を訪れた。Aさんは,「もっとほかの人と交流したいが,自宅で生活しながら利用できると安心だ。とにかく息子に心配をかけずに一緒に暮らしていきたい」と語った。
息子は,「最近仕事が忙しくなり,今後泊まりの出張もあるので,リハビリ以外のサービスもうまく使ってほしい」と語った。
次のうち,Aさんに利用を勧めるサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
2 日常生活自立支援事業
3 訪問介護(ホームヘルプサービス)
4 介護予防小規模多機能型居宅介護
5 介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービス
【解答】4
【解説】
選択肢1:× 不適切
介護予防認知症対応型共同生活介護は、認知症のある高齢者が共同生活住居で生活するサービスです。Aさんは「自宅で生活しながら利用できると安心」と話しており、現在の希望とは合いません。自宅で息子と暮らし続けたいという本人の意向を尊重する必要があります。
選択肢2:× 不適切
日常生活自立支援事業は、判断能力に不安がある人に対して、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などを支援する事業です。Aさんの「交流したい」「自宅で生活しながら利用したい」「息子の出張時にも安心したい」というニーズに対する中心的なサービスとしては適切ではありません。
選択肢3:× 不適切
訪問介護は、自宅での生活援助や身体介護を受けるサービスです。在宅生活を支えるサービスとして有効な場合はありますが、Aさんは「ほかの人と交流したい」と希望しており、息子の泊まりの出張時への対応も課題になっています。訪問介護だけでは、通いによる交流や泊まりの支援には十分対応しにくいです。
選択肢4:○ 適切
介護予防小規模多機能型居宅介護は、利用者の状態や希望に応じて、通いを中心に、訪問や泊まりを組み合わせて利用できるサービスです。Aさんは自宅で生活を続けたい一方で、交流の機会も求めています。また、息子の仕事や泊まりの出張により、家族支援にも柔軟な対応が必要です。Aさんの希望と息子の状況の両方に合うため、最も適切です。
選択肢5:× 不適切
介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービスは、交流や介護予防に役立つ場合があります。しかし、基本的には通所型の支援であり、訪問や泊まりを組み合わせた柔軟な支援にはつながりにくいです。息子の泊まりの出張も見込まれる状況では、より包括的に在宅生活を支えられるサービスが適しています。
問題117
次のうち,Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理について,訪問介護事業所のサービス提供責任者がAさんに提案する制度として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 成年後見制度
2 生活保護制度
3 老齢年金制度
4 継続雇用制度
5 後期高齢者医療制度
【解答】1
【解説】
Aさんは、駐車場収入の管理について不安を感じています。
収入や財産の管理に不安がある場合、本人の判断能力の状態に応じて、財産管理や契約行為を支援する制度を検討します。
この問題では、選択肢の中で最も適切なのは 成年後見制度 です。
成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が不十分な人を保護し、本人の権利や財産を守るための制度です。
選択肢1:○ 適切
成年後見制度は、判断能力が不十分な人の財産管理や契約手続きなどを支援する制度です。駐車場収入の管理に不安がある場合、本人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助などの制度利用を検討することができます。
選択肢2:× 不適切
生活保護制度は、生活に困窮している人に対して、最低限度の生活を保障し、自立を助長する制度です。駐車場収入の管理に関する不安へ直接対応する制度ではありません。
選択肢3:× 不適切
老齢年金制度は、高齢期の所得保障を目的とした制度です。年金の受給そのものに関する制度であり、駐車場収入や財産管理の不安を支援する制度としては適切ではありません。
選択肢4:× 不適切
継続雇用制度は、高年齢者の就業機会を確保するための雇用制度です。定年後の雇用継続に関係する制度であり、財産管理を支援する制度ではありません。
選択肢5:× 不適切
後期高齢者医療制度は、原則75歳以上の人などを対象とする医療保険制度です。医療費の給付や保険料に関する制度であり、駐車場収入の管理には直接関係しません。
