介護福祉士国家試験の過去問を解いていると、「知っている内容なのに間違えた」「最後の2つまで絞れたのに、正解を選べなかった」という経験はありませんか。
選択肢には、正しい専門用語を使いながら、対象者や条件の一部分を入れ替えたものがあります。また、一般的には正しい説明でも、設問に示された利用者の状態に合わない場合があります。
こうした問題では、覚えた知識を使って、一つひとつの選択肢を正確に判断することが必要です。
2027年1月31日(日)に実施される第39回介護福祉士国家試験は、125問、五肢択一を基本とする多肢選択形式です。
今回は、試験の出題形式を参考に作成したオリジナルの実践問題20問・全100選択肢を無料公開します。
今回の実践問題の特徴
- 本試験形式の五肢択一問題20問を掲載
- A・B・Cの全パートから幅広く出題
- 正解の選択肢だけでなく、残り4つが誤っている理由も解説
- 5問ずつ区切り、問題を解いた直後に詳しい解説を確認できる
- 専門用語、制度上の要件、介護技術の判断ポイントも整理
単に正解番号を覚えるのではなく、100選択肢それぞれについて「どこが正しいのか」「何が誤っているのか」を確認してください。
出題範囲
Aパート:10問
介護保険、介護の基本、身体拘束等、個人情報、コミュニケーション、生活支援技術、感染対策、介護記録、国際生活機能分類(ICF)
Bパート:7問
認知症、こころとからだのしくみ、医療的ケア、発達と老化、障害の理解、褥瘡予防、薬剤と状態変化
Cパート:3問
介護過程、介護計画の評価・見直し、総合問題
※正解番号の分布や出題内容は、実際の国家試験と同じになるように再現したものではありません。
第1ブロック|実践問題1〜5
問題1【A:社会の理解】介護保険の被保険者
介護保険制度の被保険者と介護保険給付について、正しいものを1つ選びなさい。
① 介護保険の被保険者は、65歳以上の人に限られる。
② 第2号被保険者は、40歳以上65歳未満のすべての住民である。
③ 第2号被保険者は、特定疾病に起因する要介護状態または要支援状態について認定を受けた場合に、介護保険の給付対象となる。
④ 第1号被保険者が介護保険の給付を受けるためには、要介護状態等の原因が特定疾病であることが必要である。
⑤ 介護保険の保険者は、原則として都道府県である。
問題2【A:介護の基本】身体拘束等の取扱い
介護保険施設における身体拘束等の取扱いについて、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 転倒の危険性が高い利用者は、身体拘束等の三つの要件のうち、切迫性だけを満たせば身体拘束を行うことができる。
② 家族の同意を得ている場合は、身体拘束等の緊急やむを得ない理由について記録を省略できる。
③ 施設の職員配置に制約がある場合は、非代替性が認められるため、身体拘束を行うことができる。
④ 緊急やむを得ない場合に該当するか、切迫性・非代替性・一時性の三つの要件を慎重に確認し、必要な手続きと記録を行う。
⑤ 身体拘束等を一時的に実施する場合は、ほかの方法で対応できる可能性があっても、一時性の要件だけで実施を判断できる。
問題3【B:認知症の理解】意思決定支援
認知症のある利用者が、日中の活動について「今日は参加したくない」と話した。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 家族から活動への参加を希望されている場合は、本人の意思を改めて確認せず、家族の希望に沿って参加を促す。
② 本人の気持ちや参加したくない理由を確認し、活動内容など必要な情報を伝えたうえで、本人が選択できるように支援する。
③ 本人が活動を断った場合は、その後の意思確認が負担にならないよう、以後の活動についても本人に尋ねない。
④ 本人が活動を拒否している場合でも、認知機能の維持に役立つと判断されれば、本人の意思にかかわらず参加を決定する。
⑤ 本人が参加を迷っている場合は、家族と介護福祉職の判断を優先し、本人には決定した内容を説明する。
問題4【A:介護の基本】個人情報の取扱い
介護施設における個人情報の取扱いについて、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 利用者の情報は同じ施設で働く職員であれば、業務上の必要性にかかわらず閲覧できるようにする。
② 利用者本人が写っていても、氏名を表示しなければ、本人の同意なく施設の広報用SNSに掲載できる。
③ 家族から利用者の健康状態について問い合わせがあった場合は、家族であることを確認すれば、本人の意向や情報提供の範囲を確認せずにすべて説明できる。
④ 職員間の情報共有に際しては、口頭で伝える内容であれば個人情報の管理上の配慮を要しない。
⑤ 利用者の支援に必要な情報について、本人の意向や個人情報の取扱いに関するルールを踏まえ、必要な職員間で適切に共有する。
問題5【A:コミュニケーション技術】聴覚障害のある利用者への対応
聴覚障害があり、相手の口の動きも手掛かりにしている利用者に、翌日の通院予定を説明する。対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 本人から顔が見える位置で、口元を隠さずに説明し、必要に応じて文字でも示して理解を確認する。
② 本人が口の動きを手掛かりにしている場合は、筆談や文字による確認を併用しない。
③ 聞き返しがあった場合は、同じ言葉を繰り返せば伝わるため、表現を変えたり文字で示したりする必要はない。
④ 通院予定の説明では、本人がうなずいた時点で、日付や時間が伝わったと判断する。
