〖生活相談員・施設ケアマネジャー研修〗役割と課題|一般社団法人 茨城県老人福祉施設協議会 生活相談員・施設ケアマネジャー研究会様

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2026年9月16日(水)、一般社団法人 茨城県老人福祉施設協議会 生活相談員・施設ケアマネジャー研究会様主催の「令和8年度 相談員・施設介護支援専門員研修」に登壇させて頂きました。

研修テーマは、「生活相談員・施設ケアマネジャーの役割と課題」です。
研修は10時から16時30分までの集合研修として、午前の部・午後の部に分けて実施しました。

生活相談員と施設ケアマネジャーは、本人、家族、介護職、看護職、管理者、関係機関など、多くの人と関わりながら支援を進めています。

本人の意向と家族の希望が一致しない場面、多職種の見方が分かれる場面、施設としての方針や安全面を踏まえて判断する場面など、実務上の迷いは少なくありません。

本研修では、こうした実践上の迷いや悩みを出発点に、生活相談員・施設ケアマネジャーが担う役割と専門性を捉え直すことを中心に据えました。

1.研修概要

■研修名
生活相談員・施設ケアマネジャーの役割と課題

■副題
本人・家族・多職種との関わりから専門性を考える

■主催
一般社団法人 茨城県老人福祉施設協議会 生活相談員・施設ケアマネジャー研究会様

■開催日時
2026年9月16日(水)10:00~16:30

■実施形式
集合研修

■対象
生活相談員、施設介護支援専門員(施設ケアマネジャー)など

研修では、最初に役割や専門機能を説明するのではなく、参加者が日頃感じている迷いや悩みを出し合い、その背景にある問題を整理するところから始めました。

午前は、本人・家族・多職種との関わりを振り返り、実務上の「問題」を捉えることに重点を置きました。午後は、その問題を「何に取り組む必要があるのか」という課題へ置き換え、誰と何を確認し、どのような働きかけが必要なのかを検討しました。

2.午前の部|実践の迷い・悩みから「問題」を捉える

午前の部では、参加者自身の実践を振り返り、本人・家族・多職種との関わりの中で感じている迷いや悩みを言葉にしました。

〖午前のプログラム〗

項目内容
オリエンテーション・アイスブレイク研修のねらいと進め方の共有
講義①自分たちの役割と専門性を見つめる
ワーク①実践での迷い・悩みから「問題」を捉える
全体共有・意見交換グループで見えてきた迷い・悩みや問題を共有
講義②実践から役割と専門性を捉え直す
昼休み模造紙を掲示し、ギャラリー共有

ワーク①では、本人・家族・多職種との関わりの中で生じる迷いや難しさを付箋に書き出し、グループで共有しました。

主な検討テーマは、

  • 本人の意向をどのように支援へ反映するか
  • 本人と家族の希望が異なる場合にどう関わるか
  • 多職種間で見方や考え方が異なるとき、どう調整するか
  • 生活相談員・施設ケアマネジャーとして、どこまで関わるか

といった内容です。

生活相談員や施設ケアマネジャーの実務では、本人の自己決定、家族支援、多職種協働、施設としての責任など、複数の要素が重なります。

そのため、迷いが生じたときには、個人の力量だけに原因を求めるのではなく、何が判断や関わりを難しくしているのかを整理することが重要です。

午前の最後には、各グループで検討した内容を模造紙にまとめ、昼休みには会場内でギャラリー共有を行いました。

3.午後の部|「問題」を「課題」に変える

午後の部では、午前に見えてきた問題を手がかりに、問題点から課題(何に取り組む必要があるのか)の明確化に取り組みました。

〖午後のプログラム〗

項目内容
ギャラリー共有他グループの考えや実践に触れる
講義③問題点から「課題」を明確にする
ワーク②課題と解決への道筋を考える
講義④複合的な実務課題を捉える視点
ワーク③実践を「役割・専門機能」から捉え直す
講義⑤本人・家族・多職種との関わりから専門性を深める
まとめ・振り返り明日からの実践につなげる

たとえば、「家族の要望が強く、対応が難しい」という状況があった場合、家族への返答だけを考えても十分ではありません。

  1. 家族が何を心配しているのか。
  2. 本人はどのような生活を望んでいるのか。
  3. 介護職や看護職はどのように見ているのか。
  4. 施設サービス計画との整合は取れているか。
  5. 施設として説明しておくべきことは何か。

