2026年度の介護支援専門員実務研修受講試験に向けて、最近の法令改正や制度の動きを確認します。
本記事では、主に2025年7月1日から2026年6月30日までに公布・公表・施行等が確認できた介護・医療・福祉分野の制度情報のうち、ケアマネジャー試験の出題範囲と関係の深いものを取り上げています。
この期間は、介護キャンパスが試験対策上の確認期間として設定したものであり、試験実施機関が「2026年6月30日までの制度を出題対象とする」と公表しているものではありません。
また、制度改正を確認するときは、「成立した」、「公布された」、「施行された」を分けて理解することが重要です。
改正法が公布されていても、2026年10月11日の試験日時点でまだ施行されていない制度については、原則として現行制度を基準に確認します。
1 介護保険料の所得基準の一部が82.65万円に見直し
根拠となる法令
介護保険法施行令の一部を改正する政令(令和7年政令第394号)
2025年11月27日公布、2026年4月1日施行。
何が変わった?
65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、所得等に応じた段階によって設定されます。
老齢基礎年金額の上昇等を踏まえ、介護保険料の所得段階を判定する基準の一部が、
80.9万円から82.65万円
へ見直されました。
試験で確認したいこと
細かな金額だけでなく、
・第1号被保険者の保険料は市町村が条例で定める
・所得等に応じた段階がある
・第2号被保険者とは保険料の徴収方法が異なる
という基本を確認しましょう。
枝問題風チェック
第1号被保険者の介護保険料について、所得段階を判定する基準の一部が2026年4月から80.9万円から82.65万円へ見直された。
解答:○
2 介護情報基盤が2026年4月から順次スタート
根拠となる法律・政令
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和5年法律第31号)
および、その施行期日を定める政令。
何が変わった?
自治体、介護サービス事業所、医療機関等が介護情報を電子的に共有・活用する介護情報基盤について、2026年4月以降、準備が整った市町村から順次利用が始まっています。
対象となる情報には、
・介護保険資格情報
・要介護認定情報
・ケアプラン情報
・LIFE情報
などがあります。
枝問題風チェック
介護情報基盤は、2026年4月1日に全国すべての市町村で一斉に完全運用が開始された。
解答:×
Point
準備が整った市町村から順次進められています。
3 令和8年度介護報酬「期中改定」
根拠となる告示・通知
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和8年厚生労働省告示第87号)
介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年3月13日老発0313第6号)
何が変わった?
介護報酬は原則3年ごとに改定されますが、2026年度は、令和9年度の通常改定を待たずに期中改定が実施されました。
改定率は+2.03%です。
2026年6月から、介護職員等処遇改善加算が拡充され、従来対象外だった、
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅介護支援
・介護予防支援
についても、新たに加算の対象となりました。
ただし、加算を算定するためには、それぞれ定められた要件を満たす必要があります。
試験で確認したいこと
「介護報酬改定は3年ごとだから2026年度には改定がない」と覚えるのは誤りです。
2026年度は、処遇改善等への対応として臨時の期中改定が行われました。
枝問題風チェック
2026年度は介護報酬の通常改定年度ではないため、介護報酬の改定は一切行われなかった。
解答:×
Point
令和9年度の通常改定を待たず、2026年度に期中改定が実施されました。
4 都道府県による介護人材確保等への補助制度を法定化
根拠となる法律
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和8年法律第27号)
2026年6月3日公布。
同法によって**介護保険法(平成9年法律第123号)**の一部が改正され、介護保険法第115条の50が新設されました。
何が変わった?
都道府県は、介護サービス事業者等に対して、介護サービス等に従事する者の確保に必要な費用について補助金を交付するなど、必要な援助を行うことができるようになりました。
また、その補助金交付事務については、交付の決定を除き国民健康保険団体連合会に委託することができます。
枝問題風チェック
都道府県は、介護人材確保等の補助金について、交付の決定を含むすべての事務を国民健康保険団体連合会へ委託できる。
解答:×
Point
交付の決定は委託対象から除かれます。
5 後期高齢者医療制度―2割負担導入時の配慮措置が終了
これは新たな法律改正ではなく、窓口負担2割導入時に設けられた経過的な配慮措置の終了です。
一定以上の所得がある後期高齢者について、外来医療の負担増加額を月3,000円までに抑える措置は、2025年9月30日で終了しました。
ただし、高額療養費制度そのものが廃止されたわけではありません。
枝問題風チェック
後期高齢者医療制度の2割負担導入に伴う配慮措置が終了したため、高額療養費制度も廃止された。
解答:×
6 住宅セーフティネット法改正―居住サポート住宅
根拠となる法律
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律(令和6年法律第43号)
2025年10月1日施行。
何が変わった?
居住サポート住宅の認定制度が始まりました。
法律上の名称は居住安定援助賃貸住宅です。
高齢者、障害者、低額所得者などの住宅確保要配慮者について、大家と居住支援法人等が連携し、
・安否確認
・見守り
・必要な福祉サービスへのつなぎ
などを行います。
枝問題風チェック
居住サポート住宅の法律上の名称は、居住安定援助賃貸住宅である。
解答:○
7 障害福祉サービスに「就労選択支援」が創設
根拠となる法律
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(令和4年法律第104号)
就労選択支援は2025年10月1日施行です。
何が変わった?