⑤ 聞き取りにくそうな場合は、声の大きさを上げることを優先し、本人が利用しやすい伝達方法の確認は行わない。
第1ブロック|解答・詳しい解説
問題1|正解③
判断の決め手:被保険者の年齢と、保険給付を受けるための条件を区別する。
① 誤り
第1号被保険者は65歳以上です。ただし、介護保険には40歳以上65歳未満の医療保険加入者を対象とする第2号被保険者もあります。
② 誤り
第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。同年齢のすべての住民が該当するわけではありません。
③ 正しい
第2号被保険者が介護保険給付の対象となるためには、特定疾病に起因する要介護状態または要支援状態について認定を受けることが必要です。
④ 誤り
第1号被保険者については、要介護状態等の原因が特定疾病であることは給付要件とされていません。
⑤ 誤り
介護保険の保険者は、市町村および特別区です。都道府県や国も制度に関わりますが、保険者とは区別します。
Point解説
この問題では、「被保険者になる条件」と「介護保険給付を受ける条件」が混同されやすくなっています。
- 第1号被保険者:65歳以上
- 第2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者
- 第2号被保険者の給付要件:特定疾病に起因する要介護・要支援状態
- 保険者:市町村・特別区
年齢だけで判断せず、医療保険への加入や特定疾病の条件も確認しましょう。
問題2|正解④
判断の決め手:身体拘束等の三要件は、いずれか一つではなく、すべてを満たす必要がある。
① 誤り
転倒の危険性が高くても、切迫性だけで身体拘束等を行うことはできません。非代替性・一時性も含めて確認します。
② 誤り
家族への説明や同意の有無によって、記録義務がなくなるわけではありません。
③ 誤り
職員配置の事情だけで非代替性が認められるわけではありません。ほかの支援方法や環境調整など、代替手段を十分に検討する必要があります。
④ 正しい
身体拘束等は原則禁止です。緊急やむを得ない場合に限り、三要件を慎重に確認し、組織的な判断、説明、記録など必要な対応を行います。
⑤ 誤り
一時的な実施であっても、ほかの方法で対応できる場合には非代替性の要件を満たしません。
Point解説
身体拘束等の三要件は、次のとおりです。
- 切迫性:本人または他の利用者等の生命・身体などが危険にさらされる可能性が著しく高い
- 非代替性:身体拘束等に代わる方法がない
- 一時性:行動制限が一時的である
緊急やむを得ない場合に実施するときも、態様・時間、本人の心身の状況、理由などを記録する必要があります。
「家族の同意」「事故予防」「職員不足」という言葉だけで正しいと判断しないことが重要です。
問題3|正解②
判断の決め手:認知症の人の意思決定では、本人の意思形成・意思表明・意思実現を支える。
① 誤り
家族の希望も必要に応じて確認しますが、それだけで本人の意思確認を省略することは適切ではありません。
② 正しい
本人の気持ちや理由を確認し、活動内容や選択肢を分かりやすく伝えながら、本人が選べるよう支援します。
③ 誤り
一度参加しなかったことを理由に、今後も本人への意思確認を省略することは適切ではありません。意思は状況や時間によって変わることがあります。
④ 誤り
活動への参加に利点があっても、本人の意思を無視して参加を決定することは適切ではありません。
⑤ 誤り
本人が迷っている場合は、決定を急がせず、必要な説明や考える時間を確保するなどの支援を行います。
Point解説
認知症の人の意思決定支援では、本人が自らの意思に基づいて生活できるよう、人的・物的環境を整え、意思形成・意思表明・意思実現を支援します。
支援者が必要な情報を伝えることと、本人の意思を代わりに決定することは区別して理解しましょう。
問題4|正解⑤
判断の決め手:利用者の個人情報は、支援上の必要性と適切な管理の両方を踏まえて共有する。
① 誤り
同じ施設で勤務していても、業務上の必要性を問わず、すべての利用者情報を閲覧できるようにすることは適切ではありません。
② 誤り
氏名がなくても、写真や背景などから本人が識別されることがあります。広報に利用する際には、本人の同意や施設の情報管理ルールなどを確認する必要があります。
③ 誤り
家族であることだけで、すべての情報を無条件に提供できるわけではありません。本人の意向、同意、情報提供の必要性や範囲などを確認します。
④ 誤り
口頭での情報共有であっても、他者に聞かれる場所で話さないなど、秘密保持への配慮が必要です。
⑤ 正しい
安全で継続的な介護には、必要な情報を職員間で共有することが重要です。その際には、個人情報の取扱いに関するルールに従います。
Point解説
個人情報の保護では、情報を共有する目的、共有先、範囲、方法を確認します。
「職員だから」「家族だから」「氏名がないから」という理由だけで判断しないことが重要です。
問題5|正解①
判断の決め手:本人が利用しやすいコミュニケーション手段を選び、内容が伝わったか確認する。
① 正しい
口の動きを手掛かりにしている利用者に対しては、顔や口元が見える位置で説明します。必要に応じて日時を文字で示すことも有効です。
② 誤り
口の動きを手掛かりにしている場合でも、筆談などを併用した方が伝わりやすいことがあります。
③ 誤り
同じ説明で伝わらない場合は、言い換えや文字での説明など、方法を変えることも必要です。
④ 誤り
うなずきだけで日時まで正確に理解できたとは限りません。本人に合った方法で確認します。
⑤ 誤り
