9月26日から10月2日の介護・福祉分野では、2027年度介護報酬改定に向けて、厚生労働省から「基本的な視点(案)」が示されました。物価や賃金の上昇への対応、介護従事者の処遇改善、介護テクノロジーの活用など、次期改定に向けた議論が具体化しています。
また、10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)を防止するために事業主が講ずべき雇用管理上の措置が義務化されました。
障害福祉では、就労系サービスの在宅支援について、対象者や事業所の要件、報酬のあり方などが検討されています。
このほか、年間の介護サービス費用額、介護福祉士養成施設の外国人留学生、有料老人ホームの届出状況、褥瘡ケアなど、現場と事業運営に関わる動きを紹介します。
【★注目】2027年度介護報酬改定 物価・賃金上昇への対応と処遇改善を基本的な視点(案)に
記事掲載日:2026.09.30
要旨
厚生労働省は9月30日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年度介護報酬改定に向けた「基本的な視点(案)」を示しました。
物価や賃金の上昇を介護報酬に適切に反映し、事業者の経営安定を図ることに加え、介護従事者について「他職種と遜色のない処遇改善」をめざす考えが盛り込まれています。一方、介護報酬の評価の適正化・重点化や、報酬体系の整理・簡素化も論点とされています。
現時点では改定率や具体的な報酬単価が決まった段階ではありません。今後の改定議論に向けた基本的な方向性が示されたものです。
出典:厚生労働省「第268回社会保障審議会介護給付費分科会」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49119/
【★注目】カスハラ防止の雇用管理上の措置が10月1日から義務化
記事掲載日:2026.10.02
要旨
改正労働施策総合推進法が10月1日に施行され、カスタマーハラスメントを防止するため、事業主が雇用管理上必要な措置を講じることが義務となりました。厚生労働省は、業種や企業規模を問わず、すべての事業主を対象としています。
事業主が講ずべき措置には、方針の明確化と周知・啓発、相談体制の整備、事実関係の迅速な確認、被害を受けた職員への配慮、再発防止などがあります。
これはカスタマーハラスメントの発生を完全に防ぐ結果そのものを義務付けるものではなく、法令と指針に沿った雇用管理上の措置を整える義務です。介護・福祉事業所でも、利用者・家族への適切な支援や説明を前提に、職員個人へ対応を任せない体制づくりが求められます。
出典:厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49173/
【★注目】障害福祉の就労系サービス 在宅支援の要件・報酬見直しを議論
資料公表日:2026.09.28
要旨
厚生労働省は9月28日の障害福祉サービス等報酬改定検討チームで、2027年度障害福祉サービス等報酬改定に向け、就労系サービスの報酬・基準を議論しました。
在宅支援については、就労移行支援と就労継続支援を対象に、利用者の要件や事業所の要件を見直す方向性が示されています。
厚労省資料では、一定の場合に基本報酬を引き下げることや、定員に対する在宅支援利用者の割合に上限を設けることなどが「検討の方向性」として示されています。一方、一定の要件を満たす積極的な在宅支援については、従来の単価を維持する考え方も提示されています。
いずれも検討段階であり、2027年度改定の報酬や算定要件として決定したものではありません。
出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第64回)」
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76389.html
介護テクノロジー 居宅系サービスへの報酬上の評価も論点に
記事掲載日:2026.10.01
要旨
厚生労働省が9月30日に示した2027年度介護報酬改定の「基本的な視点(案)」には、居宅系サービスも含めたAI等の介護テクノロジーの活用を進める方向性が盛り込まれています。
これを受けて介護ニュースJointは、訪問介護、通所介護、居宅介護支援などの在宅系サービスでも、生産性向上の取組を介護報酬で評価できないか検討が進められていると報じています。
現時点で、新たな加算や具体的な算定要件が決定したものではありません。今後、サービスの特性や事業所規模に応じて、どのような評価方法が示されるのかが注目されます。
出典:厚生労働省「第268回社会保障審議会介護給付費分科会」資料/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49152/
年間の介護サービス費用額が12兆2208億円 過去最大を更新

記事掲載日:2026.10.01
要旨
厚生労働省が公表した「令和7(2025)年度 介護給付費等実態統計の概況」によると、介護予防サービスと介護サービスを合わせた年間の費用額は12兆2208億円となりました。