問題118
その後,Aさんは認知症(dementia)が進行することを心配し,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談して,同じ市内のD介護付き有料老人ホームに転居することになった。
転居してから2年後,Aさんの認知症(dementia)の症状は進行してきた。Aさんの担当となったE介護福祉職はサービス担当者会議で,「現在,Aさんの,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は,ランクⅢaと考えられる。そこで,このランクに合った介護計画を立案したい」と提案し,他職種の承諾を得た。
次のうち,Aさんの介護計画立案時にE介護福祉職が意識する,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅲaに該当する状態として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日常生活が自立している状態
2 見守りがあれば自立できる状態
3 日中を中心に意思疎通の困難さがみられ,介護を必要とする状態
4 意思疎通の困難さが頻繁にみられ,常に介護を必要とする状態
5 専門医療の導入が必要な状態
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
日常生活が自立している状態は、認知症高齢者の日常生活自立度では、より軽い状態に該当します。ランクⅢaは、すでに日常生活に支障があり、介護を必要とする状態です。
選択肢2:× 不適切
見守りがあれば自立できる状態は、ランクⅡに近い考え方です。ランクⅢaでは、見守りだけで自立できる段階を超え、日中を中心に具体的な介護が必要になります。
選択肢3:○ 適切
ランクⅢaは、日常生活に支障を来す症状や行動、意思疎通の困難さが日中を中心にみられ、介護を必要とする状態です。介護計画では、日中の生活場面での混乱、判断の難しさ、意思疎通の困難さ、行動上の課題などを踏まえて支援内容を考えます。
選択肢4:× 不適切
意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護を必要とする状態は、ランクⅣに該当します。ランクⅢaよりも重い状態です。
選択肢5:× 不適切
専門医療の導入が必要な状態は、ランクMに該当します。ランクMは、著しい精神症状や問題行動、重篤な身体疾患などにより、専門医療を必要とする状態です。
問題119
D介護付き有料老人ホームに転居してから3年が経過した。Aさんの認知症(dementia)の症状は,さらに進行してきた。D介護付き有料老人ホームでは,施設の方針として,新たにパーソン・センタード・ケアを取り入れることになった。
次の記述のうち,E介護福祉職が介護計画を見直すときの方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人の共通点に着目したケアマニュアルをつくる。
2 認知症(dementia)を治療する。
3 認知症(dementia)の人のその人らしさを支える。
4 認知症(dementia)の人を特別な存在として保護する。
5 行動・心理症状(BPSD)をなくす。
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
認知症の人に共通する特徴を理解することは大切ですが、それだけでケアマニュアルをつくることは、パーソン・センタード・ケアの考え方とは合いません。パーソン・センタード・ケアでは、共通点よりも、一人ひとりの生活歴、価値観、思い、関係性に着目します。
選択肢2:× 不適切
認知症の治療は医療の領域であり、介護福祉職が介護計画を見直す方向性としては適切ではありません。介護計画では、病気そのものを治療することではなく、認知症があっても安心して生活できる支援を考えます。
選択肢3:○ 適切
パーソン・センタード・ケアでは、認知症の人を一人の人として尊重し、その人らしさを支えます。Aさんの場合も、症状だけを見るのではなく、これまで大切にしてきた生活、安心できる関わり、本人の気持ちを踏まえて介護計画を見直すことが重要です。
選択肢4:× 不適切
認知症の人を大切に支援することは必要ですが、「特別な存在として保護する」という考え方は適切ではありません。過度に保護するのではなく、本人の尊厳、意思、生活の継続性を大切にして支援します。
選択肢5:× 不適切
行動・心理症状(BPSD)を軽減する支援は大切ですが、「なくす」ことを目的にするのは適切ではありません。BPSDには、不安、混乱、環境への不適応、本人の思いが背景にあることがあります。まずは、本人の視点に立って背景を理解し、安心できる環境や関わりを考えることが重要です。
