今週の介護・福祉分野では、臨時報酬改定の具体化、2027年度介護報酬改定に向けた経営実態調査、処遇改善加算の運用ルール、介護情報基盤、介護人材確保、障害福祉の賃金課題など、現場実務と制度運営の双方に関わる動きが見られました。今回は、業界メディアを横断しながら、忙しい実務者が短時間で流れをつかめるように整理して紹介します。
- 【★注目】介護報酬の臨時改定、訪問介護に最大28.7%の処遇改善加算 サービス間で最高率 告示公布
- 【★注目】厚労省、2027年度の介護報酬改定へ5月から経営実態調査を実施 全国の事業所に協力要請
- 【★注目】一人ケアマネも算定対象 厚労省 処遇改善加算でQ&A
- 今年度の介護福祉士国試、合格率が大幅低下 合格者数も3年連続減 パート合格初年度
- 介護職の処遇改善は基本給増が望ましい 厚労省が考え方や事務処理の文書案公表
- 介護人材は地域で育成 「入門的研修」で福祉法人が連携(埼玉)
- 障害福祉の賃金、全産業水準まで増額を 日本知的障害者福祉協会が厚労省に要望
- 介護情報基盤 ケアプランデータ連携システムも統合
- 介護職員の賃上げ対応で財政安定化基金を特例積み増し 市町村負担分も国費支援
- 育児や介護サービスの維持を金融で後押し 政府が産業力強化へ閣議決定
- ☆今週の注目記事を梅沢が読む!
【★注目】介護報酬の臨時改定、訪問介護に最大28.7%の処遇改善加算 サービス間で最高率 告示公布
発信日:2026.03.17
💡 要旨
厚労省は3月13日、新年度の介護報酬の臨時改定に向けた告示を公布し、処遇改善加算の拡充内容を示しました。幅広い介護従事者に月額1万円の賃上げを行い、生産性向上などに取り組む事業所・施設の介護職員には月額7000円を上乗せする構えです。加算率の最上位区分では、訪問介護が28.7%で最も高く、特養17.6%、通所介護12.0%などとなりました。6月施行を前に、各サービスの加算率と現場への影響を把握しておきたい週です。
出典: 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1476」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL: https://www.joint-kaigo.com/articles/44894/
【★注目】厚労省、2027年度の介護報酬改定へ5月から経営実態調査を実施 全国の事業所に協力要請
発信日:2026.03.18
💡 要旨
厚労省は、2027年度介護報酬改定の議論に必要な基礎資料を得るため、介護事業経営実態調査を新年度に実施すると周知しました。調査票は無作為抽出された事業所・施設に5月中旬頃届き、回答期限は7月7日です。調査項目には、2025年度の事業収支、職員配置や給与、介護テクノロジーの導入状況などが含まれます。法人本部が調査票を一括受領できる仕組みも設けられており、現場負担を減らしつつ、次期改定を左右するデータ収集が本格化していきます。
出典: 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1482」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL: https://www.joint-kaigo.com/articles/44920/
【★注目】一人ケアマネも算定対象 厚労省 処遇改善加算でQ&A
発信日:2026.03.20
💡 要旨
厚労省が示した処遇改善加算Q&A第1版では、賃金改善の対象に介護職以外の全職種を含められること、一人ケアマネ事業所の代表者も条件を満たせば対象となり得ることなどが整理されました。さらに、地域包括支援センターが介護予防支援を居宅介護支援事業所へ委託している場合、委託先職員も対象とされています。新たな特例要件の一つであるケアプランデータ連携システムは、単なる加入だけでなく利用実績も求められる点が明示されており、小規模事業所ほど実務確認が欠かせません。
出典: 厚生労働省Q&Aを踏まえた記事/シルバー新報
元記事URL: https://silver-news.com/blog/detail/3153
今年度の介護福祉士国試、合格率が大幅低下 合格者数も3年連続減 パート合格初年度
発信日:2026.03.16
💡 要旨
社会福祉振興・試験センターが公表した第38回介護福祉士国家試験の結果では、合格率は70.1%となり、前年度の78.3%から大きく低下しました。直近10年でも低い水準に入る結果で、合格者数も3年連続で減少しています。介護現場では人材確保の難しさが続いており、国家資格取得者の動向は採用・育成の両面に影響します。新たに導入されたパート合格制度の初年度でもあり、来年度以降の受験者動向とあわせて見ていきたいテーマです。
出典: 社会福祉振興・試験センター発表をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL: https://www.joint-kaigo.com/articles/44861/
介護職の処遇改善は基本給増が望ましい 厚労省が考え方や事務処理の文書案公表
発信日:2026.03.15
💡 要旨
厚労省は、2026年度の介護職員等処遇改善加算に関する基本的な考え方や事務処理手順を示した文書案を公表しました。今回の加算では、介護職以外も含む介護従事者に月1万円相当の賃上げを行い、一定要件を満たす場合は介護職に7000円相当を上乗せし、定期昇給分を含めると最大月1万9000円の改善を見込んでいます。そのうえで、賃金改善の方法としては、安定的な処遇改善の観点から基本給による改善が望ましいとの考えを示している点が実務上のポイントです。