大声にすることが必ず有効とは限りません。聞こえ方や本人が利用しやすい伝達方法を確認する必要があります。
Point解説
聴覚障害のある人とのコミュニケーションでは、口話、筆談、手話、身振りなど、本人に適した方法を用います。
今回のような通院予定の説明では、日時や持ち物などを文字で示すことも役立ちます。
第2ブロック|実践問題6〜10
問題6【A:生活支援技術】片麻痺のある利用者の更衣介助
右片麻痺があり、前開きの上衣の着脱に一部介助が必要な利用者への更衣介助について、一般的な方法として最も適切なものを1つ選びなさい。
① 上衣を着るときは左腕から袖を通し、脱ぐときは右腕から袖を抜く。
② 片麻痺がある場合も、上衣の着脱順序は麻痺のない人と同様に行う。
③ 上衣を着るときは左腕から袖を通し、脱ぐときも左腕から袖を抜く。
④ 上衣を着るときは右腕から袖を通し、脱ぐときは左腕から袖を抜く。
⑤ 右片麻痺がある場合は、本人が行える動作も含めて介護福祉職がすべて行う。
問題7【A:生活支援技術】車いすからベッドへの移乗
車いすからベッドへ立位で移乗する際の介護について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 移乗先が近い場合は、立ち上がる直前に車いすのブレーキを解除しておく。
② 利用者の立ち上がり能力を確認し、車いすのブレーキ、足部の位置、フットサポート、移乗先の環境などを整えて介助する。
③ 立ち上がる際は、両足をフットサポートに乗せておくと下肢が安定する。
④ 立ち上がりに時間がかかる場合は、利用者の両腕を引き上げ、できるだけ短時間で移乗する。
⑤ 本人がある程度立ち上がれる場合でも、安全確保のため、可能な動作は介護福祉職が代行する。
問題8【A:生活支援技術】嚥下機能が低下した利用者への食事介助
嚥下機能が低下している利用者への食事介助について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 食事中は、飲み込みやすくするため、あごを大きく上げた姿勢を保つ。
② 食事に時間がかかる場合は、一口量を増やして介助回数を減らす。
③ 利用者の覚醒状態と姿勢を確認し、一口ずつ飲み込みの状態を確かめながら介助する。
④ むせが見られても、少量であれば続けて食物を口に運び、むせが治まるのを待つ。
⑤ 食物が口に残っている場合は、多量の水分を飲ませて流し込む。
問題9【B:認知症の理解】急な認知状態の変化
普段は落ち着いて会話できる高齢の利用者が、今日になって急に話のつじつまが合わなくなり、注意が散漫になっている。
介護福祉職の初期対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 高齢者には一時的な物忘れが見られるため、認知状態が急に変化しても、通常の加齢によるものとして対応する。
② 認知症の診断を受けている場合は、急な変化も認知症の進行と判断する。
③ 落ち着かない様子がある場合は、安全確保のため、まず居室から出られないようにする。
④ 家族に状態の変化を報告すれば、看護職員等への報告は省略できる。
⑤ 普段との違い、変化に気づいた時刻、具体的な症状などを確認し、速やかに看護職員等へ報告する。
問題10【B:医療的ケア】喀痰吸引等の実施
介護職員等による喀痰吸引等の実施について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 法令で定められた要件を満たす介護職員等が、登録を受けた事業所において、医師の指示と看護職員等との連携の下で実施する。
② 介護福祉士の資格を取得していれば、追加の教育や実地研修等の要件を確認することなく、すべての喀痰吸引等を実施できる。
③ 家族の同意が得られている場合は、医師の指示がなくても喀痰吸引を実施できる。
④ 看護職員との連携体制が整っていない場合でも、研修を修了した介護職員が単独で実施できる。
⑤ 喀痰吸引等を行う事業所は、実施する職員が資格等の要件を満たしていれば、事業所としての登録を必要としない。
第2ブロック|解答・詳しい解説
問題6|正解④
判断の決め手:更衣介助の基本は「着患脱健(ちゃっかんだっけん)」である。
① 誤り
右片麻痺の場合、一般的に着衣は右腕(患側)から、脱衣は左腕(健側)から行います。順序が逆になっています。
② 誤り
麻痺がある場合は、動かしにくい側と動かしやすい側の違いに配慮して介助します。
③ 誤り
脱衣を左腕から行う点は適切ですが、着衣で左腕から袖を通す点が誤っています。
④ 正しい
着衣は右腕から、脱衣は左腕から行うのが一般的な方法です。
⑤ 誤り
本人ができる動作は可能な範囲で行ってもらい、必要な部分を介助します。
Point解説
着患脱健とは、着るときは患側から、脱ぐときは健側から行う更衣介助の基本です。
実際には麻痺の程度、関節可動域、痛み、衣服の形状なども考慮します。
問題7|正解②
判断の決め手:移乗では、車いすの固定・足部の接地・本人の動作能力の確認が必要である。
① 誤り
立ち上がる前にブレーキを解除すると、車いすが動いて転倒につながる危険があります。
② 正しい
本人の立ち上がり能力と移乗環境を確認し、車いすを固定して、安全に動けるよう準備します。
③ 誤り
立ち上がるときは、適切に足を床へ接地させる必要があります。フットサポートに足を乗せたまま立ち上がる方法は適切ではありません。
④ 誤り
両腕を強く引き上げることは、肩関節などに負担をかけ、バランスを崩す原因にもなります。
⑤ 誤り
安全を確保しながら本人の残存機能を活用することが、自立支援の基本です。
Point解説