就労選択支援は、障害のある本人が、自分に合った就労先や働き方を選択できるよう、就労アセスメントを活用して支援する障害福祉サービスです。
枝問題風チェック
就労選択支援は、本人が就労先や働き方についてより適切に選択できるよう、就労アセスメントを活用して支援する。
解答:○
8 生活保護―生活扶助基準を2025年10月から見直し
根拠となる制度
生活扶助基準は、生活保護法第8条第1項に基づく「生活保護法による保護の基準」により定められています。
何が変わった?
2025年10月から、令和7年度・令和8年度の臨時的・特例的措置として、原則として世帯人員1人につき月額1,500円の特例加算が行われています。
試験で確認したいこと
生活保護には、
・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・医療扶助
・介護扶助
・出産扶助
・生業扶助
・葬祭扶助
があります。
枝問題風チェック
介護扶助は、生活扶助に含まれる。
解答:×
Point
介護扶助は生活扶助とは別の扶助です。
9 高齢者虐待対応国マニュアルが2026年3月に改訂
根拠となる資料
厚生労働省
「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(令和8年3月改訂)」
これは法律改正ではなく、厚生労働省マニュアルの改訂です。
根拠となる法律は、
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)
です。
試験で確認したいこと
高齢者虐待の5類型は、
・身体的虐待
・介護・世話の放棄・放任
・心理的虐待
・性的虐待
・経済的虐待
です。
枝問題風チェック
セルフ・ネグレクトは、高齢者虐待防止法上の高齢者虐待5類型の一つである。
解答:×
10 令和8年度障害福祉サービス等報酬「期中改定」
根拠となる告示
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和8年こども家庭庁・厚生労働省告示第5号)
2026年3月31日公布。
主要部分は2026年6月1日から適用されています。
何が変わった?
障害福祉サービス等報酬も、通常の令和9年度改定を待たず、2026年度に期中改定が行われました。
細かな報酬単位そのものより、
・障害者総合支援法
・障害福祉サービス
・相談支援
・就労系サービス
・介護保険との適用関係
を確認しておきましょう。
枝問題風チェック
2026年度は障害福祉サービス等報酬の通常改定年度ではないため、報酬改定は行われなかった。
解答:×
ここから要注意―「公布済みだが未施行」
11 社会福祉法等の一部を改正する法律
根拠となる法律
社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)
2026年6月25日公布。
同法には、
・介護支援専門員の更新制の見直し
・地域権利擁護相談支援センター
・福祉サービス利用援助事業の見直し
・夜間対応型訪問介護の廃止
・有料老人ホーム制度の見直し
などが盛り込まれています。
ただし、公布された内容がすべて2026年6月25日に施行されたわけではありません。
ケアマネ更新制
介護支援専門員証の有効期間・更新制度の見直しは、2026年度試験時点ではまだ施行されていません。
枝問題風チェック
介護支援専門員の資格更新制は、2026年6月25日の改正法公布と同時に廃止された。
解答:×
夜間対応型訪問介護
同法では夜間対応型訪問介護を廃止する改正が盛り込まれていますが、2026年度試験時点では現行の地域密着型サービスとして扱います。
枝問題風チェック
夜間対応型訪問介護は、2026年度試験時点ですでに廃止されている。
解答:×
地域権利擁護相談支援センター
改正社会福祉法では、市町村が地域権利擁護相談支援センターを設置できる制度が盛り込まれています。
枝問題風チェック
すべての市町村に、地域権利擁護相談支援センターを設置する義務がある。
解答:×
Point
「設置することができる」と「設置しなければならない」は異なります。
12 成年後見制度の大幅見直し―ただし未施行
根拠となる法律
民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和8年法律第46号)
2026年6月24日公布。
何が変わる?
成年後見制度について、後見・保佐制度を廃止し、補助制度へ一元化するなどの大幅な見直しが予定されています。
しかし、成年後見制度に関する改正部分は、公布日から2年6か月以内の政令で定める日に施行されます。
2026年度試験では?
現行制度である、
後見・保佐・補助
の3類型を基本として確認します。
枝問題風チェック
2026年度ケアマネジャー試験時点では、法定後見制度は補助制度に一本化されている。
解答:×
試験直前の確認
制度改正については、
①根拠は法律・政令・省令・告示・通知のどれか
②公布・公表日はいつか
③施行日はいつか
④2026年10月11日時点で現行制度なのか
を確認しましょう。
特に、
・介護支援専門員の更新制
・成年後見制度
・夜間対応型訪問介護
・地域権利擁護相談支援センター
については、「改正された」と「すでに施行された」を混同しないことが重要です。
主な参考資料
・厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
・厚生労働省「介護職員の処遇改善」
・厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
・厚生労働省「制度変更(令和7年10月)」
・厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について」
・厚生労働省「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」
・法務省「民法等の一部を改正する法律(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」
・国土交通省「住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について」
※「枝問題風チェック」は、制度理解を深めるため介護キャンパスが独自に作成した確認問題です。実際の試験への出題を予測・保証するものではありません。
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