出典: 厚生労働省文書案をもとにした福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL: https://fukushishimbun.com/series05/44766
介護人材は地域で育成 「入門的研修」で福祉法人が連携(埼玉)
発信日:2026.03.17
💡 要旨
埼玉県三芳町では、社会福祉法人などが連携し、介護未経験者向けの**「入門的研修」**を地域で進めています。厚労省が2018年度に創設した制度を活用し、「地域の人材は地域で育てる」という考えのもと、町から受託して研修を実施し、独自テキストも作成しているのが特徴です。講師を担う法人職員にとっても、教える経験がスキルアップにつながっています。人材確保を単なる採用競争にとどめず、地域ぐるみで裾野を広げる取り組みとして参考になる事例です。
出典: 福祉新聞編集部取材記事/福祉新聞
元記事URL: https://fukushishimbun.com/jinzai/44773
障害福祉の賃金、全産業水準まで増額を 日本知的障害者福祉協会が厚労省に要望
発信日:2026.03.16
💡 要旨
日本知的障害者福祉協会は、障害福祉分野の賃金を全産業平均と遜色ない水準まで引き上げるよう厚労省に要望しました。2025年度の賃上げ額は平均9643円だったものの、賃上げ率は3.81%で、前年度を下回り、全産業平均との差が広がっているとしています。介護分野と障害分野は現場人材を巡る共通課題を抱えており、賃金水準の改善は福祉分野全体の人材確保にも直結します。障害福祉の動きも、週刊ダイジェストの中で押さえておきたい論点です。
出典: 日本知的障害者福祉協会の要望行動を伝える福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL: https://fukushishimbun.com/series06/44768
介護情報基盤 ケアプランデータ連携システムも統合
発信日:2026.03.17
💡 要旨
シルバー産業新聞は、ケアプランデータ連携システムが今後「介護情報基盤」に統合される見通しを伝えています。統合時期は2026年度後半を見込んでおり、5月末で終了予定だったフリーパスキャンペーンも統合日まで延長されることが決まりました。今後は、利用者、介護事業所、医療機関、保険者の間でケアプラン情報を共有する仕組みの一角を担う想定で、国は早期利用を促しています。ICT導入を「加算対策」にとどめず、次の情報基盤へつなげる視点が求められそうです。
出典: 厚生労働省老健局担当者の説明をもとにした記事/ケアニュース by シルバー産業新聞
元記事URL: https://www.care-news.jp/news/vnqSi
介護職員の賃上げ対応で財政安定化基金を特例積み増し 市町村負担分も国費支援
発信日:2026.03.18
💡 要旨
厚労省は、臨時の介護報酬改定に伴って市町村財政が不安定化しないよう、財政安定化基金を計画期間の途中でも特例的に積み増せるようにする政令改正・施行を通知しました。本来、基金原資は国・都道府県・市町村が3分の1ずつ負担しますが、今回の特例分は都道府県・市町村分を含めて国費で支援するとしています。処遇改善の実施には財源面の手当ても不可欠であり、現場の賃上げ支援と介護保険財政の安定化を両立させるための裏側の動きとして見ておきたい内容です。
出典: 厚生労働省通知をもとにした記事/ケアニュース by シルバー産業新聞
元記事URL: https://www.care-news.jp/news/OSjiz
育児や介護サービスの維持を金融で後押し 政府が産業力強化へ閣議決定
発信日:2026.03.20
💡 要旨
政府は、育児や介護といったエッセンシャルサービスの維持を金融面から後押しする制度創設を盛り込んだ法案を閣議決定しました。自治体が、食品スーパー敷地内に育児や介護施設を新設するような計画を認定した場合、低利融資や債務保証を受けられる仕組みを新たに設けます。人口減少や高齢化で介護サービスの供給が弱っている地域も少なくなく、サービス維持を経済政策として支える視点が前面に出ています。制度・事業運営を広い視点で考える読者にとって注目したい動きです。
出典: 政府の法案閣議決定を伝える福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL: https://fukushishimbun.com/fukushiippan/44792
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、2027年度介護報酬改定に向けた経営実態調査です。処遇改善やICT活用の話題は分かりやすく目を引きますが、その前提には「いま介護現場がどれだけ厳しい経営環境にあるのか」を正確に捉える作業があります。今回の調査は、事業収支や職員給与、介護テクノロジーの導入状況まで含めて把握する内容です。次の報酬改定を考えるうえで、現場の実態がどう反映されるかは非常に大きな意味を持ちます。目先の通知対応だけでなく、その先の制度設計を左右する動きとして読んでいただきたいと思います。
この記事について
編集・解説:梅沢佳裕(ベラガイア17人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰)
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。

