2027年1月31日(日)に実施される第39回介護福祉士国家試験まで、残り約3か月半となりました。
秋は、これまで学習した知識の定着度を確認し、苦手分野を整理しておきたい時期です。
介護福祉士国家試験では、専門用語や制度の基本を正しく理解し、問題文の内容を判断する力が求められます。特に、「すべて」「常に」「必要はない」といった表現が含まれる選択肢では、制度上の条件や介護の基本的な考え方を正確に理解しているかが重要になります。
今回は、介護福祉士国家試験のA・B・Cパートを横断した、介護キャンパス独自のオリジナル一問一答15問を用意しました。
介護の基本、社会の理解、生活支援技術、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア、介護過程などから、秋の基礎固めに役立つ重要事項を取り上げています。
15問すべてを無料で公開し、各問題にはPoint解説・用語チェック・暗記ポイントを用意しています。
まずは解答を見ずに15問に挑戦し、現在の理解度と復習が必要な分野を確認してみましょう。
この記事を読むと
- A・B・Cパートの基礎知識を15問で確認できます。
- 正解した問題と、復習が必要な問題を整理できます。
- 間違えやすい表現と正しい判断のポイントが分かります。
- Point解説、用語チェック、暗記ポイントで知識を整理できます。
この一問一答の使い方
前半に掲載した15問を、解答を見ずに解いてください。その後、解答一覧で答え合わせを行います。後半には、15問すべてのPoint解説、用語チェック、暗記ポイントを掲載しています。
正解した問題でも、理由を説明できなかった場合は復習しておきましょう。
今回の学習目標は、15問中12問以上の正解です。
※12問以上という目標は、介護キャンパスが設定した学習上の目安です。介護福祉士国家試験の合格基準を示すものではありません。
なお、実際の第39回介護福祉士国家試験は、五肢択一を基本とする多肢選択形式で実施されます。本記事は、基礎知識を短時間で確認できるように作成した独自の○×問題です。
【問題編】秋の基礎定着チェック15問
Aパート|介護の基本・社会の理解・生活支援技術
Aパートは、「人間と社会」「介護」の2領域に関係する科目で構成されています。
今回は、尊厳の保持、介護保険制度、情報共有、移乗介助、感染予防について確認します。
問題1
利用者が介護の方法について迷っている場合、介護福祉職は専門知識をもっているため、本人への説明を省いて支援方法を決定してよい。
○か×か。
問題2
介護保険制度の第2号被保険者は、40歳以上65歳未満であれば、医療保険への加入状況にかかわらず全員が該当する。
○か×か。
問題3
利用者から聞いた内容を他の職員へ伝える際は、支援に必要な情報を整理し、事実と職員の推測を区別することが大切である。
○か×か。
問題4
車いすへの移乗介助では、利用者の身体状況を確認し、車いすのブレーキや足台の状態などを点検することが重要である。
○か×か。
問題5
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、感染症と診断された利用者に対してのみ実施するものである。
○か×か。
Bパート|こころとからだ・認知症・障害・医療的ケア
Bパートでは、こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケアが問われます。
今回は、脱水、睡眠、せん妄、認知症の人への支援、合理的配慮、嚥下、喀痰吸引等に関する7問です。
問題6
高齢者が「のどは渇いていない」と話している場合、脱水の可能性は低いため、飲水量や尿量を確認する必要はない。
○か×か。
問題7
加齢に伴って睡眠の状態が変化することがあるため、高齢者の睡眠を評価する際には、睡眠時間だけでなく、日中の活動や眠気も確認する。
○か×か。
問題8
入院後に急に注意力が低下し、意識状態や言動に変動がみられる高齢者は、認知症が進行したと判断し、せん妄の可能性を考える必要はない。
○か×か。
問題9
認知症の人への支援では、本人が理解しやすい説明方法を工夫し、意思を表明できる機会を確保することが大切である。
○か×か。
問題10
合理的配慮では、同じ障害名の人には同じ対応を行えばよく、本人ごとの困りごとを確認する必要はない。