移乗前には、ブレーキ、フットサポート、移乗先の位置・高さ、足の位置、本人の立ち上がり能力などを確認します。
介護福祉職がすべての動作を行うと、本人の能力を活用する機会が失われます。
問題8|正解③
判断の決め手:嚥下機能が低下している人には、覚醒状態・姿勢・一口量・飲み込みの確認が重要である。
① 誤り
あごを大きく上げる姿勢は、誤嚥の危険を高める場合があります。本人の嚥下状態に適した姿勢を確認します。
② 誤り
一口量を増やすことは、口腔内へのため込みや誤嚥の危険につながります。
③ 正しい
覚醒状態や食事姿勢を確認し、本人に適した一口量で、飲み込みを確かめながら介助します。
④ 誤り
むせが生じた場合は食事をいったん中断し、呼吸状態などを確認します。状況に応じて看護職員等へ報告します。
⑤ 誤り
食物が口腔内に残っている状態で多量の水分を飲ませることは、誤嚥の危険があります。
Point解説
食事介助では、食形態・水分形態、姿勢、覚醒状態、一口量、嚥下の状況を確認します。
また、むせがない場合でも誤嚥が起こることがあります。「むせていないから安全」とは限らないことも覚えておきましょう。
問題9|正解⑤
判断の決め手:急な認知状態の変化は、加齢や認知症の進行と決めつけずに対応する。
① 誤り
急に話のつじつまが合わなくなったり、注意が散漫になったりする変化を、通常の加齢だけで説明することは適切ではありません。
② 誤り
認知症があっても、急な変化が認知症の進行によるものとは限りません。
③ 誤り
居室から出られないようにする対応は、身体拘束等に該当する可能性があります。安易に行わず、安全確保と状態確認を優先します。
④ 誤り
家族への連絡だけで、医療職への報告を省略することは適切ではありません。
⑤ 正しい
普段との違い、変化が始まった時刻、言動や身体症状などを確認し、速やかに看護職員等へ報告します。
Point解説
せん妄は、急性に発症する注意や意識、認知状態の変化などを特徴とします。
原因には身体疾患、脱水、薬剤の影響など、さまざまなものがあります。
介護福祉職は診断する立場ではありません。普段の状態を知る専門職として、変化を発見し、観察した事実を報告することが重要です。
問題10|正解①
判断の決め手:喀痰吸引等は、職員の要件だけでなく、事業所の登録や医療職との連携も必要である。
① 正しい
法令で定められた要件を満たす介護職員等が、登録を受けた事業所において、医師の指示や看護職員等との連携など、必要な条件の下で実施します。
② 誤り
介護福祉士の資格を取得すれば、無条件ですべての喀痰吸引等を実施できるわけではありません。必要な教育・研修、実施できる行為の範囲などを確認する必要があります。
③ 誤り
家族の希望や同意だけでは実施できません。医師の指示が必要です。
④ 誤り
喀痰吸引等の実施には、医師や看護職員との連携体制が必要です。
⑤ 誤り
実施する職員が要件を満たしていても、事業所として所定の登録が必要です。
Point解説
介護職員等による喀痰吸引等には、喀痰吸引と経管栄養が含まれます。
法令では、実施する職員の資格・研修等に関する要件、事業所の登録、医師の文書による指示、医療職との連携、安全管理体制などが定められています。
介護福祉士と、所定の研修を修了して認定を受けた介護職員等では、実施のための資格・研修・登録に関する要件が異なります。
第3ブロック|実践問題11〜15
問題11【A:介護の基本】ICF(国際生活機能分類)
ICF(国際生活機能分類)について、正しいものを1つ選びなさい。
① ICFでは、生活機能を主に疾病や障害の重症度によって分類し、生活環境は評価の対象としない。
② ICFでは、心身機能・身体構造、活動、参加から生活機能を捉え、環境因子や個人因子との関係も踏まえて理解する。
③ ICFにおける「活動」は、社会や地域の行事などへの参加だけを意味する。
④ ICFにおける「環境因子」は、本人の年齢、生活歴、価値観などを指す。
⑤ ICFでは、「参加」を個人が課題や行為を遂行することとして捉える。
問題12【A:介護の基本】感染対策と手指衛生
介護現場における標準予防策(スタンダード・プリコーション)について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 標準予防策は、感染症と診断された利用者にのみ適用する。
② 排泄介助で手袋を使用した場合も、手袋を外した後に手指衛生を行う。
③ 手袋を着用している間は、手指が直接汚染されないため、手指衛生を省略できる。
④ 同じ利用者に対する介助が続く場合は、汚染された手袋を交換せずに清潔な部位のケアへ移ってよい。
⑤ 手袋を使用する場合は、排泄物に触れても、手袋の表面が破れていなければ再使用できる。
問題13【A:コミュニケーション技術】介護記録
介護記録の記載方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 利用者が食事を残した場合、本人の発言と職員の推測を区別せず、一つの事実として記録する。
② 本人の訴えは主観的な内容であるため、介護記録には記載せず、職員が観察した内容だけを記録する。
③ 転倒の原因が分からない場合は、職員が最も可能性が高いと考える原因を、確認済みの事実として記載する。
④ 情報を簡潔にするため、利用者の発言を職員の判断による表現に置き換え、本人の言葉は省略する。
⑤ 利用者の発言と職員が直接観察した事実を区別し、日時、具体的な状況、実施した対応などを記録する。
問題14【B:発達と老化の理解】高齢者の睡眠の変化