(総合問題3)
次の事例を読んで,問題120、問題121、問題122について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(42歳,男性)は,知的障害がある。父親(72歳)と二人暮らしをしている。半年前,Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ,大腸がん(colorectal canser)と診断され,S状結腸ストーマを造設した。パウチの交換に支援が必要となり,退院後は父親が自宅で介護をしていた。父親の介護負担が大きくなったため,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
問題120
次のうち,Aさんの正常時の便の性状として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 水様から粥状
2 流動状から液状
3 半流動から粥状
4 泥状から軟便
5 軟便から固形状
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
水様から粥状の便は、S状結腸ストーマの正常時の便性状としては水分が多すぎます。小腸や上行結腸など、より上部に近いストーマでみられやすい性状です。
選択肢2:× 不適切
流動状から液状の便は、S状結腸ストーマでは一般的ではありません。液状便が続く場合は、食事内容、感染、下痢、脱水リスクなどにも注意が必要です。
選択肢3:× 不適切
半流動から粥状の便は、S状結腸ストーマよりも、横行結腸など肛門から遠い部位のストーマで考えられる性状です。S状結腸では、より固形に近い便になります。
選択肢4:× 不適切
泥状から軟便は、横行結腸や一部の結腸ストーマでみられやすい性状です。S状結腸ストーマでは、正常時にはさらに固形に近い便が排泄されます。
選択肢5:○ 適切
S状結腸ストーマでは、大腸で水分がある程度吸収された後の便が排泄されるため、正常時の便は 軟便から固形状 になります。Aさんの正常時の便性状として、最も適切です。
問題121
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんから,「今度,父親と温泉に行くことになったが,便のにおいが気になる」と相談があった。
次のうち,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに勧める食品として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チーズ
2 たまねぎ
3 ヨーグルト
4 にら
5 アスパラガス
【解答】3
【解説】
AさんはS状結腸ストーマを造設しており、父親と温泉に行く予定があります。そこで「便のにおいが気になる」と相談しています。
ストーマからの便臭が気になる場合、食事内容の工夫が役立つことがあります。
一般に、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品は腸内環境を整え、便臭を軽減する食品として勧められることがあります。
一方で、たまねぎ、にら、アスパラガスなど、においの強い食品は、便やガスのにおいを強くすることがあります。したがって、Aさんに勧める食品として最も適切なのは ヨーグルト です。
選択肢1:× 不適切
チーズは乳製品ですが、便臭の軽減を目的に積極的に勧める食品としては、ヨーグルトの方が適切です。チーズは脂質も含み、体質によっては消化や便通に影響することがあります。
選択肢2:× 不適切
たまねぎはにおいの強い食品であり、便やガスのにおいを強めることがあります。便臭が気になるAさんに勧める食品としては適切ではありません。
選択肢3:○ 適切
ヨーグルトは乳酸菌を含み、腸内環境を整える食品です。便臭が気になる場合に、食生活の工夫として取り入れやすい食品です。Aさんが温泉に行く前に、無理のない範囲で試す食品として適切です。
選択肢4:× 不適切
にらは特有の強いにおいがあり、便やガスのにおいを強くすることがあります。便臭への不安がある場面で勧める食品としては不適切です。
選択肢5:× 不適切
アスパラガスも、尿や排泄物のにおいに影響することがある食品です。便臭を気にしているAさんに勧める食品としては適切ではありません。
問題122