○か×か。
問題11
食事中にむせが繰り返しみられる場合、飲み込みの状態を確認し、必要に応じて看護職などへ報告することが大切である。
○か×か。
問題12
喀痰吸引等の実施に必要な研修を修了した介護職員は、利用者から依頼されれば、医師の指示を確認せずに吸引を実施してよい。
○か×か。
Cパート|介護過程・総合問題
Cパートでは、介護過程と総合問題が出題されます。
介護過程では、生活課題の把握から計画立案、実施、評価までの流れを理解することが重要です。総合問題では、複数領域の知識を組み合わせ、事例に基づいて判断する力が求められます。
問題13
介護過程のアセスメントでは、利用者ができないことだけでなく、本人の希望や強み、生活環境なども確認する。
○か×か。
問題14
脳梗塞後に右片麻痺がある利用者A様は、更衣に時間がかかるものの、「できる部分は自分で行いたい」と希望している。介護福祉職は、介助時間の短縮を優先し、本人の動作能力を確認せずに全介助を基本とした介護計画を立てる。
○か×か。
問題15
介護計画を実施した後、目標の達成状況や利用者の状態を評価し、必要に応じて再アセスメントを行う。
○か×か。
【解答一覧】15問の答え合わせ
15問を解き終えたら、正解を確認してみましょう。
第1問:× 第2問:× 第3問:○
第4問:○ 第5問:× 第6問:×
第7問:○ 第8問:× 第9問:○
第10問:× 第11問:○ 第12問:×
第13問:○ 第14問:× 第15問:○
正解数:15問中__問
正解数を確認したら
12〜15問正解
今回扱った基礎知識は、おおむね確認できています。間違えた問題や判断に迷った問題を復習しましょう。
8〜11問正解
理解できている分野と、知識が曖昧な分野が混在している可能性があります。間違えた問題を中心に用語を確認しましょう。
0〜7問正解
まずはPoint解説と用語チェックを読み、基本的な考え方を整理しましょう。理解できたところから、もう一度15問に取り組んでみてください。
※この区分は本記事内の復習の目安です。国家試験の合否を判定するものではありません。
【解答・解説編】15問のPoint解説と重要用語
ここからは、15問それぞれの正解と解説を確認します。
解答編にも設問文を掲載しています。間違えた問題だけでなく、正解の理由を説明できなかった問題も復習しましょう。
問題1|正解:×
設問
利用者が介護の方法について迷っている場合、介護福祉職は専門知識をもっているため、本人への説明を省いて支援方法を決定してよい。
Point解説
介護福祉職は、専門的な知識や技術を活かして利用者を支援します。しかし、専門職であることを理由に、本人への説明や意思確認を省くことは適切ではありません。
利用者が支援方法を選ぶ際には、どのような方法があるのか、それぞれにどのような利点や注意点があるのかを、理解しやすい言葉で説明します。そのうえで、本人の希望や不安を確認します。
たとえば、入浴方法について本人が迷っている場合、身体の状態や安全面を考慮しながら、利用できる方法を説明します。
本人が選びやすいように情報を整理し、必要に応じて説明方法や環境を工夫することも大切です。
試験では、「専門職だから本人への説明は不要」「職員の判断を常に優先する」といった表現に注意しましょう。
用語チェック
自己決定
本人が自分の生活や支援について選択し、決定することです。
意思決定支援
本人が自ら意思を形成し、表明し、実現できるように支えることです。
説明と同意
支援内容について本人が理解できるように説明し、その意思を確認することです。
暗記ポイント
介護福祉職は、本人が納得して選択できるよう、説明と意思確認を行います。
問題2|正解:×
設問
介護保険制度の第2号被保険者は、40歳以上65歳未満であれば、医療保険への加入状況にかかわらず全員が該当する。
Point解説
介護保険制度の第2号被保険者は、原則として、市町村および特別区の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。
問題文では、年齢だけを条件としている点が誤りです。
第2号被保険者に該当するには、40歳以上65歳未満という年齢の条件に加えて、医療保険への加入が必要です。
さらに、第2号被保険者が介護保険の要介護・要支援認定を受ける際には、要介護状態または要支援状態の原因が、加齢に伴う疾病として定められた特定疾病によるものであることが必要です。
