10月17日から23日は、2027年度の介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定に向け、居宅介護支援と生活介護の見直し案が示されました。介護現場の事故報告様式の案や、特別養護老人ホーム、障害福祉事業所の経営調査も公表されています。今週の動きを、検討中の内容と公表済みの調査結果を区別しながら紹介します。
【★注目】居宅介護支援の管理者要件 主任ケアマネジャー必須の見直しを提案
発信日:2026.10.19
要旨
厚生労働省は10月19日の介護給付費分科会で、居宅介護支援事業所の管理者要件の見直しを提案しました。資料6の32ページでは、管理者に主任介護支援専門員であることを求めず、介護支援専門員で5年の実務経験等を有する人とする案を示しています。「実務経験等」の具体的な範囲や経験年数の数え方は、この資料では示されていません。現在の管理者要件が変更されたわけではありません。今後の審議と正式な基準改正を確認する必要があります。
出典:厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会」資料6・32ページ/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76626.html
【★注目】ケアマネジャーの研修未受講に減算案 資格更新制の廃止後を議論
発信日:2026.10.19
要旨
同分科会の資料6・45ページでは、正当な理由なく定期的な研修を受講していないケアマネジャーを配置した場合に、報酬を減算する案が示されました。研修を受講した人の配置や、管理者による受講勧奨も提案されています。資格更新制の廃止は法律上決まっていますが、施行後も定期的な研修の受講は求められます。事業者が受講時間の確保や受講状況の確認を行うことも改正法に盛り込まれました。減算の具体的な扱いは、今後の議論で決まります。
出典:厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会」資料6・45ページ/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49656/
【★注目】回答した特養の55.8%が赤字 全国老施協が2025年度決算の速報値を公表
発信日:2026.10.23
要旨
全国老人福祉施設協議会は10月23日、2025年度の「収支状況等調査」の速報値を公表しました。回答した特別養護老人ホーム1,582施設のうち、補助金を除いた収支で赤字だった施設は55.8%。平均収支差率はマイナス0.8%でした。全国の特養すべてを調べた数字ではありません。同協議会は人件費や事業費などの増加を指摘しています。これに先立つ10月8日には、厚労省へ提出した要望書で2027年度介護報酬改定での基本報酬引き上げを求めていました。
出典:全国老人福祉施設協議会「令和7年度収支状況等調査結果(速報)」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000047239.html
介護予防支援に入退院時などの連携加算を設ける案
発信日:2026.10.20
要旨
10月19日の介護給付費分科会で示された資料を受け、介護ニュースJointが20日に報じました。厚労省は、居宅介護支援にある入院時情報連携加算、退院・退所加算、通院時情報連携加算、緊急時等居宅カンファレンス加算を、介護予防支援にも設ける案を示しました。同一建物減算を設けることも提案しています。資料は介護予防支援の報酬に関する提案で、総合事業の介護予防ケアマネジメントへの適用を示したものではありません。対象範囲や算定要件は今後の議論で確認が必要です。
出典:厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会」資料6・32ページ/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49700/
生活介護の延長支援加算 学校卒業後の夕方の居場所を論点に
発信日:2026.10.22
要旨
厚労省は10月22日の第66回障害福祉報酬改定検討チームで、特別支援学校等の卒業後、夕方以降の居場所を必要とする人や家族への支援を取り上げました。資料の63ページでは、生活介護の延長支援加算を拡充し、強度行動障害の状態にある人や医療的ケアを必要とする人への支援も評価する方向が示されています。生活介護と日中一時支援事業所等が連携する場合の評価や、生涯学習の実施を努力義務とする案も論点です。いずれも検討段階で、現行の算定要件は変わっていません。
出典:厚生労働省「第66回障害福祉報酬改定検討チーム」資料・63ページ
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76886.html
生活介護の基本報酬 定員91人以上の新区分を検討

発信日:2026.10.22
要旨
同じ検討チームでは、生活介護の基本報酬における利用定員の区分も議論されました。現行では定員81人以上が同じ区分です。厚労省資料の44ページは、利用者の意思決定支援や個別支援の充実、事業規模に応じた費用構造などを踏まえ、91人以上の新区分を設けることなどを検討の方向性として示しています。新しい区分を設けるかどうかや、その単位数はまだ決まっていません。該当する事業所にとっては、定員規模に応じた評価がどう具体化するかが今後の確認点になります。
出典:厚生労働省「第66回障害福祉報酬改定検討チーム」資料・44ページ
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76886.html
回答した障害福祉事業所の54.8%が6月単月で赤字 関係8団体が調査
発信日:2026.10.19
要旨
障害福祉関係8団体は10月19日、賃上げと事業所の経営状況に関する共同調査を公表しました。調査全体の回答数は1,731事業所。2026年6月単月の収支については、赤字との回答が54.8%でした。正社員1人当たりの2026年度の賃上げ額は平均月額1万3,433円と報告しています。8団体は全産業との賃金格差や、入所施設の食費・光熱水費の負担を挙げ、処遇改善の拡充と物価高騰への支援を要望しました。赤字割合は年間決算や全国の全事業所を示すものではありません。
出典:全国社会就労センター協議会など障害福祉関係8団体「障害福祉分野の幅広い職種の賃上げ及び障害福祉事業所の経営状況等調査」
元記事URL:https://selp.or.jp/news/366
介護現場の事故報告様式を見直しへ 2027年4月頃の新システム稼働を予定
発信日:2026.10.21
要旨
厚労省は「介護保険最新情報Vol.1548」で、介護現場の事故報告様式の見直し案を周知しました。案には、事故前の利用者の状態、事故の発生状況、原因分析、再発防止策を記載する欄が設けられ、熱中症や溺水、所在不明なども事故種別の選択肢に入っています。事故情報を一元的に集める「介護現場における事故情報報告システム」は、2027年4月頃の稼働予定です。通知は様式の内容がなお調整中であると明記しています。現時点で新様式による報告が一律に始まったわけではありません。
出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1548」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001761586.pdf
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、居宅介護支援の管理者要件の見直し案です。主任介護支援専門員を確保できず、管理者の後任に悩む事業所にとって、要件の変更は運営に直結します。その際に見ておきたいのは、主任介護支援専門員が担う人材育成や地域の関係機関との連携です。管理業務とこうした役割をどう分担するかによって、見直しの意味も変わってきます。
同じ日の資料では、ケアマネジャーの研修未受講に対する減算も提案されました。専門性を保つための研修は必要です。その時間を勤務の中でどう確保し、受講中の担当業務を誰が引き受けるのか。減算の条件と併せて、学び続けられる職場の条件まで議論されるか、私は見ていきたいと思います。
この記事について
本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事をご確認ください。
編集・解説:梅沢佳裕
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報サイト「介護キャンパス」主宰
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
関連リンク
介護キャンパスのトップページはこちら
【週刊】介護・福祉Newsダイジェストの一覧はこちら