こうした点を整理することで、漠然とした「困った状況」が、専門職として取り組む課題として見えやすくなります。

ワーク②では、誰と何を確認し、どのように共有するかまで検討し、クロス共有を通して他グループの考え方にも触れました

4.生活相談員と施設ケアマネジャー、それぞれの専門性

午後の講義では、同じ支援場面に関わっていても、生活相談員と施設ケアマネジャーでは、確認する内容や担う役割に違いがあることを整理しました。

生活相談員が担う主な専門機能

生活相談員には、本人・家族との相談援助を基盤として、

  • 相談援助
  • アセスメント
  • 関係形成
  • 権利擁護
  • 意思決定支援
  • 代弁
  • 連携・調整
  • 仲介・媒介

などのソーシャルワーク機能があります。

本人や家族の思いを把握し、必要な支援や関係者につなぎ、支援関係を調整していく役割を担います。

施設ケアマネジャーが担う主な専門機能

施設ケアマネジャーは、

  • アセスメント
  • 計画化
  • 支援統合・連携調整
  • モニタリング
  • 評価・再アセスメント

などのケアマネジメント機能を担います。

本人の生活目標を軸に、介護職、看護職、栄養職、機能訓練職などの専門的な見方を持ち寄り、施設サービス計画へ結びつけていきます。

両職種には、個別の専門機能がある一方で、互いに共通する機能もあります。そこで両職種の役割が重なる場面では、役割分担だけを考えるのではなく、本人の生活を中心に、それぞれの専門性を持ち寄ることが求められます。

5.実践を「専門性」として言葉にする

ワーク③では、ワーク②で考えた具体的な取り組みについて、「なぜ、その関わりが必要だったのか」を振り返りました。

  • 「本人の話を聞く」
  • 「家族に説明する」
  • 「介護職や看護職と確認する」
  • 「カンファレンスにつなぐ」

こうした日常的な実践も、その意味を整理すると、相談援助、意思決定支援、権利擁護、連携・調整、ケアマネジメントといった専門機能として捉えることができます。

自分の実践を専門職として意味づけることは、その経験を別の場面へ応用していくうえでも大切です。

今回の研修では、個別場面への対応方法を覚えることよりも、問題に直面したとき、専門職としてどのように考え、支援の道筋を組み立てるかを重視しました。

6.集合研修だからこそ得られた学び

今回は、久しぶりに顔を合わせて行う集合研修となりました。

午前のグループワークから活発な意見交換があり、午後のギャラリー共有やクロス共有でも、和やかな雰囲気の中でさまざまな意見が交わされました。

生活相談員や施設ケアマネジャーは、自施設では本人・家族・多職種との調整役を担うことが多い一方、他の事業所で同じ役割を担う職員と、日頃の実践について話し合う機会は限られています。

今回の研修では、他事業所の実践や考え方に触れ、自らの取り組みを振り返る良い機会にもなったのではないかと思います。

同じ職種同士が顔を合わせ、それぞれの経験や工夫を共有できたこと自体も、今回の集合研修を開催した意義の一つです。

おわりに

生活相談員と施設ケアマネジャーは、本人の生活を支えるために、さまざまな人や情報をつなぐ役割を担っています。

  • 本人の意向を確認すること。
  • 家族の不安や希望を把握すること。
  • 多職種の専門的な見方を共有すること。
  • 支援方針を調整すること。
  • 必要に応じて組織へ働きかけること。

こうした一つひとつの実践に、相談援助職・ケアマネジメント職としての専門性があります。

今回の研修が、参加者の皆さまにとって、自身の役割や専門性を改めて確認し、今後の実践を考える機会となれば幸いです。

また、研修開催にあたり、企画段階から当日まで何度も打ち合わせや確認を重ねてくださった一般社団法人 茨城県老人福祉施設協議会 生活相談員・施設ケアマネジャー研究会の事務局ご担当者様に、心より感謝申し上げます。

研修内容や進行について丁寧に調整いただき、当日の運営まで細やかにご準備いただきました。

ご参加くださった生活相談員・施設ケアマネジャーの皆さま、一般社団法人 茨城県老人福祉施設協議会 生活相談員・施設ケアマネジャー研究会の皆さまに、改めて御礼申し上げます。

生活相談員・施設ケアマネジャー研修をご検討の皆さまへ

生活相談員・施設ケアマネジャーを対象とした研修では、制度や職務内容の確認に加えて、日頃の実践を振り返り、それぞれの役割と専門性を整理する機会を設けることができます。

今回のように、

  • 本人・家族との相談援助
  • 意思決定支援・権利擁護
  • 家族支援
  • 多職種連携・合意形成
  • 施設ケアマネジメント
  • 苦情・カスタマーハラスメント対応
  • 相談職の役割整理

などを組み合わせた研修も可能です。

講義とグループワークを組み合わせた一日研修、半日研修、オンライン研修など、研修目的や対象者に応じて内容を構成しています。

生活相談員研修、施設ケアマネジャー研修、多職種連携研修等をご検討の法人・団体・研修企画ご担当者様は、介護キャンパスの「お問い合わせ」または、ベラガイア17公式ホームページの「お問い合わせ」よりご連絡ください。

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梅沢 佳裕

ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表
最新福祉情報サイト【介護キャンパス】主宰
梅沢 佳裕

社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター他。
東京都を拠点に、介護・福祉事業所の人材育成、管理職研修、法定研修、制度改正対応、BCP、カスタマーハラスメント対策などをテーマに、研修講師・コンサルティング・執筆活動を行っています。

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公的資料や最新通知を確認しながら、制度と現場実践をつなぐ分かりやすい解説を心がけています。

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