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪問したところ,Aさんの父親から,「地震のニュースを見たら,知的障害があり,ストーマの管理が必要な息子に対する災害時の対応が心配になった」と相談があった。訪問介護員(ホームヘルパー)は,相談支援専門員に状況を報告し,相談支援専門員とともにほかの利用者家族に確認したところ,同様に災害時の不安を感じている親が多く,この地域では個別避難計画の作成が遅れていることがわかった。そこで,訪問介護員(ホームヘルパー)はこの課題を地域の課題としてとらえ,サービス提供責任者や相談支援専門員とともに対応することを確認した。
次のうち,この地域課題の検討を働きかける場として,最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「協議会」とは,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第89条3第1項に規定するものである。
1 協議会
2 運営適正化委員会
3 介護保険審査会
4 障害者政策委員会
5 地方更生保護委員会
【解答】1
【解説】
選択肢1:○ 適切
協議会は、障害のある人が地域で生活するうえでの課題を共有し、関係機関が連携して支援体制を検討する場です。今回のように、知的障害があり医療的な配慮も必要な人の災害時対応、個別避難計画の作成の遅れ、家族の不安などを地域課題として検討する場として適切です。
選択肢2:× 不適切
運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情解決や運営の適正化に関わる機関です。今回の課題は、サービスへの苦情ではなく、災害時支援や個別避難計画に関する地域課題であるため、最も適切とはいえません。
選択肢3:× 不適切
介護保険審査会は、介護保険の要介護認定や保険給付などに関する不服申立てを扱う機関です。障害福祉分野の災害時対応や個別避難計画の地域課題を検討する場ではありません。
選択肢4:× 不適切
障害者政策委員会は、障害者基本計画など、国の障害者政策に関する調査審議を行う場です。個別地域で生じている利用者家族の不安や個別避難計画の遅れを、現場レベルで具体的に検討する場としては、協議会の方が適切です。
選択肢5:× 不適切
地方更生保護委員会は、仮釈放など更生保護に関する事務を扱う機関です。障害福祉サービスや災害時支援の地域課題とは関係しません。
(総合問題4)
次の事例を読んで,問題123について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(50歳,男性,障害支援区分4)は,1年前の交通事故の後遺症で,右片麻痺,高次脳機能障害(higher brain dysfunction),失語症(aphasia)となった。現在は障害者支援施設で生活している。日中は,車いすに座って過ごしているが,すぐに右肩が下がり上半身は右へ傾いた姿勢になる。ある日,B介護福祉職がAさんに姿勢の傾きを直す方法を伝えようとすると,Aさんは大声でどなり,物を投げた。B介護福祉職は,以前からAさんとのコミュニケーションに悩んでいたため,C介護主任に相談することにした。C介護主任の問いかけに答えるなかで,B介護福祉職は自分自身の言動を振り返ることができ,Aさんに伝わらない焦りと,子どもに言い聞かせるような口調が,Aさんの感情を害していたことに気づいた。その後,コミュニケーション方法を工夫し,Aさんに姿勢の傾きを直す方法を説明し,同意を得ることができた。
毎週,Aさんは妻との面会を楽しみにしている。しかし,妻はAさんの将来に不安を感じて,B介護福祉職に,「夫の障害について,情報交換や勉強がしたい。そのようなところがあれば紹介してほしい」と相談した。
問題123
次のうち,C介護主任がB介護福祉職への対応に用いた手法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 コンサルテーション(consultation)
2 コーチング(coaching)
3 フォロワーシップ(followership)
4 ティーチング(teaching)
5 メンバーシップ(membership)
【解答】2
【解説】
選択肢1:× 不適切
コンサルテーションは、専門的な立場から相談を受け、助言や支援を行うことです。今回の場面では、C介護主任が専門的助言を中心に行ったというより、B介護福祉職自身の振り返りと気づきを促しています。そのため、最も適切とはいえません。
選択肢2:○ 適切
コーチングは、問いかけや対話を通して、相手自身の気づき、考え、行動を引き出す手法です。C介護主任は、B介護福祉職に自分の対応を振り返らせ、Aさんへの関わり方を見直すきっかけをつくっています。これはコーチングに該当します。
選択肢3:× 不適切