第1号被保険者と第2号被保険者の違いも整理しておきましょう。
- 第1号被保険者:65歳以上
- 第2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者
試験では、年齢、医療保険への加入、特定疾病の3点を区別して理解しましょう。
用語チェック
第1号被保険者
原則として、市町村および特別区の区域内に住所を有する65歳以上の人です。
第2号被保険者
原則として、市町村および特別区の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。
特定疾病
第2号被保険者の要介護・要支援認定に関係する、加齢に伴う16種類の疾病です。
暗記ポイント
第2号被保険者は「40歳以上65歳未満+医療保険加入」が基本条件です。
問題3|正解:○
設問
利用者から聞いた内容を他の職員へ伝える際は、支援に必要な情報を整理し、事実と職員の推測を区別することが大切である。
Point解説
介護現場では、利用者の発言や生活状況を職員間で共有する機会があります。
その際、実際に確認した事実と、職員が推測した内容を区別することが大切です。
たとえば、利用者が「今日は食べたくない」と話した場合、その発言があったことは事実として記録できます。ただし、食べたくない理由については、追加の確認が必要です。
本人が食欲不振を感じているのか、不安があるのか、身体に不調があるのかなどを確認せずに、「職員への不満があるため食べない」と記録すると、根拠が不十分な推測を事実として扱うことになります。
情報共有では、観察した事実、本人の訴え、職員の判断を整理して伝えます。
なお、本人が感じている痛みや不安などは主観的情報ですが、支援に必要な重要情報です。主観的情報だから記録しなくてよいという意味ではありません。
用語チェック
報告
業務の経過や結果、利用者の状態の変化などを、必要な相手に伝えることです。
客観的情報
観察や測定によって確認できる情報です。食事摂取量、体温、歩行時の様子などが該当します。
主観的情報
本人が感じている痛み、不安、希望などの情報です。「今日は食べたくない」「足が痛い」といった本人の訴えが該当します。
暗記ポイント
情報共有では、事実・本人の訴え・職員の推測を区別して伝えます。
問題4|正解:○
設問
車いすへの移乗介助では、利用者の身体状況を確認し、車いすのブレーキや足台の状態などを点検することが重要である。
Point解説
移乗介助では、利用者と介護福祉職の双方の安全を守る必要があります。
車いすのブレーキがかかっていない状態で移乗すると、車いすが動き、転倒につながるおそれがあります。
また、足台が移乗の妨げになっていると、足を引っかける危険があります。
移乗前には、車いすの位置や安定性、ブレーキ、足台、周囲の障害物などを確認します。
同時に、利用者の立位保持能力、麻痺の有無、痛み、理解力、疲労の程度などを把握します。
利用者の身体状況によっては、移乗用リフトなどの福祉用具の活用や複数職員での対応が必要です。
試験では、介助動作だけでなく、介助前の準備、安全確認、福祉用具の活用にも目を向けましょう。
用語チェック
移乗
ベッドから車いす、車いすから便座など、身体を別の場所へ移す動作です。
立位保持
立った姿勢を維持する能力です。
福祉用具
日常生活の自立を支えたり、介護負担を軽減したりするための用具です。
暗記ポイント
移乗介助では、本人の身体状況と車いす・周囲の環境を確認してから実施します。
問題5|正解:×
設問
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、感染症と診断された利用者に対してのみ実施するものである。
Point解説
標準予防策は、感染症の診断の有無にかかわらず、すべての利用者に適用する感染予防の基本的な考え方です。
血液、一定の体液、排泄物、粘膜、傷のある皮膚などは、感染の可能性があるものとして取り扱います。
たとえば、排泄介助や血液・体液に触れる可能性がある介助では、場面に応じて手袋やエプロンなどの個人防護具を使用します。
ただし、手袋を使用すれば手指衛生が不要になるわけではありません。手袋を外した後など、必要な場面では手指衛生を行います。
