令和8年4月10日付で、厚生労働省から介護保険最新情報Vol.1492が示されました。今回の通知は、「介護保険法施行令第37条の13第5項の規定に基づき厚生労働大臣が定める事由第5号の規定に基づき厚生労働省老健局長が定める事由について」と、「令和6年度以降における地域支援事業交付金に係る介護保険法施行令第37条の13第5項の厚生労働大臣が認める額の取扱いについて」の一部改正を知らせるものです。通知では、令和8年度報酬改定に伴い一部改正し、令和8年4月1日から適用するとされています。
今回の改正は、介護予防・日常生活支援総合事業について、原則の上限額を超える場合に個別協議で認められる上限超過承認額の考え方を、令和8年度報酬改定後の加算体系などに合わせて整えたものです。したがって、現場のサービス手順を直接変える通知というより、市町村が地域支援事業交付金の個別協議を行う際の実務ルールを更新した通知と理解するのが適切です。
今回の改正で押さえたいポイント
今回のVol.1492で実務者が押さえたいポイントは、次のとおりです。
- 第一号介護予防支援事業が、賃金引上げ措置の対象に加わったこと
- 令和8年6月1日以降の処遇改善加算区分に対応した別表へ見直されたこと
- 上限超過承認額の算定に関する端数処理の表現が整理されたこと
- 災害時の上限超過承認額で控除する対象の表現が修正されたこと
1.賃金引上げ措置の対象に第一号介護予防支援事業が追加
別添1の改正後では、賃金を更に引き上げるための措置の対象として、従前の第一号訪問事業と第一号通所事業に加え、第一号介護予防支援事業が明記されました。あわせて、対象となる措置は、介護職員等処遇改善加算の支給等と整理されています。
このため、市町村実務では、総合事業における賃金引上げ措置に関する個別協議を考える際、第一号介護予防支援事業も対象に含めて確認する必要がある、という改正です。
2.別表が令和8年6月以降の加算体系に合わせて見直し
別添2の別表では、旧の令和6年度・令和7年度ベースの整理から、「令和8年5月31日までに実施した措置」と「令和8年6月1日以降に実施した措置」という区分に見直されています。さらに、令和8年6月1日以降については、第一号訪問事業、第一号通所事業(利用定員19人以上・19人未満)、第一号介護予防支援事業ごとに、処遇改善加算の区分と率が整理されています。
ここは、令和8年度報酬改定後の加算体系にあわせて、上限超過承認額の算定で使う率表を差し替えたという理解でよいです。
3.端数処理の表現整理
別添2では、上限超過承認額の算定に関する複数の箇所で、旧の「小数点以下一位未満の端数があるときは、これを四捨五入する」という表現が、新では「小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する」へ改められています。これは、75歳以上被保険者数変動率が1を下回る市町村の取扱い、賃金引上げ措置の実施に係る上限超過承認額、効果的な総合事業の実施に係る上限超過承認額などで確認できます。
実務上は、算定時の端数処理との表記に整理された点として押さえるのがよいでしょう。
4.災害時の控除対象の表現修正
別添2では、災害による居宅要支援被保険者等の数の増加に係る上限超過承認額について、旧の**「介護予防・日常生活支援総合事業特別調整交付金の交付対象となる費用の額」**に関する表現が修正されています。改正後は、交付対象となる費用の額を控除すると解釈できる表記になっています。
この部分は、制度趣旨を変えるというより、控除対象の表現を適切に整えた改正として読むのが安全です。
実務者としてどう読み解いて頂きたいか…
今回のVol.1492は、主に市町村の地域支援事業交付金実務に関わる通知です。とくに、総合事業の上限超過承認額について個別協議を行う自治体担当者にとっては、別表の率や対象事業、端数処理の表現などを最新化して確認しておく必要があります。
一方で、事業所側の通常のサービス提供実務が、この通知だけで直ちに大きく変わるという性質のものではありません。したがって、介護キャンパス(本サイト)で解説する際も、「総合事業の交付金上限超過承認額の取扱い見直し」という位置づけで簡潔に整理しつつ、解説しております。
まとめ
Vol.1492は、介護予防・日常生活支援総合事業の原則上限額を超える場合の個別協議ルールについて、令和8年度報酬改定に対応して通知を見直したものです。主なポイントは、第一号介護予防支援事業の追加、令和8年6月以降の処遇改善加算区分に対応した別表への更新、端数処理や控除対象表現の整理です。適用は令和8年4月1日です。
※ご確認いただきたい点
本記事は、厚生労働省が公表した介護保険最新情報Vol.1492の原文(※)に沿って、実務者向けに要点を整理したものです。
できる限り正確を期して記載していますが、実際の運用判断にあたっては、必ず厚生労働省の原通知・関係告示・最新の疑義解釈等の一次情報をご確認ください。
とくに、厚労省通知や医療関係の情報は、通知本文の文脈や関連する告示・算定ルールをあわせて確認することが重要です。
本記事は実務理解を助けるための参考情報であり、最終的な判断は必ず元情報に基づいて行っていただくことをおすすめします。
著者(講師)
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表 梅沢 佳裕
社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター/介護キャンパス 主宰
関連リンク(※出典)
■介護保険最新情報vol.1492(「介護保険法施行令第37条の13第5項の規定に基づき厚生労働大臣が定める事由第5号の規定に基づき厚生労働省老健局長が定める事由について」及び「令和6年度以降における地域支援事業交付金に係る介護保険法施行令第37条の13第5項の厚生労働大臣が認める額の取扱いについて」の一部改正について)(令和8年4月10日厚生労働省老健局長通知)
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