【週刊】介護・福祉 News ダイジェスト|2026年9月5日~9月11日の注目トピックス

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9月5日から11日の介護・福祉分野では、2027年度介護報酬改定に向けた動きが続きました。

9月10日の第265回社会保障審議会介護給付費分科会では、関係団体との意見交換が始まり、訪問介護、地域包括支援センター、福祉用具、高齢者住まいなどの団体から、現場の実情や次期改定への要望が示されました。第265回は9月10日、第264回は9月3日の開催であることを厚生労働省の公表資料で確認しています。

このほか、認知症関連加算、訪問系サービスの安全対策、障害者雇用、社会福祉法人の地域連携、介護保険最新情報など、現場や事業所運営に関わる動きを紹介します。


【★注目】2027年度介護報酬改定 訪問介護から基本報酬引き上げを要請

発信日:2026.09.10

要旨
厚生労働省は9月10日、第265回社会保障審議会介護給付費分科会を開き、2027年度介護報酬改定に向けた関係団体との意見交換を行いました。今回の議題は「関係団体等意見交換会①」です。

全国ホームヘルパー協議会と日本ホームヘルパー協会は、訪問介護の基本報酬の引き上げを求めています。利用者宅への移動時間や移動経費を抱える訪問介護は、集合住宅を中心にサービスを提供する事業所とは事業構造が異なるとして、その実態を報酬に反映するよう要望しています。両団体が厚生労働省へ要望書を提出したのは9月2日で、その後、9月10日の分科会にも参加しています。

地域によっては移動距離が長く、一日に訪問できる件数にも限りがあります。訪問介護を地域で継続するための報酬をどう設計するかは、2027年度改定を考えるうえで大きな論点になりそうです。

現時点では関係団体からの要望であり、基本報酬の引き上げが決まったものではありません。

出典:厚生労働省/介護ニュースJoint/シルバー新報

元記事URL厚生労働省「第265回社会保障審議会介護給付費分科会」


【★注目】認知症関連加算 算定率の低さが次期改定の論点に

発信日:2026.09.11

要旨
9月3日に開かれた第264回社会保障審議会介護給付費分科会では、「認知症への対応力強化」が議題となり、認知症関連加算の算定状況や研修要件などが資料で取り上げられました

シルバー新報は、厚生労働省が示した認知症関連加算6種類について、サービス別に整理した95項目のうち71項目で、事業所ベースの算定率が3%以下だったと報じています。認知症チームケア推進加算など3種類では、専門的な研修の修了者配置が要件となっています。

分科会では研修要件のあり方をめぐる意見も出ています。評価する仕組みがあっても、現場で算定しにくければ取組は広がりにくいという問題が数字にも表れています。

2027年度改定で、認知症ケアをどのように評価し、事業所が取り組みやすい仕組みにするのか、今後の議論を見ていきたいところです。

出典:シルバー新報/厚生労働省・第264回社会保障審議会介護給付費分科会

元記事URLシルバー新報「認知症関連加算の算定進まず」


【★注目】訪問系サービスのカスハラ・安全対策 厚労省が新たな支援を概算要求

発信日:2026.09.08

要旨
厚生労働省は2027年度予算の概算要求に、ホームヘルパーやケアマネジャーなど、在宅で働く職員の安全確保を支える新たな事業を盛り込みました。介護ニュースJointは、防犯やカスタマーハラスメント対策を後押しする内容として報じています。

報道では、防犯カメラ、GPS機器、ICレコーダー、防護用品などの購入に加え、必要に応じた複数名での同行訪問、自治体や警察、法律の専門家との協議の場づくりなどが支援内容として挙げられています。居宅介護支援事業所についても、ケアマネジャーの安全確保に向けた取組を支援する計画です。

利用者宅を一人で訪れる機会の多い職種にとって、安全確保は日々の仕事に直結します。職員個人の対応力だけに頼らず、事業所として備える仕組みを整える流れが強まっています。

今回の内容は2027年度予算の概算要求です。支援内容や対象、予算規模は今後の予算編成で変わる可能性があります。

出典:介護ニュースJoint/厚生労働省2027年度予算概算要求

元記事URL介護ニュースJoint「介護事業所のカスハラ・防犯対策に補助」


リハビリ・栄養・口腔の連携 2027年度改定へ議論

発信日:2026.09.08

要旨
9月3日の第264回社会保障審議会介護給付費分科会では、口腔・栄養の一体的な取組も議題となりました。厚生労働省は資料4として、口腔機能、栄養状態、リハビリテーションの連携に関する現状や課題を整理しています。

シルバー産業新聞は9月8日、リハビリ・栄養・口腔を一体的に進めるうえで、専門職の確保や加算の簡素化などが論点になっていると報じました。

利用者の食べる力、栄養状態、身体機能は互いに影響します。一方、管理栄養士や歯科衛生士などの配置状況は事業所や地域によって異なります。多職種が連携しやすく、現場で取り組みやすい仕組みにできるかが次期改定で問われます。

出典:シルバー産業新聞/厚生労働省・第264回社会保障審議会介護給付費分科会

元記事URLシルバー産業新聞「リハ・栄養・口腔の一体的取組推進へ」


障害者雇用ビジネス 届出などの法規制を検討

発信日:2026.09.07

要旨
農園やサテライトオフィスなどの就業場所を企業に提供し、障害者の採用や雇用管理を支援する、いわゆる「障害者雇用ビジネス」について、厚生労働省が法規制のあり方を検討しています

