今週の介護・福祉分野では、住宅型有料老人ホームの登録制や、ケアプランデータ連携システムの移行など、今後の事業所運営に関わる動きがありました。
人材面では、2025年度介護労働実態調査の結果が公表されています。介護職員の離職率は過去最低の水準を維持しましたが、人手不足を感じている事業所の割合は上昇し、ホームヘルパーの不足感は8割を超えました。
障害福祉分野では、生産性向上ガイドラインの策定に向けた検討が始まりました。2027年度(令和9年度)障害福祉サービス等報酬改定に向けて、生産性向上の取組や成果を報酬上どのように評価するかも今後の論点です。
今回は、制度改正、介護DX、人材確保、処遇改善、障害福祉の生産性向上を中心に、2026年7月25日から7月31日までの動きを整理します。
【★注目】住宅型有料老人ホームの登録制、厚労省が制度設計の議論を開始
発信日:2026.07.30
要旨
厚生労働省は、2026年6月に成立した社会福祉法等の一部を改正する法律を受け、住宅型有料老人ホームの登録制に関する具体的な制度設計の議論を始めました。
検討項目には、登録基準、登録対象外となるホームの遵守事項、自治体や事業者の手続き、情報公表、登録対象となる住宅型有料老人ホームの範囲などが挙げられています。
対象範囲については、中重度の要介護者や、認知症・医療ニーズのある入居者を受け入れる住宅型有料老人ホームを含める方向で検討されています。最終的な対象範囲や登録基準は、今後の政省令などで示される予定です。
人員配置、夜間の安全確保、虐待防止、事故対応、運営の透明性も論点となっており、現時点では制度設計の検討段階です。
出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」資料をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47773/
【★注目】ケアプランデータ連携システム、2027年1月頃に介護WEBサービスへ移行予定
発信日:2026.07.30
要旨
厚生労働省は、2026年7月29日付の介護保険最新情報Vol.1529で、ケアプランデータ連携システムを介護情報基盤に統合し、介護保険資格確認等WEBサービス(介護WEBサービス)へ移行する予定を周知しました。
移行時期は2027年1月頃とされ、移行後の利用料は無料となる方針です。2026年7月から12月までは「引っ越し準備期間」とされ、事業所の利用状況に応じた準備が必要になります。
すでに介護WEBサービスの利用登録を終えている場合、改めて登録する必要はありません。現在、ケアプランデータ連携システムだけを利用している事業所は、電子請求受付システムのIDとパスワードを使い、介護WEBサービスへの利用登録を行います。
2026年8月26日13時30分から、全国の事業所を対象としたオンライン説明会がYouTubeライブで開催される予定です。事前申込みは不要と案内されています。
移行後も利用を続ける事業所は、自事業所の登録状況を確認し、年末に作業が集中しないよう準備を進めておきたいところです。
出典:厚生労働省・介護保険最新情報Vol.1529をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47809/
【★注目】介護職の不足感が悪化 ホームヘルパーは82.9%
発信日:2026.07.30
要旨
介護労働安定センターが公表した2025年度介護労働実態調査によると、職員が「不足している」と回答した事業所は65.8%で、前年度から0.6ポイント上昇しました。
職種別では、ホームヘルパーの不足感が最も強く、「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計は82.9%に達しています。施設などで働く介護職員の不足感も69.8%となり、幅広い職種で人材確保の難しさが続いています。
調査は全国1万8,000事業所・施設を対象に実施され、8,955事業所・施設から有効回答を得ています。全国集計のため、地域やサービス種別によって状況は異なりますが、採用方法、勤務体制、業務負担、定着支援を検討する際の参考となる結果です。
出典:介護労働安定センター「2025年度介護労働実態調査」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47788/
介護職員の離職率は12.4% 過去最低の水準を維持

発信日:2026.07.29
要旨
2025年度介護労働実態調査では、介護職員の離職率が12.4%となり、前年度と同じ過去最低の水準を維持しました。比較対象として示された2024年の全産業平均離職率14.2%も下回っています。
一方、事業所ごとの差は残っています。離職率が20%以上の事業所は23.9%で、29歳以下の離職率は17.3%と、年齢別で最も高い結果でした。
離職率の全国平均が低下していても、職場ごとの採用状況や年齢構成、勤務条件は異なります。自事業所の人材定着を検討する際は、全体平均に加えて、職種別・年代別の状況を見ることが欠かせません。