また、感染症の種類や感染経路によっては、標準予防策に加えて、接触予防策や飛沫予防策などが必要になる場合があります。
試験では、「感染症と診断された人だけ」「手袋を使用すれば手洗いは不要」といった表現に注意しましょう。
用語チェック
標準予防策
感染症の診断の有無にかかわらず、すべての利用者に適用する基本的な感染予防策です。
手指衛生
手洗いや手指消毒によって、手を介した感染の広がりを防ぐことです。
個人防護具(PPE)
手袋、マスク、エプロン、ガウン、アイプロテクションなど、感染への曝露を防ぐための用具です。
暗記ポイント
標準予防策は、感染症の診断の有無にかかわらず、すべての利用者に適用します。
問題6|正解:×
設問
高齢者が「のどは渇いていない」と話している場合、脱水の可能性は低いため、飲水量や尿量を確認する必要はない。
Point解説
高齢者では、加齢に伴って口渇感が弱くなることがあります。そのため、本人がのどの渇きを訴えていなくても、脱水が生じている可能性があります。
脱水を考える際には、飲水量、食事量、尿量、発汗、発熱、下痢、嘔吐などを確認します。
また、普段と比べて元気がない、反応が鈍い、意識状態に変化があるといった様子も、重要な観察情報です。
ただし、口腔内の乾燥など、特定の症状だけで脱水と断定することもできません。
介護福祉職は、利用者の普段の状態を把握し、変化がみられた場合には看護職等へ報告します。
なお、心不全や腎疾患などにより水分摂取量の調整が必要な人については、個別の指示に従う必要があります。
用語チェック
脱水
身体に必要な水分が不足している状態です。
口渇感
のどが渇いたと感じる感覚です。
水分出納
身体に入る水分量と、尿や汗などとして排出される水分量の関係です。
暗記ポイント
高齢者は口渇感が弱くなることがあり、のどの渇きの訴えだけで脱水の有無を判断できません。
問題7|正解:○
設問
加齢に伴って睡眠の状態が変化することがあるため、高齢者の睡眠を評価する際には、睡眠時間だけでなく、日中の活動や眠気も確認する。
Point解説
高齢になると、睡眠が浅くなる、夜間に目が覚めやすくなる、朝早く目覚めるなど、睡眠の状態に変化が生じることがあります。
ただし、年齢だけで睡眠の問題を判断することは適切ではありません。
睡眠時間だけでなく、日中の眠気、活動量、昼寝、排尿状況、痛み、服薬状況、生活環境などを確認します。
たとえば、夜間に何度も目が覚める場合には、夜間頻尿、痛み、不安、室内環境などが関係している可能性があります。
昼間に長時間眠っている場合も、夜間の睡眠だけを確認するのでは、生活リズム全体を把握することが難しくなります。
用語チェック
睡眠の質
眠りの深さ、中途覚醒、目覚めたときの休養感など、睡眠の状態を表すものです。
中途覚醒
眠りについた後、夜間に目が覚めることです。
生活リズム
睡眠、食事、活動など、一日の生活の周期です。
暗記ポイント
高齢者の睡眠は、夜間の様子と日中の生活を合わせて確認します。
問題8|正解:×
設問
入院後に急に注意力が低下し、意識状態や言動に変動がみられる高齢者は、認知症が進行したと判断し、せん妄の可能性を考える必要はない。
Point解説
せん妄は、注意力や意識状態などに急な変化が生じ、症状が時間帯によって変動することのある状態です。
高齢者では、感染症、脱水、薬剤の影響、手術、入院による環境変化などが誘因になることがあります。
せん妄の症状は、認知症の症状と似て見える場合があります。しかし、急に状態が変わった場合には、せん妄や身体疾患などの可能性を考える必要があります。
たとえば、それまで会話が成立していた利用者が、急に話のつじつまが合わなくなったり、落ち着かなくなったりした場合です。
また、興奮するだけでなく、反応が鈍くなったり、活動性が低下したりするタイプのせん妄もあります。
介護福祉職は、いつから変化が起きたのか、普段の状態とどう違うのかを確認し、速やかに看護職や医師へ報告します。
用語チェック
せん妄
急性に生じる注意や意識の障害などを特徴とし、症状が変動することのある状態です。
認知症
認知機能の障害によって、日常生活や社会生活に支障が生じている状態です。
急性の変化
比較的短い時間で心身の状態が変わることです。原因の確認が重要になります。
暗記ポイント
急な注意力・意識状態の変化では、認知症の進行と決めつけず、せん妄や身体疾患の可能性を考えます。