加齢に伴う睡眠の変化について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 高齢になると、すべての人で睡眠時間が長くなり、中途覚醒がなくなる。
② 高齢者の睡眠には個人差がないため、生活習慣や健康状態を確認する必要はない。
③ 加齢に伴い、深い睡眠が減少し、途中で目が覚めやすくなる傾向があるが、睡眠状態には個人差がある。
④ 高齢者では、睡眠の問題があっても、日中の活動量や生活習慣は睡眠に影響しない。
⑤ 高齢者が夜間に目を覚ます場合、その原因はすべて加齢による生理的な変化である。
問題15【B:障害の理解】合理的配慮
障害者差別解消法に基づく合理的配慮について、正しいものを1つ選びなさい。
① 民間事業者による合理的配慮の提供は、2026年11月現在も努力義務である。
② 合理的配慮では、障害のある人から希望された方法を、過重な負担が生じても必ずそのまま実施する。
③ 合理的配慮は、身体障害のある人に対する対応に限られる。
④ 障害のある人の困りごとや意思を確認し、必要に応じて建設的対話を重ね、過重な負担とならない範囲で対応方法を検討する。
⑤ 合理的配慮では、障害の種類が同じ場合、個々の事情にかかわらず同一の方法で対応することが原則となる。
第3ブロック|解答・詳しい解説
問題11|正解②
判断の決め手:ICFでは、生活機能と背景因子の関係を総合的に捉える。
① 誤り
ICFは疾病や障害の重症度だけで生活機能を捉えるものではありません。生活環境などの背景因子も重要です。
② 正しい
ICFでは、心身機能・身体構造、活動、参加という生活機能の構成要素を、環境因子や個人因子との関係も踏まえて理解します。
③ 誤り
活動は、個人が課題や行為を遂行することを意味します。社会や地域の生活場面への関わりは、主に参加に関係します。
④ 誤り
年齢、生活歴、価値観などは個人因子に含まれます。環境因子には住環境、支援者、サービス、制度などがあります。
⑤ 誤り
個人が課題や行為を遂行することは活動です。参加は生活・人生場面への関わりを指します。
Point解説
ICFは、世界保健機関(WHO)が採択した国際生活機能分類です。
生活機能は「心身機能・身体構造」「活動」「参加」、背景因子は「環境因子」「個人因子」に分けて整理されます。
活動と参加、環境因子と個人因子を混同しないことが大切です。
問題12|正解②
判断の決め手:手袋の使用は、手指衛生を省略する理由にはならない。
① 誤り
標準予防策は、感染症の診断の有無にかかわらず、すべての利用者に適用する基本的な感染対策です。
② 正しい
手袋を使用した後も、手袋を外して適切に手指衛生を行います。
③ 誤り
手袋の着用だけでは感染対策は完結しません。手袋の着脱前後など、必要な場面で手指衛生を行います。
④ 誤り
汚染された手袋を着用したまま、清潔な部位のケアへ移ることは適切ではありません。手袋の交換や手指衛生が必要です。
⑤ 誤り
汚染された使い捨て手袋を再使用することはできません。
Point解説
標準予防策では、血液、体液、分泌物、排泄物などを感染の可能性があるものとして取り扱います。
必要な場面で手袋などの個人防護具を使用し、手指衛生を徹底します。
目に見える汚れがある場合は、石けんと流水による手洗いで汚れを落とします。
問題13|正解⑤
判断の決め手:本人の発言、職員が観察した事実、推測を区別して記録する。
① 誤り
本人の発言と職員の推測を混同すると、記録を読む人が事実を正確に把握できなくなります。
② 誤り
本人の訴えや発言は重要な情報です。主観的な内容であっても、本人が話した事実として記録できます。
③ 誤り
原因が確認できていない場合、推測を事実として書くことは適切ではありません。
④ 誤り
本人の発言を職員の判断で置き換えると、本人の意図が変わる可能性があります。重要な発言は、できるだけ本人の言葉を正確に記録します。
⑤ 正しい
日時、具体的な状況、本人の発言、観察した事実、実施した対応などを区別して記録します。
Point解説
例えば、次のように記録します。
「12時10分、昼食の主菜を約半量残す。本人より『今日は少し気持ちが悪い』との発言あり。看護職員へ報告した。」
観察した事実、本人の訴え、職員の対応が区別されています。
「わがまま」「不穏だった」などの評価的な言葉だけで済ませず、具体的な言動を記録することも重要です。
問題14|正解③
判断の決め手:加齢に伴う睡眠の一般的な変化と、個人差を区別する。
① 誤り
高齢になると、一般的に深い睡眠が減り、途中で目覚めることが増える傾向があります。すべての人の睡眠時間が長くなるわけではありません。
② 誤り
睡眠には個人差があり、身体疾患、服薬、生活習慣、環境などの影響も受けます。
③ 正しい
加齢に伴い、深い睡眠が減少し、中途覚醒が増える傾向があります。ただし、変化の現れ方には個人差があります。
④ 誤り
日中の活動量、生活習慣、光環境などは、夜間の睡眠に影響します。
⑤ 誤り
夜間の覚醒には、夜間頻尿、痛み、睡眠障害、薬剤などが関係することもあり、すべてを加齢だけで説明することはできません。
Point解説
高齢者の睡眠では、深い睡眠の減少、中途覚醒、早朝覚醒などが見られることがあります。
ただし、夜間の不眠や眠気をすべて加齢による自然な変化として扱うことは適切ではありません。
生活状況や体調の変化も含めて理解しましょう。
問題15|正解④
判断の決め手:合理的配慮の提供義務と、建設的対話・過重な負担の考え方を理解する。
① 誤り
2024年4月1日から、事業者による合理的配慮の提供は義務化されています。
② 誤り
