(筆者:ベラガイア17人材開発総合研究所 代表 梅沢佳裕:社会福祉士・ケアマネジャー)
令和8年3月13日、厚生労働省は
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」
を公布しました。今回のVol.1476は、その正式公布を知らせる通知です。
この告示は全77ページに及び、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、居宅介護支援など、幅広いサービスの単位数表を改正しています。
ただ、現場実務として最も重要なのは、介護職員等処遇改善加算の区分・率の見直しが広範囲に行われていることです。
今回の通知の位置づけ
「令和8年度介護報酬改定」の正式な単位数改正
Vol.1476は、1月16日の社会保障審議会介護給付費分科会で答申を得た改正案について、令和8年厚生労働省告示第87号として正式に公布されたことを通知しています。
つまり、「今後こうなる予定」という段階ではなく、報酬算定基準そのものが改正されたという位置づけです。
そのため、事業者としては、概要だけでなく、自分のサービスに関係する単位数表・加算区分がどう変わったかを具体的に確認する必要があります。
実務者がまず押さえるべきポイント
介護職員等処遇改善加算が大きく見直された
今回の改正では、各サービスの単位数表の中で、介護職員等処遇改善加算の区分や加算率の見直しが目立ちます。
訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、通所リハビリテーションなど、既存の対象サービスでは、従来の区分に加えて「Ⅰイ」「Ⅰロ」「Ⅱイ」「Ⅱロ」のような新しい整理が入り、加算率も改められています。
さらに重要なのは、これまで対象外だったサービスにも、介護職員等処遇改善加算が新設されていることです。
告示本文から確認できる範囲でも、少なくとも次のサービスで新設が確認できます。
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅介護支援
- 介護予防ケアマネジメント
このため、これまで「自分の事業所は処遇改善加算の対象外」と理解していた事業所にとっては、大きな実務変更になります。
処遇改善加算の算定実務で注意したいこと
加算が新設・見直しされた=自動算定ではない
今回の告示では、各サービスごとに
「老健局長が定める様式による届出を行った事業所が算定する」
という構造が繰り返し示されています。
つまり、加算区分が改正・新設されたとしても、届出なしに自動で算定できるわけではありません。
処遇改善加算の算定を考える事業者は、別途示される届出様式や関連通知もあわせて確認し、
- どの区分を取るのか
- どの行政庁に届け出るのか
- いつから算定できるのか
を整理する必要があります。
特に、居宅介護支援や介護予防ケアマネジメントでは届出先が市町村長となっている点も、実務上の見落としに注意したいところです。
施行時期も重要
原則は令和8年6月1日、一部は8月1日施行
附則では、この告示の施行期日について、
原則として令和8年6月1日から施行するとされています。
ただし、第9条から第12条まで、第14条および第15条の規定は令和8年8月1日から施行とされています。
このため、事業者としては「全部が6月一斉」という理解ではなく、
サービス種別や改正条文によって施行時期が異なる可能性があることを意識しておく必要があります。
まとめ
Vol.1476は「告示が正式に出た」ことを知らせる重要通知
今回のVol.1476は、令和8年度介護報酬改定に伴う指定居宅サービス等の単位数表の改正告示が正式に公布されたことを知らせる通知です。
実務上の焦点は、
- 介護職員等処遇改善加算の区分・率の見直し
- 訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援、介護予防ケアマネジメント等への新設
- 届出を前提とした算定実務
- 施行日が原則6月1日、一部8月1日であること
の4点にあります。
告示本文は難解ですが、事業者にとって大切なのは、
「自分のサービスにどの加算がどう新設・改正されたのか」を確認し、
必要な届出と準備を進めることです。
著者(講師)
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表 梅沢 佳裕
社会福祉士・介護支援専門員・アンガーマネジメントファシリテーター
関連リンク
■介護保険最新情報vol.1476(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示の公布について)(令和8年3月13日厚生労働省老健局高齢者支援課、認知症施策・地域介護推進課、老人保健課事務連絡)
●カテゴリTOP(介護保険最新情報・ニュースまとめ)
https://kaigocampus.com/category/kaigo-news/
●介護キャンパスTOP
https://kaigocampus.com/

