介護福祉士国家試験のAパートは、早めに得点につなげたいパートです。
Aパートには、介護福祉職としての考え方、制度、コミュニケーション、生活支援技術などが含まれます。範囲は広いですが、最初から全部を同じ重さで勉強しようとすると、かえって迷いやすくなります。
まず取り組みたいのは、現場経験と結びつけやすい「介護の基本」と「生活支援技術」です。
この2つは、日々の支援場面を思い浮かべながら学びやすい科目です。ただし、現場感覚だけで解こうとすると、選択肢で迷うことがあります。
試験では、「なぜその支援が適切なのか」を言葉で理解しておくことが大切です。
Aパートは現場経験を得点に変えやすい
Aパートは、介護福祉職としての土台を問う内容が中心です。
たとえば、利用者の尊厳を守ること、自立を支えること、安全に配慮すること、本人の意思を確認することなどです。
これらは、普段の介護現場でも大切にしていることです。
ただし、試験では「現場でいつもやっているから分かる」だけでは不十分です。選択肢の中には、一見よさそうに見えても、本人の意思を確認していなかったり、介護職が一方的に決めていたりするものがあります。
現場経験を得点に変えるには、支援の根拠を短い言葉で整理しておく必要があります。
介護の基本は3つに絞って押さえる
介護の基本では、まず次の3つを優先して確認しましょう。
尊厳
自立支援
ICFの考え方
尊厳では、利用者を「介護される人」としてだけでなく、一人の生活者として見る視点が大切です。本人の希望、生活歴、価値観を無視した支援は、不適切な選択肢になりやすいです。
自立支援では、「できないから全部介助する」のではなく、本人ができることを活かす考え方を押さえます。安全に配慮しながら、本人が参加できる方法を考えることが基本です。
ICFでは、できないことだけに注目しません。心身機能、活動、参加、環境因子を合わせて見ることが大切です。
この3つを押さえると、介護の基本だけでなく、生活支援技術や総合問題にもつながります。
生活支援技術は4場面から始める
生活支援技術は範囲が広い科目です。
最初は、次の4場面から始めると学習しやすくなります。
食事
排泄
入浴
移動・移乗
食事では、姿勢、誤嚥予防、本人のペースを確認します。食べやすさだけでなく、安全と楽しみの両方を見ることが大切です。
排泄では、羞恥心、プライバシー、自立支援が問われやすいです。介助の手順だけでなく、声かけや環境づくりも確認しましょう。
入浴では、体調確認、転倒予防、温度差への配慮が重要です。入浴は事故につながりやすい場面でもあるため、安全確認の視点が必要です。
移動・移乗では、残存機能、介助量、声かけ、福祉用具の使い方を確認します。本人の力を使わずに全介助する選択肢は、注意して読む必要があります。
手順よりも「理由」で覚える

生活支援技術は、手順だけを丸暗記しようとすると苦しくなります。
大切なのは、「なぜそうするのか」を考えることです。
- なぜ食事前に姿勢を整えるのか。
- なぜ排泄時にプライバシーへ配慮するのか。
- なぜ入浴前に体調を確認するのか。
- なぜ移乗時に本人の力を活かすのか。
この理由が分かると、選択肢で迷いにくくなります。
試験では、細かな手順そのものよりも、尊厳、自立支援、安全、生活の継続に合っているかが問われます。
「この支援は本人のためになっているか」
「本人の力を奪っていないか」
「安全だけに偏りすぎていないか」
この視点で問題を読むと、正しい選択肢を選びやすくなります。
一問一答で確認し、過去問で問われ方を見る
Aパートを得点につなげるには、参考書を読むだけでは足りません。
まずは一問一答で、尊厳、自立支援、ICF、食事、排泄、入浴、移動などの基本知識を確認します。間違えた問題には印をつけておきます。
次に、同じテーマの過去問を解きます。
一問一答で確認した知識が、実際の問題文ではどのように問われるのかを見るためです。
過去問を解いたら、点数だけを見ずに、解説を読みましょう。なぜその選択肢が正しいのか。なぜ他の選択肢が不適切なのか。ここを確認すると、次に似た問題が出たときに判断しやすくなります。
- 問題を解く。
- 解説を読む。
- 間違えた理由を確認する。
- 数日後にもう一度解く。
この流れを作ることで、知識が試験で使える形に変わっていきます。
学習メニューは「問題演習+解説確認」で組み立てる
Aパートの学習では、問題に触れる時間と、解説を確認する時間の両方が必要です。
平日は、30〜45分を目安にします。
- 一問一答で基本知識を確認する。
- 介護の基本または生活支援技術の過去問を解く。
- 間違えた問題の解説を読む。
- 分からなかった用語をメモする。
休日は、少しまとまった時間を取り、平日に間違えた問題を解き直します。食事、排泄、入浴、移動・移乗のうち、苦手な場面を参考書で確認するのもよいでしょう。
疲れている日は、一問一答だけでも構いません。ただし、それは十分な学習量という意味ではありません。学習を完全に止めないための最低ラインです。
基本は、問題を解き、解説を確認し、間違えた問題に戻ることです。
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