合理的配慮は、過重な負担とならない範囲で必要かつ合理的な対応を行うものです。希望された方法を、どのような場合もそのまま実施することを意味しません。
③ 誤り
合理的配慮は、身体障害だけを対象としていません。知的障害、精神障害、発達障害なども含め、法令に定める障害者が対象となります。
④ 正しい
本人の困りごとや意思を確認し、必要に応じて建設的対話を重ね、社会的障壁を取り除く対応を検討します。
⑤ 誤り
必要な配慮は、障害の特性や本人の状況、利用する場面などによって異なります。
Point解説
障害者差別解消法では、事業者による合理的配慮の提供が2024年4月1日から義務化されました。
合理的配慮と環境の整備にも違いがあります。
合理的配慮は個々の場面で必要となる対応、環境の整備は不特定多数の障害者を主な対象として行う事前的な改善措置などを指します。
第4ブロック|実践問題16〜20
問題16【B:こころとからだのしくみ】褥瘡の予防
自分で寝返りを打つことが難しい利用者の褥瘡予防について、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 体圧分散寝具を使用している場合は、褥瘡の危険がなくなるため、皮膚の観察を省略できる。
② 褥瘡が発生する原因は皮膚の汚れに限られるため、圧迫やずれへの対応は不要である。
③ 痛みを訴えていない利用者では、同じ部位に長時間圧力がかかっていても褥瘡の危険はない。
④ 褥瘡予防のための体位変換は、本人の状態や寝具の違いにかかわらず、すべて同じ間隔で実施する。
⑤ 体圧の集中や摩擦・ずれを避け、皮膚や栄養の状態を確認しながら、本人に適した体位変換と体圧分散を行う。
問題17【B:発達と老化の理解】高齢者の服薬と状態変化
高齢の利用者が新しい薬を服用し始めた後、これまで見られなかったふらつきが生じた。薬剤との因果関係は明らかになっていない。
介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 服用開始後にふらつきが生じたため、薬剤が原因と判断し、介護福祉職の判断で服薬を中止する。
② ふらつきは高齢者に起こりやすいため、普段との違いがあっても経過を記録する必要はない。
③ 転倒していなければ重大な状態変化ではないため、薬剤との関係を確認する必要はない。
④ ふらつきの発生時刻や状況、服薬との時間的関係などを確認し、安全を確保して看護職員等へ報告する。
⑤ 服薬後のふらつきについては、薬剤との関係が確定するまで、本人の訴えを職員間で共有しない。
問題18【C:介護過程】アセスメントと生活課題
Aさん(82歳、要介護2)は、脳梗塞の後遺症による右片麻痺があり、自宅で娘と暮らしている。手すりを使えば室内を短い距離歩くことができる。
最近は入浴の回数が減っている。Aさんは「できるだけ自分でお風呂に入りたい」と話している。一方、娘は「浴室で転びそうなので、入浴は全部手伝ってほしい」と希望している。
浴室には手すりがあるものの、浴槽のまたぎ動作や洗い場での立ち座りの状況は、まだ確認できていない。
介護過程におけるアセスメントとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 娘の転倒への不安を優先し、本人の入浴動作を確認する前に、全介助を前提とした介護計画を作成する。
② 室内を短い距離歩けるため、浴槽の出入りも自力で行えると判断する。
③ 本人の希望、浴槽のまたぎ動作、立ち座り、浴室環境、転倒リスク、家族の介護負担などを確認し、必要な支援を検討する。
④ 右片麻痺があるため、在宅での入浴は困難と判断し、入浴方法についてのアセスメントを省略する。
⑤ 要介護2という認定結果を基準に、同じ要介護度の利用者と共通の入浴介助方法を選択する。
問題19【C:介護過程】介護計画の評価と見直し
Bさん(79歳、要介護3)は、下肢筋力の低下があり、トイレまでの移動に介助を必要としている。
「できるだけトイレで排泄したい」という本人の希望を踏まえ、介護計画に沿って支援してきた。
ところが、最近は立ち上がりに時間がかかるようになり、介助中に膝折れも見られる。
介護過程における対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 身体状況の変化を踏まえて再アセスメントを行い、本人の希望を確認しながら、安全な支援方法や介護計画の見直しを検討する。
② 計画の評価時期がまだ先であれば、身体状況が変化していても、原則として現在の介助方法を継続する。
③ 膝折れが見られたため、本人の意思を確認する前に、トイレでの排泄という目標を介護計画から削除する。
④ 立ち上がりに時間がかかる場合は、介護計画の目標を変更せず、介助時間の短縮を最優先にする。
⑤ 介護計画に沿って支援している場合は、膝折れなどの新たな状態変化について記録する必要はない。
問題20【C:総合問題】認知症のある利用者の生活支援
Cさん(86歳、要介護3)は、認知症があり、特別養護老人ホームで生活している。以前は自宅の庭で花を育てることを楽しんでいた。
最近、午後になると廊下を歩きながら「家に帰って花に水をあげないと」と話すことがある。
Cさんは歩行器を使い、見守りの下で歩くことができる。ただし、方向転換の際にふらつくことがある。施設には中庭があり、職員と一緒に植物を育てる活動が行われている。
介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
① 帰宅したいという発言は認知症の症状と判断し、本人がその話題を繰り返す場合は別の話題へ切り替える対応に統一する。