出典:介護労働安定センター「2025年度介護労働実態調査」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47760/
居宅介護支援事業所、8年連続で減少 全国3万5551事業所に
発信日:2026.07.31
要旨
厚生労働省の介護給付費等実態統計によると、2026年4月審査分の居宅介護支援事業所は全国で3万5,551事業所となりました。前年から392事業所、率にして1.1%減少しています。
減少は8年連続で、ピークだった2018年と比べると11.3%少ない水準です。
ケアマネジャーの高齢化、人材不足、事業所の経営環境などは、居宅介護支援を取り巻く課題として指摘されています。ただし、介護給付費等実態統計は事業所数の動きを示す統計であり、減少の原因まで特定するものではありません。
地域によっては、利用者が居宅介護支援事業所を選びにくくなることや、事業所ごとの担当件数が増えることも考えられます。全国値とあわせて、地域の事業所数や人員体制を確認していく必要があります。
出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計」をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47848/
障害福祉の生産性向上、ガイドライン策定と報酬上の評価を検討
発信日:2026.07.28
要旨
厚生労働省は、障害福祉分野における人材確保と生産性向上を検討する会合の初会合を開き、障害福祉分野における生産性向上ガイドラインの策定方針を示しました。
今後は、共通編と各サービス編の作成が進められる予定です。2026年10月頃に共通編の暫定版と各サービス編の中間報告、11月頃に各サービス編の暫定版を示すスケジュール案が公表されています。
生産性向上の取組や成果を評価する仕組みについては、実証研究を行いながら検討する方針です。2027年度(令和9年度)障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論にもつながりますが、具体的な加算や算定要件は決まっていません。
障害福祉分野の生産性向上は、業務負担の軽減や人材確保、支援の質の向上を目指す取組として検討されています。各サービスの特性や、利用者一人ひとりに応じた支援を踏まえた内容になるかが今後の焦点です。
出典:厚生労働省「障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会」資料をもとにしたJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47709/
介護職の賃上げへ労働組合が要請 処遇改善加算の基本報酬への組み込みも提言
発信日:2026.07.31
要旨
UAゼンセンと日本介護クラフトユニオンは、2027年度(令和9年度)介護報酬改定に向けた要請書を厚生労働省へ提出しました。
要請では、物価上昇や他産業の賃上げを踏まえた介護報酬の引き上げ、介護従事者と他産業との賃金格差の是正、処遇改善加算の基本報酬への組み込みなどを求めています。
処遇改善加算の仕組みを簡素化し、介護従事者の賃金改善を安定的に行える制度にすることが提言の趣旨です。
現時点では労働組合から示された要請であり、処遇改善加算の基本報酬への組み込みや、介護報酬の引き上げが決まったものではありません。
出典:UAゼンセン・日本介護クラフトユニオンの要請を伝えるJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/47868/
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、ケアプランデータ連携システムの移行準備が始まっていることです。
2027年1月頃の移行と聞くと、まだ時間があるように感じます。しかし、介護WEBサービスへの登録を進める準備期間は、すでに2026年7月から始まっています。
現在、ケアプランデータ連携システムだけを利用している事業所は、移行後の継続利用に向けて介護WEBサービスへの登録が必要です。すでに登録済みの事業所は、改めて登録する必要はありません。まずは自事業所がどの状況に当てはまるのかを確認することが出発点になります。
ケアプランデータ連携は、居宅介護支援事業所とサービス事業所の間で、正確かつ効率的に情報を共有するための仕組みです。移行時に混乱が生じないよう、担当者だけに任せず、事業所内で対応手順と時期を共有しておくと安心です。
8月26日の説明会も活用しながら、年末に作業が集中しないよう、余裕を持って準備を進めたいところです。
この記事について
編集・解説:梅沢佳裕(ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰)
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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