問題9|正解:○
設問
認知症の人への支援では、本人が理解しやすい説明方法を工夫し、意思を表明できる機会を確保することが大切である。
Point解説
認知症の人は、記憶や理解、判断などの認知機能に変化が生じることがあります。
しかし、認知症であることを理由に、本人の意思や希望を確認する機会を省いてよいわけではありません。
支援では、落ち着いた環境を整える、短く分かりやすい言葉で説明する、選択肢を分かりやすく示す、本人が答える時間を確保するなどの工夫を行います。
また、言葉での表現が難しい場合には、表情や動作、これまでの生活歴なども手がかりになります。
厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)」でも、本人の意思を尊重することが基本とされています。
本人が自分で考え、希望を伝え、可能な限りその意思を生活に反映できるように支援します。
用語チェック
意思決定支援
本人が自ら意思を形成し、表明し、実現できるように支えることです。
意思表明
本人が自分の希望や考えを、言葉や行動などで示すことです。
生活歴
本人がこれまで経験してきた生活や習慣、仕事、家族、価値観などの情報です。
暗記ポイント
認知症の人への支援では、本人が理解・選択・意思表明しやすい方法を工夫します。
問題10|正解:×
設問
合理的配慮では、同じ障害名の人には同じ対応を行えばよく、本人ごとの困りごとを確認する必要はない。
Point解説
合理的配慮は、障害のある人が直面する社会的障壁を取り除くため、個別の状況に応じて必要かつ合理的な対応を行うことです。
同じ障害名であっても、困りごとや必要な配慮は一人ひとり異なります。
たとえば、同じ聴覚障害のある人でも、筆談を希望する人、手話を使う人、文字表示を利用する人など、適切なコミュニケーション方法は異なります。
合理的配慮を検討する際には、本人の意向や困りごとを確認し、双方の建設的対話を通じて、実施可能な方法を考えます。
また、本人が希望した方法を、どのような状況でも必ずそのまま実施するという意味ではありません。具体的な状況や過重な負担などを考慮し、代替方法も検討します。
2024年4月1日からは、障害者差別解消法に基づき、事業者による合理的配慮の提供も義務となっています。
用語チェック
合理的配慮
障害のある人が直面する社会的障壁を取り除くため、個別の状況に応じて行う必要かつ合理的な対応です。
社会的障壁
障害のある人の生活や社会参加を妨げる制度、慣行、環境、情報などです。
建設的対話
本人と事業者などが、互いの状況や意向を確認し、必要な対応を一緒に検討することです。
暗記ポイント
合理的配慮は、障害名だけで一律に決めず、本人の困りごとと具体的な状況に応じて検討します。
問題11|正解:○
設問
食事中にむせが繰り返しみられる場合、飲み込みの状態を確認し、必要に応じて看護職などへ報告することが大切である。
Point解説
食事中のむせは、飲み込みの状態を確認するための重要な観察情報です。
食べ物や飲み物が気道に入りそうになった際、せきによって排出しようとすることがあります。
ただし、むせがあるからといって、必ず誤嚥が起きているとは限りません。
一方、誤嚥していても、はっきりしたむせがみられない場合があります。これは不顕性誤嚥と呼ばれます。
介護福祉職は、食事中の姿勢、一口量、食べる速さ、食事形態、口腔内の状態、疲労の様子などを観察します。
むせが続く、呼吸の様子が変わる、食事量が減るといった場合には、看護職等に報告します。
必要に応じて、医師や言語聴覚士などの専門職による評価を受け、食事形態や介助方法の見直しにつなげます。
用語チェック
嚥下
食べ物や飲み物を口から咽頭、食道を通して胃へ送り込むことです。
誤嚥
食べ物、飲み物、唾液などが誤って気道に入ることです。
不顕性誤嚥
明らかなむせやせきがみられないまま、誤嚥が生じることです。
暗記ポイント
むせは嚥下状態を確認する手がかりですが、むせの有無だけで誤嚥を判断することはできません。
問題12|正解:×
設問
喀痰吸引等の実施に必要な研修を修了した介護職員は、利用者から依頼されれば、医師の指示を確認せずに吸引を実施してよい。
Point解説
喀痰吸引等は、一定の条件のもとで介護福祉士や所定の認定を受けた介護職員等が実施できる医療的ケアです。