費用額とは、介護給付費等実態統計上、保険給付額、公費負担額、利用者負担額を合計した金額です。市区町村が直接支払う償還払いは含まれません。
年間の費用額は前年度から2827億円、2.4%増加し、過去最大となりました。年間実受給者数は685万1600人です。介護サービスの利用と費用の動向は、今後の介護保険制度や介護報酬を考えるうえでも押さえておきたい数字です。
出典:厚生労働省「令和7(2025)年度 介護給付費等実態統計の概況」/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49136/
介護福祉士養成施設 外国人留学生が入学者の60.6%に
記事掲載日:2026.09.29
要旨
日本介護福祉士養成施設協会が公表した2026年度の入学者調査で、外国人留学生は4712人となり、回答した会員養成施設の入学者全体に占める割合が60.6%と初めて6割を超えました。
入学者総数は7780人で、前年度より424人増加しています。一方、新卒者などは2756人で前年度より177人減りました。外国人留学生の増加が全体の入学者数を押し上げています。
介護人材の養成段階で外国人留学生の存在がさらに大きくなっており、学習支援、国家資格取得、卒業後の就労・定着をどのように支えるかも引き続き課題となります。
出典:日本介護福祉士養成施設協会の調査を伝える介護ニュースJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49076/
有料老人ホーム 「未届施設数」568件、該当性を調査中の施設も含む
記事掲載日:2026.10.02
※厚生労働省資料の公表日は2026.09.25
要旨
シルバー新報は、厚生労働省が9月25日に公表した「令和7年度 有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第17回)」を紹介しました。
2025年6月30日時点で、届出された有料老人ホームは1万7883件でした。一方、厚労省が「未届施設数」として把握している施設は568件で、全体に占める割合は3.1%です。
ただし、この568件には、現在実態調査を行っている施設や今後調査を行う施設など、報告時点で有料老人ホームに該当するか判断できていない施設も含まれています。 568件すべてが、調査によって有料老人ホームと確定した未届施設という意味ではありません。
厚生労働省は自治体に対し、実態把握を進め、有料老人ホームに該当する場合には届出を行うよう指導するとともに、適切な指導監督を徹底するよう求めています。
出典:厚生労働省「令和7年度 有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第17回)」/シルバー新報
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76381.html
褥瘡ケア 栄養状態を含めた生活全体から支援を考える
記事掲載日:2026.09.29(ウェブ掲載)
要旨
シルバー産業新聞のウェブサイトでは9月29日、日本褥瘡学会との企画を通じ、褥瘡予防と栄養管理を一体的に考える支援が紹介されました。今回の週刊では、ウェブ掲載日を基準に収集期間内の記事として採用しています。
褥瘡には圧迫のほか、ずれや摩擦、湿潤、低栄養など複数の要因が関係します。記事では、食事を全量摂取していても必要なエネルギー量を満たしていないケースを取り上げ、体重変化などから栄養状態を確認する視点が紹介されています。
介護職だけで抱えず、管理栄養士、医師、看護師などの多職種で状態を確認し、必要な支援につなげていく視点が、在宅や居住系サービスでも参考になります。
出典:日本褥瘡学会との企画を伝えるシルバー産業新聞/ケアニュース
元記事URL:https://www.care-news.jp/news/kQ3bY
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、2027年度介護報酬改定の「基本的な視点(案)」です。
物価や賃金の上昇を介護報酬に反映し、事業者の経営安定と介護従事者の処遇改善につなげる方向が示されています。その一方で、報酬の適正化・重点化や体系の整理・簡素化も論点となっています。
今週は、居宅系サービスを含めた介護テクノロジーの活用も改めて示されました。今後の介護給付費分科会では、処遇改善、事業所経営、生産性向上がどのように報酬体系へ反映されていくのかを丁寧に見ていきたいと思います。
この記事について
本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事をご確認ください。
編集・解説:梅沢佳裕
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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