2026年10月11日、第29回介護支援専門員実務研修受講試験が実施されました。介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問の計60問です。
今回の設問では、介護保険制度や各サービスの基本知識に加え、対象者・担当職種・適用条件を正確に見分ける力が問われました。退院支援や若年性認知症などの事例では、本人の意向と生活状況を踏まえた判断も必要でした。
この記事では、問題文をもとに3つの領域を振り返り、2027年の受験に向けた学習のポイントを整理します。難易度や合格基準点の予想は行いません。
この記事を読むと
- 第29回ケアマネ試験で出題された主なテーマが分かります
- 各分野で、どのような判断が求められたかを確認できます
- 2027年の受験に向けた復習の進め方を整理できます
第29回ケアマネ試験の総評
第29回は、介護保険制度、要介護認定、ケアマネジメント、保健医療、介護サービス、相談援助、関連する社会保障制度まで、幅広く出題されました。
問題を解くうえで目立ったのは、似た制度やサービスを区別する必要がある選択肢です。たとえば、住所地特例の対象施設、地域支援事業の区分、居宅療養管理指導を行う職種、福祉用具の貸与と販売の区分が問われています。
介護支援分野の終盤には、退院支援、要支援者の生活、若年性認知症と就労に関する事例もありました。制度の知識を、本人の希望や健康状態、家族の状況に照らして使えるかが問われています。
以下は、第29回の問題から読み取れる出題内容の分析です。2027年に同じテーマが出題されるという予測ではありません。
介護支援分野|制度の区分とケアマネジメントの手順
介護支援分野の問1~25では、社会保険、被保険者資格、住所地特例、要介護認定、保険給付、地域支援事業などが出題されました。
居宅介護支援に関しては、利用開始時の説明、居宅サービス計画の作成、モニタリング、記録の整備など、業務の流れに沿った知識も問われています。
制度名とあわせて、対象と担当機関を確認する
問1では社会保険と公的扶助、問3では住所地特例の対象施設、問11では包括的支援事業が扱われました。問13では、介護保険審査会への審査請求の対象となる処分を見分ける必要があります。
これらの問題に備えるには、制度ごとに次の点を整理すると効果的です。
- 対象になる人や施設は何か
- 手続きや事業を担う機関はどこか
- 似た制度とは、どの点が異なるか
問2の介護保険給付に関する統計では、「受給者数」と「費用額」を読み分けることも求められました。統計資料を学ぶ際は、数値が何を表しているかを先に確認しましょう。
ケアマネジメントは、手順と判断の根拠を押さえる
問16~20では、居宅介護支援の開始、居宅サービス計画、モニタリング、介護予防サービス計画、施設サービス計画が扱われました。
たとえばモニタリングの問題では、目標の達成状況を確認することに加え、テレビ電話等を用いた面接の条件が問われています。通常の手順と例外的な取扱いを、それぞれの条件まで確認しておく必要があります。
学習するときは、アセスメント、計画作成、サービス担当者会議、サービス提供、モニタリングという流れの中に、各手続きを位置付けてください。
事例問題は、本人の意向から読み始める
問23~25には、骨折後の退院支援、要支援者の食生活と社会参加、若年性認知症と就労継続の事例が出題されました。
退院支援では歩行能力や退院後の暮らしへの希望を確認します。食生活に関する事例では、外出や人付き合いも含めて生活状況を把握します。若年性認知症の事例では、本人が仕事を続けたいという希望が重要な判断材料になります。
事例を読む際は、本人の意向、現在の状態、生活環境、必要な専門職との連携を順に確認すると、選択肢を検討しやすくなります。
保健医療サービスの知識等|健康状態の理解とサービスの役割
問26~45では、高齢者の疾患の特徴、バイタルサイン、検査値、認知症、栄養、感染症、緊急時の対応などが出題されました。
訪問看護、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、介護老人保健施設など、保健医療に関わるサービスの知識も問われています。
医療用語を、生活上の注意点と結び付ける
問28では、ヘモグロビンA1c、便潜血、血清クレアチニンなどの検査値が扱われました。問37では、窒息や頸椎損傷が疑われる場面への対応が問われています。
