2027年度介護報酬改定に向けた議論が続いています。9月3日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、認知症、医療・介護連携、LIFE、口腔・栄養、多床室の室料負担が取り上げられました。前週の処遇改善や生産性向上、虐待防止などに続き、介護現場に直接関わるテーマの検討が進んでいます。
今週はこのほか、地域別最低賃金、介護職員等処遇改善加算の算定状況、2027年度予算概算要求、外国人介護職員の育成、令和8年熊本地震で被災した福祉施設への支援について取り上げます。
【★注目】2027年度介護報酬改定へ LIFE・認知症・医療介護連携などを議論
発信日:2026.09.03
要旨
厚生労働省は9月3日、第264回社会保障審議会・介護給付費分科会を開き、2027年度介護報酬改定に向けた検討を進めました。
今回の議題は、認知症への対応力強化、医療・介護連携と人生の最終段階の医療・介護、科学的介護情報システム(LIFE)、口腔・栄養の一体的な取組、多床室の室料負担です。LIFEは資料3として取り上げられ、関連加算の運用状況やデータ提出、フィードバックのあり方などが整理されています。
具体的な加算・減算や算定要件の変更が決まった段階ではありません。今後の検討の中で、現行の仕組みをどのように見直していくのかが焦点になります。
出典:厚生労働省「第264回社会保障審議会介護給付費分科会」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75593.html
【★注目】最低賃金の全国加重平均1,177円 介護・福祉事業所の人件費にも影響
発信日:2026.09.04
要旨
厚生労働省が取りまとめた令和8年度地域別最低賃金の答申では、全国加重平均が1,177円となりました。前年度の1,121円から56円の引き上げです。最高額は1,280円、最低額は1,085円。各地域では手続きを経たうえで、2026年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。
介護・福祉事業所では、最低賃金に近い水準で働く職員への対応がまず必要になります。その結果、経験年数や役割による賃金差が縮まれば、給与体系全体を見直す事業所も出てくるでしょう。
人件費負担が重くなる一方、介護人材の確保には継続的な賃上げも欠かせません。次期介護報酬改定の処遇改善を考えるうえでも見逃せない動きです。
出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48529/
【★注目】介護職員等処遇改善加算 「加算Ⅰロ」の算定率は39.3%
発信日:2026.09.01
要旨
介護職員等処遇改善加算の最新の算定状況が、厚生労働省の資料をもとに報じられました。
令和8年度に新設された「加算Ⅰロ」の2026年6月の算定率は、対象サービス全体で39.3%です。サービス別では、特別養護老人ホーム69.4%、介護老人保健施設59.0%、訪問介護34.3%、通所介護35.3%、地域密着型通所介護19.6%、認知症対応型共同生活介護26.4%となっています。
施設系サービスと在宅・小規模サービスで算定率に差がみられる点も気になります。2027年度改定に向けて処遇改善のあり方が検討される中、上位区分を取得しにくい理由がどこにあるのかも今後の論点になりそうです。
出典:厚生労働省「第263回社会保障審議会介護給付費分科会」資料をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/48385/
厚労省、2027年度概算要求36兆5,803億円 介護・障害福祉のAI活用も
発信日:2026.08.31
要旨
厚生労働省が8月26日に公表した令和9年度(2027年度)予算概算要求について、福祉新聞が介護・福祉分野の内容を報じています。一般会計の要求総額は36兆5,803億円です。
概算要求には、医療・介護・障害福祉へのAI・テクノロジー導入として283億円が盛り込まれました。見守り機器、介護記録ソフト、インカムなどの導入に加え、それらを現場で活用する人材の育成も想定されています。介護・障害福祉の人材確保には138億円を計上しています。
今回示された金額は2027年度予算の概算要求額です。今後の予算編成を経るため、実際の予算額が確定したものではありません。
出典:厚生労働省「令和9年度厚生労働省所管予算概算要求」/福祉新聞
元記事URL:https://fukushishimbun.com/fukushiippan/45886
外国人介護職員の育成を法人で共通化 施設を越えて支える仕組みへ
発信日:2026.09.03
要旨
福祉新聞は、静岡県沼津市の社会福祉法人春風会が進める「外国人職員育成部会」の取組を紹介しています。
同法人では、EPAや特定技能などで働く外国人職員の教育を各施設に任せてきましたが、日本語能力や育成内容にばらつきがあったことから、法人共通の研修体系づくりを進めています。採用から半年後、1年後などの節目ごとに習得内容や到達目標を設定し、各施設には育成担当職員を配置。施設を越えた交流や情報交換の場も設けています。
外国人介護人材の受け入れが広がるなか、採用後の育成を誰が、どのように担うかは多くの法人に共通する課題です。施設任せにせず、法人全体で支える仕組みをつくる実践例として参考になります。
出典:社会福祉法人春風会の取組を伝える福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL:https://fukushishimbun.com/series05/45894
令和8年熊本地震 福祉施設への応援職員受け入れを公費で支援
発信日:2026.08.30
要旨
令和8年熊本地震で被災した福祉施設への応援職員派遣について、厚生労働省とこども家庭庁が8月13日に出した通知の内容を福祉新聞が報じました。
被災した福祉施設が避難を希望する人を受け入れる体制を整え、熊本県または市町村が福祉避難所として扱った場合、全国から応援職員を受け入れた際の人件費を公費で負担できる仕組みが示されています。応援職員の派遣調整は、全国社会福祉協議会が運営する全国災害福祉支援センターが窓口を担っています。
災害時には、自施設の職員だけで支援を続けることが難しくなる場合があります。BCPを考える際には、施設内の人員配置だけでなく、外部からの応援をどう受け入れるかという「受援」の視点も持っておきたいところです。
出典:厚生労働省・こども家庭庁通知をもとにした福祉新聞編集部記事/福祉新聞
元記事URL:https://fukushishimbun.com/fukushiippan/45884
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週は、介護給付費分科会で再び取り上げられたLIFEに注目しました。
LIFEへのデータ提出は、すでに多くの事業所で日常業務になっています。現場にとって気になるのは、入力したデータが利用者のケアにどこまで返ってきているかです。
利用者の状態を数字で捉え、前回との変化を確認し、ケアの見直しに使う。ここまでつながれば、LIFEを使う意味は現場にも見えてきます。逆に、入力と提出に追われ、フィードバックを見る時間もないようでは、職員には「また一つ事務作業が増えた」と映ってしまいます。
科学的介護を現場に根づかせるには、データを集める仕組みと、そのデータをケアに使う仕組みの両方が必要です。
2027年度改定では、提出項目や算定要件だけでなく、現場がフィードバックをどう使えているのかにも目を向けてほしいと思います。LIFEが「提出するための仕組み」から、利用者の支援を考える材料として使われる仕組みへ進むのか。これからの議論を見ていきます。
この記事について
本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事URLからご確認ください。
編集・解説:梅沢佳裕(ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰)
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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