フォロワーシップは、組織やチームの中で、リーダーを支えながら主体的に役割を果たす姿勢や行動を指します。今回の場面は、主任が部下に対して行った支援方法を問うているため、フォロワーシップではありません。
選択肢4:× 不適切
ティーチングは、知識や技術を教える手法です。たとえば、「失語症のある人にはこのように説明しなさい」と具体的に教える場合はティーチングに近くなります。今回の事例では、C介護主任が答えを教え込むのではなく、B介護福祉職自身に気づかせているため、ティーチングではありません。
選択肢5:× 不適切
メンバーシップは、チームの一員として協力し、役割を果たすことを指します。今回問われているのは、C介護主任がB介護福祉職へどのような手法で関わったかであり、メンバーシップではありません。
問題124
B介護福祉職は,Aさんが車いすで良肢位を保つことができるように,クッションを使用することにした。まず,B介護福祉職はAさんの上半身を起こし深く座り直してもらった。
次のうち,B介護福祉職がクッションを挿入する位置として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 背中とバックサポートの間
2 左大腿部と座面の間
3 両下腿とレッグサポートの間
4 右大腿部と左大腿部の間
5 右上肢と右アームサポートの間
【解答】5
【解説】
選択肢1:× 不適切
背中とバックサポートの間にクッションを入れると、上半身全体の支えにはなる場合があります。しかし、Aさんの主な問題は、右肩が下がり、上半身が右へ傾くことです。麻痺側の右上肢を支える対応としては不十分です。
選択肢2:× 不適切
左大腿部と座面の間にクッションを入れると、座位バランスがかえって崩れる可能性があります。Aさんは右片麻痺であり、問題となっているのは右上肢の支持不足と右側への傾きです。
選択肢3:× 不適切
両下腿とレッグサポートの間にクッションを入れることは、下肢の安定や圧迫予防に関係する場合があります。しかし、今回の課題である右肩の下がりや上半身の右傾きへの対応としては適切ではありません。
選択肢4:× 不適切
右大腿部と左大腿部の間にクッションを入れる対応は、下肢の位置保持に関係する場合があります。しかし、Aさんの姿勢の問題は、主に上半身と右上肢の支持にあります。したがって、最も適切とはいえません。
選択肢5:○ 適切
右上肢と右アームサポートの間にクッションを入れることで、麻痺側の右上肢を安定して支えることができます。右上肢が支えられると、右肩の下がりを防ぎやすくなり、上半身の右への傾きも軽減しやすくなります。Aさんの良肢位を保つ対応として最も適切です。
問題125
妻の相談を受けたB介護福祉職がサービス管理責任者に報告をしたところ,ある社会資源を紹介することになった。
次のうち,B介護福祉職が妻に紹介した社会資源として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉事務所
2 公共職業安定所(ハローワーク)
3 家族会
4 地域包括支援センター
5 地域障害者職業センター
【解答】3
【解説】
選択肢1:× 不適切
福祉事務所は、生活保護や福祉制度に関する相談・支援を行う行政機関です。経済的な困窮や福祉制度利用の相談先としては重要ですが、妻が希望している「障害についての情報交換や勉強」の場として最も適切とはいえません。
選択肢2:× 不適切
公共職業安定所、いわゆるハローワークは、職業紹介や雇用に関する相談を行う機関です。就労支援に関係する社会資源ですが、妻の相談内容は就職や雇用ではないため不適切です。
選択肢3:○ 適切
家族会は、障害や病気のある人を支える家族が集まり、情報交換や学習、悩みの共有を行う場です。Aさんの妻は、夫の障害について情報交換や勉強をしたいと希望しているため、家族会を紹介することが最も適切です。
選択肢4:× 不適切
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談、介護予防、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援などを行う機関です。Aさんは50歳で障害者支援施設に入所しており、今回の妻の相談内容に対して最も適切な紹介先とはいえません。
選択肢5:× 不適切
地域障害者職業センターは、障害のある人の職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ支援など、就労に関する専門的支援を行う機関です。今回の相談は、妻が障害について情報交換や勉強をしたいという内容であり、就労支援ではありません。
以上、Cパート:問題106~125はここまでです。
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