用語を覚える際には、それが何を示すのかに加え、利用者の生活場面で何に注意するかを確認しましょう。介護支援専門員が医療行為を担うという意味ではありません。健康状態の変化を捉え、必要な情報を医療職と共有するための知識です。
サービスごとの職種と提供内容を区別する
問41~45では、訪問看護、居宅療養管理指導、通所リハビリテーションなどが続きました。問42では、居宅療養管理指導を行うことができる職種が直接問われています。
各サービスについて、利用対象者、提供する職種、主な支援内容を並べて確認すると、名称が似たサービスも区別しやすくなります。
福祉サービスの知識等|相談援助とサービスの適用範囲

問46~60では、面接、ソーシャルワーク、相談援助者の姿勢、地域援助が出題されました。続いて訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、福祉用具などのサービスが扱われ、最後に生活保護、後期高齢者医療制度、生活困窮者自立支援制度が問われています。
相談援助の用語を、場面に置き換えて理解する
ラポール、モニタリング、セルフヘルプグループなどは、意味を確認したうえで、実際にはどのような関わりや活動を指すのか考えてみてください。
また、個人への支援と地域全体への働きかけでは、支援の対象が異なります。問49の地域援助のような問題では、その違いが判断の手がかりになります。
サービスの対象と基準を確認する
問50の訪問介護では、介護保険のサービスとして行える支援の範囲が問われました。問53の短期入所生活介護では人員・設備・運営に関する内容、問54の福祉用具では貸与と販売を選択できる種目が扱われています。
サービスを復習するときは、「何を提供するか」とともに、対象者、職員配置、設備、運営上の基準を確認しましょう。福祉用具の貸与と販売の選択制は、一部の種目を対象として2024年4月に導入されています。
2027年受験に向けて、どう勉強するか
1.最初に3領域の基礎を一通り確認する
介護支援分野だけに学習が偏ると、保健医療福祉サービス分野の準備が不足します。まずは制度、保健医療、福祉サービスを一通り学び、自分が説明できない用語やサービスを洗い出しましょう。
合格基準は介護支援分野と保健医療福祉サービス分野でそれぞれ設定されます。2027年の基準点は、試験後の正式な公表を待つ必要があります。
2.過去問は、選択肢ごとに理由を確かめる
正答番号を覚えるだけでは、問い方が変わった際に迷いやすくなります。
誤った選択肢について、「対象者が違う」「担当職種が違う」「必要な条件が抜けている」など、判断の理由を短く書き残してください。正解した問題でも、根拠が曖昧なまま選んだ場合は復習の対象です。
基礎学習と並行して実践問題を毎日10問以上解き、解答後の復習まで行うと、理解が不足している分野を継続的に確認できます。
3.事例問題では、支援を決める前の情報を整理する
事例を読んだら、本人が望む生活、健康状態、できていること、家族や住環境の状況を確認します。そのうえで、どの専門職と連携し、何を確かめる必要があるか考えます。
第29回の退院支援や若年性認知症の事例も、この順番で読み直すと、各選択肢の判断理由を整理できます。
まとめ|第29回試験を、次の学習につなげる
第29回では、制度の区分、ケアマネジメントの手順、健康状態の理解、各サービスの範囲が幅広く問われました。事例問題では、本人の意向と生活状況を踏まえた判断が必要でした。
今回出題されたテーマが、2027年の試験でも同じ形式で出題されるとは限りません。 今回の問題を使って、制度の違いを説明できるか、選択肢ごとに根拠を示せるかを確認してください。
第29回の各問の解答例と簡単な解説は、「2026年ケアマネ試験 解答速報|全60問の予想解答と解説」に掲載しています。
2026年10月25日からは、介護支援分野、保健医療サービスの知識等、福祉サービスの知識等を順に取り上げ、各選択肢の判断を詳しく解説する予定です。各記事の一部を無料で公開し、詳しい解説は有料部分に掲載します。正式な正答の発表前に公開する記事は、介護キャンパスの予想解答に基づきます。
※本記事は、2026年10月11日に実施された第29回試験の問題文に基づく分析です。正式な正答番号と合格基準は、2026年11月24日(火)に公表される予定です。
参照資料
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