しかし、資格や研修の修了だけで自由に実施できるわけではありません。
喀痰吸引等を業務として実施するためには、医師の文書による指示、実施可能な行為の範囲、事業所の登録、医療職との連携、安全管理体制など、法令に基づく条件があります。
また、利用者ごとの計画や手順に従い、実施前後の状態を確認することも必要です。
たとえば、利用者から吸引を頼まれた場合でも、実施者自身が行える行為か、医師の指示や実施計画があるか、利用者の状態に変化がないかなどを確認します。
急な呼吸状態の悪化などがある場合には、定められた緊急時の対応に従い、看護職等に速やかに連絡します。
試験では、「研修を修了していれば自由に実施できる」「本人の希望があれば医師の指示は不要」といった表現に注意しましょう。
用語チェック
喀痰吸引
気道内などにあるたんを吸引して除去する行為です。
医師の指示
喀痰吸引等を業務として実施する際に必要となる医師の指示です。制度上、文書による指示が求められます。
登録事業者
喀痰吸引等の業務を行うために、法令に基づく登録を受けた事業者です。
暗記ポイント
喀痰吸引等は、資格・研修に加え、医師の指示、事業所の体制、医療職との連携が必要です。
問題13|正解:○
設問
介護過程のアセスメントでは、利用者ができないことだけでなく、本人の希望や強み、生活環境なども確認する。
Point解説
アセスメントは、利用者の生活課題や必要な支援を明らかにするための過程です。
その際、身体機能の低下や日常生活上の困難だけを確認するのでは、利用者の生活全体を十分に理解できません。
本人ができること、得意なこと、続けたい習慣、生活上の希望、家族や地域とのつながり、住環境なども重要な情報です。
たとえば、調理が難しくなった利用者について、単に「調理できない」と判断するだけでは、適切な支援につながりません。
包丁は使えるのか、加熱操作が難しいのか、買い物には行けるのか、どのような食生活を希望しているのかを確認します。
情報を整理・分析することで、本人の力を活かした支援方法を検討できます。
用語チェック
アセスメント
収集した情報を整理・分析し、利用者の生活課題や支援の必要性を明らかにすることです。
ストレングス
本人の強みや能力、意欲、利用できる社会資源など、生活を支える力です。
生活課題
本人が望む生活を送るうえで、解決や支援が必要となる事柄です。
暗記ポイント
アセスメントでは、困りごとだけでなく、本人の希望・強み・生活環境を確認します。
問題14|正解:×
設問
脳梗塞後に右片麻痺がある利用者A様は、更衣に時間がかかるものの、「できる部分は自分で行いたい」と希望している。介護福祉職は、介助時間の短縮を優先し、本人の動作能力を確認せずに全介助を基本とした介護計画を立てる。
Point解説
介護計画の目標は、アセスメントで把握した生活課題や利用者本人の希望を踏まえて設定します。
今回の事例では、利用者A様に右片麻痺があり、更衣に時間がかかっています。
しかし、A様は「できる部分は自分で行いたい」と希望しています。
介護福祉職は、右片麻痺による動作の難しさと本人の希望を確認し、どの部分を自分で行えるのか、どの部分に介助が必要なのかを整理します。
たとえば、衣服の着脱に必要な動作、座位保持、手の動き、疲労や痛みの有無などを確認します。
そのうえで、安全面を考慮し、必要に応じて看護職やリハビリ職と情報共有しながら支援方法を検討します。
介護現場では、限られた時間の中で支援を行う必要があります。しかし、職員の業務効率を優先し、本人の力を確認せずに全介助とする対応は、自立支援の考え方に合いません。
本人の希望を尊重し、できる動作を活かした具体的な介護目標を設定することが大切です。
用語チェック
片麻痺
身体の左右どちらか一方に麻痺が生じている状態です。脳血管疾患などによって起こることがあります。
介護目標
利用者が望む生活や生活課題の改善に向けて設定する目標です。
協働
本人と支援者が、それぞれの立場を尊重しながら一緒に取り組むことです。
暗記ポイント
介護目標は、職員の都合よりも、本人の希望と生活課題を基に設定します。
問題15|正解:○
設問
介護計画を実施した後、目標の達成状況や利用者の状態を評価し、必要に応じて再アセスメントを行う。
Point解説
介護過程は、介護計画を作成して終わるものではありません。
