厚生労働省は令和8年10月15日、介護保険最新情報Vol.1546「介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用の再開について 等」を発出しました。
一時停止していた介護サービス事業者経営情報データベースシステムの報告受付が、令和8年10月26日から再開されました。今回の通知では、報告期限の変更と報告事項の一部見直しも示されています。
施設長・管理者、法人本部、経理・事務担当者にとっては、報告対象となる会計年度と提出期限の確認が欠かせません。通知の内容をもとに、実務上のポイントを整理します。
介護サービス事業者経営情報DBが再開|報告期限は3区分
介護サービス事業者経営情報の報告制度は、介護保険法第115条の44の2に基づき、令和6年4月から始まりました。
対象となる介護サービス事業者は、原則として毎会計年度の経営情報を、事業所・施設の所在地を管轄する都道府県知事に報告することとされています。
その後、報告負担の軽減に向けたシステム改修などのため、令和7年3月以降に終了する会計年度に係る2回目以降の報告について、受付が一時停止されていました。
今回、システムの対応が完了したことから、報告受付が再開され、当面の報告期限も変更されています。
会計年度ごとの報告期限
| 会計年度の終了時期 | 報告期限 |
|---|---|
| 令和7年3月~令和8年2月 | 令和8年12月31日 |
| 令和8年3月~同年12月 | 令和9年3月31日 |
| 令和9年1月以降 | 会計年度終了後3か月以内 |
例えば、3月決算の法人では、令和7年3月に終了した会計年度の報告期限は令和8年12月31日、令和8年3月に終了した会計年度の報告期限は令和9年3月31日となります。
受付停止期間中の報告が残っている場合、複数の会計年度について提出が必要になることがあります。 会計年度ごとの報告状況を確認しておきましょう。
なお、令和9年1月以降に会計年度が終了する報告については、通常の「会計年度終了後3か月以内」の取扱いとなります。
報告対象外となる場合もある
経営情報の報告は、対象となる介護サービス事業者に原則として義務付けられています。ただし、次のいずれかに該当する場合には、報告を求めない取扱いが設けられています。
- 当該会計年度に提供した報告対象の介護サービスについて、対価として受け取った金額が100万円以下の場合
- 災害その他、都道府県知事への報告ができない正当な理由がある場合
報告対象の介護サービスと対象外のサービスを併せて提供している場合、100万円の基準は報告対象サービスの対価で判断します。
また、複数の事業所・施設を運営し、それぞれ会計区分を行っている場合には、報告対象サービスの対価が100万円以下の事業所・施設を、報告対象外として取り扱うことも認められています。
ただし、法人単位で報告する場合には、取扱いが異なることがあります。報告対象の判断には、サービス種別、収入額、会計区分の確認が必要です。
なお、居宅介護支援は報告対象ですが、居宅療養管理指導と介護予防支援は対象サービスに含まれていません。自法人が提供するサービスの該当状況も確認してください。
報告事項の追加と、管理者・事務担当者が確認したいこと
今回の通知では、報告精度の改善を目的として、経営情報の実施上の留意事項も一部改正されました。
延べ床面積に関する3項目を追加
新たに追加された報告事項は、次の3項目です。
- 介護サービスごとの延べ床面積
- 医療における延べ床面積
- 障害福祉サービスにおける延べ床面積
改正後の別紙1では、これらはいずれも任意記載項目とされています。
報告事項に追加されたものの、すべての事業者に入力が義務付けられたわけではありません。
一方、介護サービス以外の事業を併せて実施している場合には、収益・費用の会計区分によって報告時の取扱いが異なります。
医療・障害福祉サービスを併せて運営している場合
経営情報の報告は、原則として介護サービス事業に係る収益・費用等を対象とします。
ただし、医療や障害福祉サービスを併せて運営し、介護サービス分とその他の事業分の収益または費用を区分して報告できない場合には、介護サービス以外の事業に係る部分も含めて報告して差し支えないとされています。
この場合、適切な分析に活用できるよう、次の事項についてできる限り報告する取扱いが示されています。
- 医療に関する事項:事業収益、延べ在院者数、外来患者数、延べ床面積
- 障害福祉サービスに関する事項:事業収益、延べ利用者数、延べ床面積
- 介護サービスに関する事項:サービスごとの延べ床面積
これらは任意記載項目ですが、介護サービスと他事業の収益・費用を区分できない場合には、可能な範囲で記載することが示されています。
報告単位と入力方法
経営情報は、原則として事業所・施設単位で報告します。
事業所・施設ごとに会計区分を行っていないなど、やむを得ない事情がある場合には、法人単位での報告も認められています。
報告には、厚生労働省の介護サービス事業者経営情報データベースシステムを使用します。
収益・費用等のデータは、画面からの直接入力のほか、対応する会計ソフトから出力したCSVファイルを取り込む方法も利用できます。
CSVファイルの取込みは必須ではなく、使用する会計ソフトがシステム連携に対応している場合に利用できる方法です。 なお、職員の職種別人数や給与等については、システム画面からの入力・登録が必要です。
詳しい操作方法は、厚生労働省が公開している操作マニュアルとQ&Aを確認してください。
管理者・法人本部が確認しておきたい3点
報告受付の再開に伴い、次の事項を確認しておくとよいでしょう。
1.報告対象となる会計年度と提出状況
受付停止期間中の未報告分を確認し、会計年度ごとの報告期限を把握します。3月決算の法人などでは、複数年度の報告が必要となる場合があります。
2.報告対象サービスと会計区分
報告対象となる事業所・施設を確認します。100万円以下の基準に該当するか、事業所単位で報告できるか、法人単位での報告が必要かも整理しておきます。
3.追加項目と報告データの準備
延べ床面積などの任意記載項目を確認するとともに、医療・障害福祉サービスを併せて運営している場合は、収益・費用の区分状況を点検します。
システムの操作方法や入力内容に不明点がある場合は、厚生労働省の操作マニュアル・Q&Aを参照し、制度上の取扱いについては事業所所在地を管轄する都道府県の担当部局に確認してください。
まとめ
介護保険最新情報Vol.1546では、介護サービス事業者経営情報データベースシステムの報告受付再開に伴い、当面の報告期限と報告事項の見直しが示されました。
報告受付は令和8年10月26日に再開され、会計年度の終了時期に応じて、令和8年12月31日、令和9年3月31日などの期限が設定されています。
また、延べ床面積に関する3項目が追加されましたが、いずれも任意記載項目です。医療・障害福祉サービスを併せて運営している場合には、収益・費用の区分状況に応じた報告方法も確認する必要があります。
管理者や法人本部、経理・事務担当者は、報告対象となる事業所・施設、会計年度ごとの提出期限、報告内容を確認し、期限内に報告できるよう準備を進めてください。
参考・出典
厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1546」(令和8年10月15日)
介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A(令和8年10月15日最終改訂)
関連リンク
■介護保険最新情報Vol.1546(介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用再開について等)(令和8年10月15日厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課長、高齢者支援課長、老人保健課長通知)
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