9月19日から25日の介護・福祉分野では、2027年度介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定に向けた動きが続きました。
介護分野では、物価高騰や厳しい事業所経営を背景に、関係団体から基本報酬の引き上げや処遇改善を求める声が出ています。
障害福祉では、訪問系サービスを対象に、同一建物減算、ピアサポート、自動車による移動の評価、同行援護・行動援護の従業者要件など、次期報酬改定に向けた具体的な論点が示されました。
このほか、介護情報基盤、車いす利用者の送迎事故、使用者による障害者虐待など、現場の実務や事業所運営に関わる情報を紹介します。
【★注目】2027年度介護報酬改定 基本報酬の引き上げ求める声相次ぐ
発信日:2026.09.22
要旨
2027年度介護報酬改定に向け、社会保障審議会介護給付費分科会で関係団体との意見交換が進んでいます。
福祉新聞によると、物価高騰などによる厳しい経営状況を背景に、特別養護老人ホームや認知症グループホームなどの関係団体から、基本報酬の引き上げや処遇改善を求める声が相次ぎました。加算の簡素化やテクノロジー導入への継続的な支援を求める意見も出ています。
いずれも関係団体から示された要望であり、2027年度改定の内容が決まった段階ではありません。
出典:2027年度介護報酬改定に向けた関係団体との意見交換を伝える福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL:https://fukushishimbun.com/series05/45994
【★注目】障害福祉の訪問系サービス 同一建物減算や移動の評価などを検討
発信日:2026.09.24
要旨
厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第63回)では、2027年度障害福祉サービス等報酬改定に向け、訪問系サービスの報酬・基準が議論されました。
同一建物減算の見直し、訪問系サービスへのピアサポート評価の拡大、支援に必要な自動車移動の評価などが論点となっています。
自動車による移動についても、運転時間そのものを直接報酬算定するのではなく、サービス提供に伴って必要となる移動をどのように評価するかが検討されています。
具体的な要件や単位数が決まった段階ではありません。
出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第63回)」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76339.html
【★注目】介護情報基盤 2028年4月までの全国運用開始をめざす
発信日:2026.09.21
要旨
介護ニュースJointは、9月18日の社会保障審議会介護保険部会で報告された介護情報基盤の準備状況を紹介しました。
2026年7月10日時点で1545市町村、全体の88.7%が2027年度までに運用を開始する予定とされています。残る市町村についても調整が続いています。
厚生労働省は、準備が整った市町村から介護情報基盤の活用を始め、2028年4月1日までに全市町村で活用を開始することをめざしています。
介護保険資格、要介護認定、ケアプラン、LIFE情報などを電子的に共有する仕組みであり、今後は介護事業所側の対応準備も関わってきます。
出典:厚生労働省「第136回社会保障審議会介護保険部会」資料をもとにした介護ニュースJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48942/
介護・障害福祉の賃上げ・経営安定 厚労相が2027年度改定に言及

発信日:2026.09.19
要旨
上野賢一郎厚生労働相は9月18日の記者会見で、介護・障害福祉分野が人手不足や物価上昇など厳しい状況にあるとの認識を示しました。
介護ニュースJointによると、2027年度の介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定について、賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるとの考えを示しています。
物価や賃金の上昇を報酬にどう反映するかは、今後の改定議論で検討されます。具体的な改定率や支援内容が示されたものではありません。
出典:厚生労働大臣記者会見を伝える介護ニュースJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48914/
同行援護・行動援護の従業者要件 経過措置の見直し案を提示
発信日:2026.09.24・2026.09.25
要旨
厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第63回)では、同行援護と行動援護の従業者要件に関する経過措置も議論されました。
同行援護では、盲ろう者向け通訳・介助員を同行援護従業者養成研修の修了者とみなす経過措置について、廃止を検討する案が示されています。現在の期限は2027年3月31日です。
行動援護では、一定の要件を満たす職員について、減算を設けたうえで、2027年3月31日時点で行動援護事業所に従事している人に限り、経過措置を3年間延長する案が示されました。
いずれも次期報酬改定に向けた検討案であり、現時点で終了・延長が確定したものではありません。
出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第63回)」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76339.html
車いす送迎事故 7年間で死亡事故30件、安全な固定・装着が課題
発信日:2026.09.24
要旨
シルバー産業新聞は、消費者安全調査委員会が公表した経過報告をもとに、車いす利用者を自動車で送迎中に起きた事故を紹介しました。
一次資料では、2019年1月から2025年12月までの7年間に49件の事故が確認され、このうち30件が死亡事故でした。介護サービスにおける送迎事故は34件で、そのうち24件が死亡事故です。
車いすの固定が適切でなかった事故は8件、シートベルトの装着が適切でなかった事故は9件確認されています。
なお、この49件は事故情報データバンクや報道などから確認された件数です。消費者安全調査委員会は、把握できていない事故が存在する可能性があるとしています。そのため、死亡事故30件という数字を送迎事故全体の死亡率として捉えることはできません。
車いすを自動車内に固定する新たな日本産業規格(JIS)については、2027年3月に規格が公布される見込みです。
出典:消費者安全調査委員会「車椅子使用者を自動車で送迎中の事故に係る事故等原因調査について(経過報告)」を伝えるシルバー産業新聞/ケアニュース
元記事URL:https://www.care-news.jp/news/yzdk2
使用者による障害者虐待 虐待認定421事業所、経済的虐待が最多
発信日:2026.09.24
要旨
福祉新聞は、厚生労働省が公表した「令和7年度(2025年度)使用者による障害者虐待の状況等」を紹介しました。
虐待が認められた事業所は前年度比3.0%減の421事業所、虐待が認められた障害者は6.4%減の610人でした。
一方、通報・届出のあった事業所は1663事業所、対象となった障害者は1953人で、いずれも前年度から増えています。
虐待種別は、1人に複数の虐待が認められた場合は重複して計上されています。 その集計では、経済的虐待が521人(83.1%)と最も多くなっています。
83.1%は、虐待が認められた障害者610人を単純な分母として算出した割合ではありません。
出典:厚生労働省「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」を伝える福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00013.html
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週は、2027年度介護報酬改定に向けて、関係団体から基本報酬の引き上げを求める声が相次いでいることに注目しました。
介護現場では、人件費や食材費、光熱費などの上昇が続いています。加算を算定するには、要件の確認や記録、届出などの実務も伴います。とくに小規模な事業所では、加算を活用するための人員や事務体制を整えることが難しい場合もあります。
今回の意見交換では、基本報酬の引き上げに加え、処遇改善、加算の簡素化、テクノロジー導入への支援など、経営と現場の双方に関わる要望が出ています。
今後の介護給付費分科会で、具体的な改定内容がどのように組み立てられていくのかを引き続き確認していきます。
この記事について
本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事URLからご確認ください。
編集・解説:梅沢佳裕
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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