計画を実施した後は、目標に近づいているか、利用者の状態や希望に変化がないか、支援方法は適切かを確認します。
たとえば、歩行距離を伸ばすことを目標としていた利用者について、実施後に痛みや疲労が増している場合には、当初の支援方法が適切だったかを検討する必要があります。
反対に、本人の能力が向上し、目標を達成した場合には、新たな生活目標を検討することもあります。
このように、評価結果を踏まえて再アセスメントを行い、必要に応じて計画を見直します。
介護過程は、アセスメント→計画立案→実施→評価という流れを基本として展開します。
用語チェック
評価
介護計画の実施結果を確認し、目標の達成状況や支援の適切さを検討することです。
再アセスメント
利用者の状態や生活状況の変化などを踏まえ、改めて情報を整理・分析することです。
介護過程
アセスメント、計画立案、実施、評価を通じて、根拠に基づく介護を展開する過程です。
暗記ポイント
介護過程は、実施後の評価を踏まえ、必要に応じて再アセスメントと計画修正を行います。
今日のミニ解説・暗記ポイント
今回の15問では、A・B・Cパートを横断し、介護福祉士国家試験の基礎知識を確認しました。
秋の学習では、用語の意味を覚えることに加えて、問題文のどの部分が正しく、どの部分が誤っているのかを説明できるようにしておきましょう。
今日確認した重要用語
【Aパート】
自己決定/意思決定支援/説明と同意
第1号被保険者/第2号被保険者/特定疾病
客観的情報/主観的情報/報告
移乗/立位保持/福祉用具
標準予防策/手指衛生/個人防護具
【Bパート】
脱水/口渇感/水分出納
睡眠の質/中途覚醒/生活リズム
せん妄/認知症/急性の変化
意思決定支援/意思表明/生活歴
合理的配慮/社会的障壁/建設的対話
嚥下/誤嚥/不顕性誤嚥
喀痰吸引/医師の指示/登録事業者
【Cパート】
アセスメント/ストレングス/生活課題
片麻痺/介護目標/協働
評価/再アセスメント/介護過程
秋の学習で確認したい3つのポイント
1.制度や専門用語は、条件まで正確に覚える
介護保険の被保険者や喀痰吸引等の実施条件などは、重要な条件を一つ見落とすだけで正誤が変わります。
「誰が」「どのような条件で」「何を行うのか」を整理して覚えましょう。
2.心身の変化は、普段の状態との違いを確認する
脱水、せん妄、嚥下の問題では、症状の名称だけを覚えることに加え、どのような変化を観察し、必要な報告や対応につなげるのかを理解しましょう。
3.介護過程は、本人の希望と生活課題を中心に考える
アセスメント、計画立案、実施、評価のつながりを確認します。
特に、本人の希望や強みを把握し、根拠に基づいて支援を考える視点を大切にしましょう。
試験まで約3か月半|これからの学習の進め方
第39回介護福祉士国家試験は、2027年1月31日(日)に実施されます。
今の時期は、基本用語の整理と過去問演習を並行して進めたいところです。
一度に長時間学習することが難しい方も、短時間の問題演習と復習を続けることで、知識を定着させやすくなります。
一日10問以上を目安に実践問題を解き、間違えた問題の解説を確認する学習方法もおすすめです。
正解した問題でも、理由を説明できなかった場合は復習の対象にしましょう。
今回の15問で間違えた問題や迷った問題には印をつけ、翌日以降にもう一度解き直してみてください。
秋のうちに苦手な分野を確認し、一つずつ理解を深めていきましょう。
参考資料
本記事は、以下の公的資料を参考に、介護キャンパスが独自に作成しています。
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
厚生労働省
・認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
内閣府
※本記事の15問は、介護福祉士国家試験の出題範囲と公的資料を参考に、介護キャンパスが独自に作成したオリジナル問題です。過去問題や市販問題集の設問・解説を転載したものではありません。
※本記事は基礎学習を目的とした教材です。試験制度や法令の最新情報については、公的機関の発表もご確認ください。
介護キャンパス|関連ページのご案内
介護福祉士国家試験の学習に役立つ関連記事や、介護・福祉の最新情報もご覧いただけます。
■ 【無料版】2027年介護福祉士国家試験 一問一答|基礎固め11問