今回は、令和8年度 北海道社会福祉協議会様主催の法定研修として、
「高齢者虐待防止の体制づくり」をテーマに研修を実施しました。
副題は、「管理者に求められる組織づくり・ラインケア・感情マネジメント」です。
高齢者虐待防止は、職員個人の意識だけで完結するものではありません。
小さな違和感を早めに把握し、相談・報告を止めず、虐待防止委員会や研修、記録、職員支援を現場改善につなげていくことが求められます。
本研修では、管理者の皆さまを主な対象に、高齢者虐待防止を現場管理の課題として捉え、組織としてどのように防止体制を機能させるかを整理しました。
1.研修概要
■テーマ
高齢者虐待防止の体制づくり
― 管理者に求められる組織づくり・ラインケア・感情マネジメント
■主催
令和8年度 北海道社会福祉協議会様 主催
■研修区分
法定研修
■対象
高齢者福祉施設・介護事業所等の管理者、責任者、リーダー職の皆さま
〖研修プログラム〗
| 項目 | 内容 | 研修で扱った主な視点 |
|---|---|---|
| オリエンテーション | 本日のねらいと流れ | 高齢者虐待防止を管理者の現場管理として捉え、研修全体の視点を共有しました。 |
| 講義① | 管理者が現場で取り組む虐待防止の基本 | 高齢者虐待防止法、5つの虐待類型、不適切ケア、小さな違和感、初期対応の流れを確認しました。 |
| 講義② | 虐待を防ぐための組織体制づくり | 相談・報告を止めない仕組み、虐待防止委員会、研修、指針、マニュアルを現場改善につなげる視点を整理しました。 |
| ワーク | 自事業所の虐待防止体制と管理者の課題を振り返る | 自事業所の体制を振り返り、管理者としての悩み、判断に迷う場面、職員との関わりで難しい点を共有しました。 |
| 講義③ | ラインケアと感情マネジメントから考える虐待防止 | 職員の疲弊、焦り、習慣化に着目し、管理者による声かけ、面談、チーム支援、感情マネジメントの視点を確認しました。 |
| まとめ・振り返り | 明日からの行動整理 | 小さな違和感を早めに拾うこと、体制を現場改善につなげること、職員を孤立させずチームで支えることを確認しました。 |
2.研修の様子
研修の前半では、管理者が押さえておきたい高齢者虐待防止法の基本を確認しました。
高齢者虐待防止では、身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待の5類型を理解することが基本になります。
ただし、現場で大切なのは、類型を知ることにとどまりません。
強い口調、急かし、説明不足、利用者の訴えを受け止めない対応など、日常の関わりの中にある不適切ケアの芽に早く気づくことが、虐待防止の入口になります。
講義①では、虐待が疑われる場面で管理者がどのように初期対応を行うかを整理しました。
まず利用者の安全を確認し、いつ、どこで、誰が、どのような対応をしたのかを把握します。あわせて、利用者への影響、職員が置かれていた状況、業務の重なりや対応に迷った背景も確認していきます。
講義②では、虐待を防ぐための組織体制づくりを扱いました。
虐待防止委員会、研修、指針、マニュアル、相談・報告体制は、整備すること自体が目的ではありません。現場の困りごとやケア方法の見直しにつながってこそ、虐待防止の体制として機能します。
相談・報告が管理者に届く仕組み、複数の相談先、報告後のフィードバック、記録や苦情、ヒヤリハットを活かした課題把握など、管理者が日常業務の中で確認したい点を整理しました。
ワークでは、自事業所の虐待防止体制を振り返りながら、管理者としての課題を共有しました。
主な論点は、次の通りです。
- 小さな違和感をどう把握しているか
- 職員の気になる対応にどう関わっているか
- 指針・マニュアル・委員会・研修が現場改善につながっているか
- 管理者として特に難しいと感じていることは何か
後半の講義③では、ラインケアと感情マネジメントを取り上げました。
虐待や不適切ケアの背景には、職員の疲弊、焦り、孤立、対応困難感が関係していることがあります。管理者が職員の表情、声のトーン、ミスの増加、遅刻や欠勤などの変化に気づき、早めに声をかけることは、虐待防止の土台となるラインケアです。
また、怒りや焦りをそのまま言葉や態度に出さないために、6秒ルール、怒りの温度計、コーピング・マントラ、タイムアウトなど、感情マネジメントの基本も確認しました。
今回の研修では、虐待防止を「職員に注意すること」だけで捉えるのではなく、利用者の尊厳を守りながら、職員を孤立させず、チームで支える体制をつくることを大切にしました。
おわりに
高齢者虐待防止の体制づくりは、書類や委員会を整備するだけで完成するものではありません。
日々のケアの中で起こる小さな違和感を早めに拾い、相談・報告を止めず、職員を孤立させず、チームで支える。その積み重ねが、不適切ケアの早期把握と虐待防止につながります。
管理者には、利用者の尊厳を守る視点と同時に、職員が安心して相談できる職場づくりを進める役割があります。
今回の研修が、各事業所における虐待防止体制、管理者の関わり、職員支援の見直しにつながれば幸いです。
高齢者虐待防止研修・管理者研修をご検討中の皆さまへ
今回の研修では、高齢者虐待防止を管理者の現場管理として捉え、組織づくり、相談・報告体制、虐待防止委員会、ラインケア、感情マネジメントを組み合わせて整理しました。
介護施設・介護事業所では、
- 虐待防止委員会や研修を現場改善につなげたい
- 不適切ケアの小さなサインを早期に把握したい
- 職員の疲弊や感情面にも配慮した虐待防止を学びたい
- 管理者・リーダー職向けに実務的な虐待防止研修を実施したい
といった課題が多くあります。
ベラガイア17では、各施設・事業所の状況に合わせて、虐待防止、身体拘束適正化、不適切ケア防止、管理者研修、リーダー研修、感情マネジメント研修など、実務に直結する研修を設計しています。
集合研修・オンライン研修とも対応可能です。
同様のテーマでの研修をご検討中の法人様・施設様・研修企画ご担当者様は、
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