② 歩行時のふらつきがあるため、Cさんが廊下を歩こうとした場合は、本人の気持ちを確認する前に居室で休んでもらう。
③ 園芸活動には本人の関心があると考えられるため、歩行能力の評価を行わず、毎日決まった時間に中庭へ移動してもらう。
④ Cさんの帰宅希望については家族に対応を任せ、施設では歩行時の転倒予防だけを支援目標とする。
⑤ Cさんの言葉や生活歴を踏まえて気持ちを確認し、歩行・方向転換の安全に配慮しながら、本人が希望する場合は中庭での園芸活動などを検討する。
第4ブロック|解答・詳しい解説
問題16|正解⑤
判断の決め手:褥瘡予防では、圧迫・摩擦・ずれ、栄養状態などを総合的に確認する。
① 誤り
体圧分散寝具を使用していても、褥瘡の危険がなくなるわけではありません。皮膚の観察は必要です。
② 誤り
褥瘡には、長時間の圧迫やずれなどが関係します。皮膚の汚れだけが原因ではありません。
③ 誤り
痛みの訴えがなくても、褥瘡が発生することがあります。皮膚の状態や体圧の集中を確認する必要があります。
④ 誤り
体位変換の方法や間隔は、本人の身体状況、皮膚の状態、使用している寝具などに応じて検討します。
⑤ 正しい
圧迫・摩擦・ずれへの対策、皮膚の観察、栄養状態の確認、本人に適した体位変換や体圧分散を組み合わせて予防します。
Point解説
褥瘡は、身体の一部分が長時間圧迫されることなどによって生じる皮膚やその下の組織の損傷です。
褥瘡予防には、体圧分散、体位変換、摩擦・ずれの軽減、皮膚の観察、栄養管理などが重要です。
体位変換の時間間隔も一律に決めつけず、本人の状態や使用している体圧分散寝具などに応じて検討します。
問題17|正解④
判断の決め手:服薬開始後の状態変化を観察することと、副作用と断定することは異なる。
① 誤り
服薬後にふらつきが生じても、それだけで薬剤が原因とは断定できません。介護福祉職が自己判断で服薬を中止することも適切ではありません。
② 誤り
高齢者に見られやすい症状でも、普段との違いがあれば観察・記録が必要です。
③ 誤り
転倒していなくても、ふらつきは転倒や事故につながる危険があります。薬剤との関連も含めて確認します。
④ 正しい
ふらつきの発生時刻、場面、程度、服薬との時間的関係などを確認し、安全を確保して看護職員等へ報告します。
⑤ 誤り
薬剤との因果関係が確定していなくても、状態変化の情報を共有することが必要です。
Point解説
高齢者では、薬物有害事象としてふらつき、転倒、せん妄、食欲低下などが現れることがあります。
薬物有害事象とは、薬を使用している間に起こる、好ましくない身体的な症状や変化などを指します。薬との因果関係が明らかでない場合も含まれます。
介護福祉職は薬剤の影響を独自に診断せず、状態変化を具体的に把握して医療職へ報告します。
問題18|正解③
判断の決め手:アセスメントでは、本人の希望と身体機能、生活環境、家族の状況を総合的に確認する。
① 誤り
家族の不安も大切な情報ですが、本人の動作能力を確認せずに全介助と決めることは適切ではありません。
② 誤り
室内歩行が可能であっても、浴槽のまたぎや洗い場での立ち座りが安全に行えるとは限りません。
③ 正しい
本人の希望と生活機能、実際の入浴動作、浴室環境、転倒リスク、家族の介護負担などを確認し、必要な支援を検討します。
④ 誤り
右片麻痺があっても、住環境の調整や介助方法の工夫によって、自宅で入浴できる可能性があります。
⑤ 誤り
要介護度だけで介助方法を一律に決めることはできません。具体的な身体状況や生活環境などの確認が必要です。
Point解説
アセスメントとは、利用者の心身の状態、生活状況、本人の希望、家族や環境などの情報を収集・分析し、必要な支援を明らかにする過程です。
この事例では、本人の「自分で入浴したい」という希望を出発点に、何ができるか、どの動作に危険があるか、どのような支援が必要かを考えます。
問題19|正解①
判断の決め手:介護計画は、本人の状態や生活課題の変化に応じて評価・見直しを行う。
① 正しい
膝折れなどの新たな状態変化を踏まえて再アセスメントを行い、本人の希望を確認しながら支援方法や介護計画を見直します。
② 誤り
本人の状態が変化した場合、予定された評価時期を待たずに計画の見直しが必要になることがあります。
③ 誤り
膝折れが見られたことだけで、本人の希望を確認せずに排泄目標を削除することは適切ではありません。
④ 誤り
介助時間の短縮よりも、本人の安全と生活目標の実現を踏まえた支援方法の検討が必要です。
⑤ 誤り
介護計画に沿って支援している場合でも、新たな状態変化は記録し、必要に応じて報告します。
Point解説
介護過程は、アセスメント、介護計画の作成、実施、評価という一連の流れで進めます。
評価では、計画に沿った支援の結果、目標の達成状況、本人の状態の変化などを確認します。
必要に応じて再アセスメントを行い、介護計画へ反映します。
問題20|正解⑤
判断の決め手:認知症の理解、生活歴、安全確保、本人の意思を組み合わせて判断する。
① 誤り
帰宅したいという発言の背景に、以前の生活や役割への思いがある可能性があります。認知症の症状と決めつけて、一律に話題を変えることは適切ではありません。
② 誤り
歩行時のふらつきには注意が必要ですが、本人の気持ちを確認せず、居室で休むよう一律に対応することは適切ではありません。
③ 誤り
園芸活動を取り入れることには意味がありますが、歩行能力や安全性を確認せず、活動を日課として決めることは適切ではありません。
④ 誤り
家族から情報を得ることは役立ちますが、施設でも本人の言葉や生活歴を理解し、生活全体を支援する必要があります。
⑤ 正しい