8月31日の第141回労働政策審議会障害者雇用分科会では、「障害者雇用ビジネス」の規定や法規制、ガイドラインが議題となりました。開催日と議題は厚生労働省の公表資料でも確認できます。

福祉新聞によると、厚生労働省は事業開始時の届出、ガイドラインに沿った援助、不適切な事案への指導・勧告、情報開示などを盛り込む考えを示しています。分科会では今後さらに議論を進め、年末に報告書を取りまとめる予定です。

現時点では制度化に向けた検討段階です。 届出義務などがすでに施行されているわけではありません。

出典:福祉新聞/厚生労働省・労働政策審議会障害者雇用分科会

元記事URL福祉新聞「障害者雇用ビジネス事業者の届け出義務化へ」


社会福祉法人の地域連携 地域の課題を法人同士で支える動き

発信日:2026.09.08

要旨
福祉新聞は、全国社会福祉法人経営者協議会の全国大会で、社会福祉法人同士の地域連携を一層進める必要性が示されたと報じました。大会は8月27、28日に岐阜市で開かれ、約1300人が参加しています。

少子高齢化や物価高騰で法人経営を取り巻く環境が厳しくなる一方、身寄りのない高齢者への支援や地域で孤立する人への対応など、福祉法人に寄せられる期待は広がっています。

一つの法人だけで抱えることが難しい地域課題もあります。地域の社会福祉法人が、それぞれの人材や専門性を持ち寄る連携は、今後の地域福祉を考えるうえで見逃せない動きです。

出典:福祉新聞

元記事URL福祉新聞「『福祉は綱から網へ』社会福祉法人の連携を求める声」


介護保険最新情報Vol.1541 行方不明者の保険料減免・返還の取り扱いを整理

発信日:2026.09.08

要旨
厚生労働省は9月8日、介護保険最新情報Vol.1541を発出しました。行方不明となった第1号被保険者について、被保険者資格の喪失手続きと、介護保険料の減免・返還の取り扱いを示した事務連絡です

通知では、行方不明が確認されてから住民票が消除されるまで長期間を要する場合、家族の負担も踏まえ、介護保険法第142条に基づく減免として保険料を減免して差し支えないとしています。将来、失踪宣告などによって過去にさかのぼって死亡したとみなされた場合に返還義務が生じる可能性も踏まえ、市町村の判断で全額免除とすることも差し支えないとの考え方が示されました。

全額免除が全国一律に自動適用されるわけではありません。減免の申請にあたり、行方不明届の受理を証明する書類などの提出を求めることも想定されています。具体的な手続きや取り扱いは保険者である市町村への確認が必要です。

出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1541」

元記事URL厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」


介護保険最新情報Vol.1542 補装具と介護保険の福祉用具、個別判断の考え方を再周知

発信日:2026.09.10

要旨
厚生労働省は9月10日、介護保険最新情報Vol.1542を発出し、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度と介護保険制度の適用関係について、改めて留意点を示しました

車いす、歩行器、歩行補助つえなど、補装具と介護保険の福祉用具貸与で重なる品目については、介護保険による給付が優先されることが原則です。

ただし、介護保険の被保険者であることだけを理由に、補装具費支給制度の利用を一律に除外する取り扱いではありません。 医師や身体障害者更生相談所などが、本人の身体状況に合わせた個別対応が必要と判断した場合には、補装具費として支給して差し支えないと通知に明記されています。標準的な既製品では対応できず、オーダーメイドなどによる個別製作が必要な場合などが想定されています。

また、補装具と介護保険の福祉用具の双方の利用要件を満たす場合、最終的にどちらを利用するかは本人の判断となります。身体状況や利用意向、これまでの補装具の利用状況などを確認し、介護支援専門員や福祉用具専門相談員などの関係職種で情報を共有して検討するよう示されています。

ケアマネジャーや相談支援専門員が関わる際には、「65歳以上だから介護保険」と年齢だけで判断しないことが大切です。個々の状態や必要な機能を確認し、必要に応じて介護保険担当と障害福祉担当の双方に確認することが、安全な実務につながります。

出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1542」

元記事URL厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」


☆今週の注目記事を梅沢が読む!

今週は、2027年度介護報酬改定に向けて始まった関係団体との意見交換に注目しました。

訪問介護は、利用者宅でサービスを提供している時間だけで成り立っている仕事ではありません。次の訪問先への移動、記録、連絡調整にも時間がかかります。地域によっては移動距離が長く、一日に訪問できる件数にも限りがあります。

今回、訪問介護の関係団体が基本報酬の引き上げを求めた背景には、こうしたサービス特有の事情があります。

認知症関連加算にも似た問題が見えます。加算を設けても、研修を受けた職員を配置できなければ算定にはつながりません。リハビリ・栄養・口腔の取組でも、専門職を確保できるかどうかは現場によって大きく異なります。

2027年度改定では、報酬の数字とあわせて、その仕組みを現場で実際に動かせるかを見ていきたいと思います。

人員配置、研修機会、地域差、移動にかかる時間、日々の事務負担。こうした現場の条件まで含めて制度設計が進むのか。今後の分科会を追っていきます。


この記事について

本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事をご確認ください。

編集・解説:梅沢佳裕
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰

介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。

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梅沢 佳裕

ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表
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梅沢 佳裕

社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター他。
東京都を拠点に、介護・福祉事業所の人材育成、管理職研修、法定研修、制度改正対応、BCP、カスタマーハラスメント対策などをテーマに、研修講師・コンサルティング・執筆活動を行っています。

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