本人が花を育てていた生活歴と現在の言葉を踏まえて気持ちを確認し、安全な移動方法を検討したうえで、希望に応じた園芸活動などにつなげます。
Point解説
この問題では、認知症ケアの知識だけでなく、生活歴の理解、本人の意思尊重、歩行時の安全確保、活動支援を組み合わせて判断する必要があります。
例えば、園芸活動を検討する際には、歩行器の使用状況や方向転換時のふらつき、移動経路、中庭の環境、見守り方法などを確認します。
生活歴を把握することは、現在の言動や希望を理解し、その人らしい生活を支える手掛かりになります。
20問の正解一覧
| 問題 | 科目・テーマ | 正解 |
|---|---|---|
| 1 | 社会の理解・介護保険 | ③ |
| 2 | 介護の基本・身体拘束等 | ④ |
| 3 | 認知症の理解・意思決定支援 | ② |
| 4 | 介護の基本・個人情報 | ⑤ |
| 5 | コミュニケーション技術・聴覚障害 | ① |
| 6 | 生活支援技術・更衣介助 | ④ |
| 7 | 生活支援技術・移乗介助 | ② |
| 8 | 生活支援技術・食事介助 | ③ |
| 9 | 認知症の理解・急な状態変化 | ⑤ |
| 10 | 医療的ケア・喀痰吸引等 | ① |
| 11 | 介護の基本・ICF | ② |
| 12 | 介護の基本・感染対策 | ② |
| 13 | コミュニケーション技術・介護記録 | ⑤ |
| 14 | 発達と老化の理解・高齢者の睡眠 | ③ |
| 15 | 障害の理解・合理的配慮 | ④ |
| 16 | こころとからだのしくみ・褥瘡予防 | ⑤ |
| 17 | 発達と老化の理解・薬剤と状態変化 | ④ |
| 18 | 介護過程・アセスメント | ③ |
| 19 | 介護過程・評価と見直し | ① |
| 20 | 総合問題・認知症と生活支援 | ⑤ |
20問を解いた後の理解度チェック
今回の問題で、次の事項を理解できたか確認してください。
- 制度の対象者・実施主体・要件を正確に区別できる。
- 原則と例外の条件を説明できる。
- 専門用語の意味を理解し、似た言葉と混同しない。
- 利用者の状態と介護方法の適合性を判断できる。
- 本人の意思、生活歴、安全、環境を総合的に捉えられる。
- 正解以外の選択肢についても、誤りの理由を説明できる。
正解数だけに注目せず、100選択肢のうち、根拠を持って判断できたものがどれくらいあったかを確認しましょう。
まとめ|正解以外の選択肢まで説明できる力を身につけよう
今回の20問では、介護保険制度、身体拘束等、認知症の意思決定支援、生活支援技術、感染対策、医療的ケア、介護過程など、幅広い分野を取り上げました。
ひっかけ問題で誤答しないためには、選択肢の一部分だけで判断せず、正しい知識と照らし合わせることが大切です。
たとえ正解できた問題でも、ほかの4つの選択肢について説明できなければ、理解が十分でない部分が残っている可能性があります。
今回の20問・100選択肢を、知識の確認と定着に役立ててください。
「なぜ正しいのか」「どこが誤っているのか」を説明できることが、国家試験での判断力につながります。
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「必ず」「すべて」「のみ」といった表現、原則と例外、対象者の入れ替えなど、ひっかけ選択肢を見抜く6つのポイントと解答の手順を解説します。
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参考資料
- 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「令和8年度 第39回介護福祉士国家試験」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html - 同センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/ - 厚生労働省「第39回介護福祉士国家試験の施行について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74538.html - e-Gov法令検索「介護保険法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 厚生労働省「認知症施策関連ガイドライン(意思決定支援ガイドライン第2版等)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212395.html - 政府広報オンライン「事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化」
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5611.html - 厚生労働省「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf - 厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82023000 - 日本褥瘡学会「褥瘡の予防について」
https://www.jspu.org/general/prevention/
※本記事の20問は、介護キャンパスが独自に作成した学習用問題です。実際の国家試験問題を転載したものではありません。
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