今週は、2027年度の介護・障害福祉の報酬改定に向け、認知症グループホームの計画作成担当者の配置や、障害児支援の加算をめぐる議論が進みました。住宅型有料老人ホームの登録基準案も示されています。
介護関係17団体による賃上げ調査と、通所・短期入所介護事業者の倒産動向も取り上げ、現場と事業運営に関わる動きを整理します。
【★注目】認知症グループホームの計画作成担当者 配置のあり方を検討
発信日:2026.10.09
要旨
厚生労働省は10月9日の介護給付費分科会で、認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)の計画作成担当者について、配置のあり方を論点に挙げました。介護支援専門員の確保が難しい地域でも、継続してサービスを提供できる体制を検討するものです。
資料では、本人の意向や日々の状態を踏まえた介護計画の作成、多職種との情報共有など、ケアの質を確保する必要性も示されています。現行の配置要件が変更されたわけではありません。今後、どのような事業所を対象に、どのような条件で見直すかが議論されます。厚労省資料4「論点②」(資料24ページ)に記載されています。mhlw.go.jp
出典:厚生労働省「第269回社会保障審議会介護給付費分科会」資料4
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76456.html
【★注目】住宅型有料老人ホームの登録基準案 入居者のサービス選択を守る方向に
発信日:2026.10.09
要旨
厚生労働省の検討会は、一定の住宅型有料老人ホームを対象とする登録制について、基準案をまとめました。案では、ホームと同一・関連法人などの介護サービス事業所を利用することを入居契約の条件にしたり、その利用を誘導したりしないことを示しています。入居契約とケアマネジメント契約の独立性を確保する措置も盛り込まれました。
登録対象はすべての有料老人ホームではありません。厚労省は2027年12月の施行を予定していますが、基準の具体的な規定は今後の政省令等で定まります。資料1の7・10・18・22ページに、契約、運営、対象範囲、施行予定が示されています。mhlw.go.jp
出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第10回)」資料1
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76664.html
【★注目】児童発達支援・放課後等デイサービス 加配加算などの整理・統合を検討
発信日:2026.10.05
要旨
10月5日の障害福祉報酬改定検討チームでは、児童発達支援と放課後等デイサービスの「児童指導員等加配加算」「専門的支援体制加算」が議論されました。厚労省掲載資料には、両加算を整理・統合した新たな加算の創設を検討する方向性が明記されています。
案では、専門人材や経験のある人材の配置に加え、支援ニーズの高い子どもの受け入れや、事業所全体の支援体制を評価する考えです。新たな単価や算定要件は決まっておらず、現行の加算は引き続き現行の要件に沿って扱います。該当箇所は会議資料「障害児支援に係る報酬・基準について」の31ページです。mhlw.go.jp
出典:厚生労働省「第65回障害福祉報酬改定検討チーム」資料
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76565.html
障害児支援の「基礎・実践研修」 職員の受講に向けた案を提示
発信日:2026.10.05
要旨
同じ障害福祉報酬改定検討チームでは、障害児支援の従事者を対象とする「基礎・実践研修」も議論されました。児童発達支援、放課後等デイサービス、障害児入所支援、障害児相談支援などについて、事業者が研修を実施するための措置を講じる案です。
導入時にはすべての常勤職員、その後は新たに従事する常勤職員の受講を想定しています。非常勤職員には、役割や勤務実態を踏まえた別の枠組みを検討する考えです。支援の理念や権利擁護などを共有する狙いがありますが、現時点で新たな研修の受講義務が始まったわけではありません。www.mhlw.go.jp
出典:厚生労働省「第65回障害福祉報酬改定検討チーム」資料/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76565.html
介護分野の正社員の賃上げ率は3.93% 関係17団体が調査速報を公表

発信日:2026.10.08
要旨
介護関係17団体の共同調査速報によると、2026年9月の調査時点で、正社員全体の平均賃上げ額は1万114円、賃上げ率は3.93%でした。回答は1445件で、8219事業所分に相当します。全国有料老人ホーム協会などが10月8日に速報資料を掲載しました。
資料に示された春闘の全産業賃上げ率5.01%とは、調査対象や集計方法が異なるため、数字の差だけで賃金格差の大きさを判断することはできません。今回の数値は介護分野の全従事者に一律に当てはまるものでもありません。職種やサービスごとの状況も含め、今後の処遇改善の議論を見るための資料です。速報資料の1・2ページで調査対象と数値を確認できます。〖公式〗全国有料老人ホーム協会(法人の方はこちら)
出典:介護関係17団体「介護分野の幅広い職種の賃上げ及び介護事業所の経営状況等調査(速報)」/全国有料老人ホーム協会
元記事URL:https://www.yurokyo.or.jp/info/view/6749
通所・短期入所介護事業者の倒産 負債1000万円以上は1~9月に47件
発信日:2026.10.08
要旨
東京商工リサーチの調査を伝える介護ニュースJointによると、2026年1~9月に「通所・短期入所介護事業」の事業者で発生した負債1000万円以上の倒産は47件でした。前年同期より34.2%増え、同期間では過去最多です。2025年の年間件数45件も、9月までに上回りました。
47件は通所介護だけの数字ではなく、短期入所介護を含む業種分類の集計です。また、倒産に至らない休廃業や、閉鎖した事業所の総数を表すものでもありません。地域のサービス提供体制を見る際には、集計対象を確認したうえで、休廃業などの動向と併せて捉える必要があります。www.joint-kaigo.com
出典:東京商工リサーチの調査を伝える介護ニュースJoint編集部記事/介護ニュースJoint
元記事URL:https://www.joint-kaigo.com/articles/49317/
☆今週の注目記事を梅沢が読む!
今週、私が特に注目したのは、住宅型有料老人ホームの登録基準案です。入居者にとって、住まいを選ぶことと、どのケアマネジャーや介護サービスを利用するかを選ぶことは、どちらも日々の暮らしに関わる判断です。
検討会資料には、ホームと関係のある事業者のサービス利用を入居条件にしないことや、特定のサービスへ誘導しないことが示されました。入居時に複数の選択肢をどう説明するか、契約とケアプラン作成をどう区別するかが、今後の運営基準を考えるうえでの要点となるはずです。
対象となるホームや細かな運用は、これから定まります。事業者の皆さんには、まず現在の入居案内や契約時の説明を振り返り、入居者の希望を確かめる手順が見える形になっているか、確認していただきたいと思います。
この記事について
本記事は、介護・福祉分野の各報道機関、業界紙、公的機関が公表した情報をもとに、内容を要約・整理したダイジェスト記事です。各記事の詳細は、掲載している出典・元記事をご確認ください。
編集・解説:梅沢佳裕
ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表/最新福祉情報Blog「介護キャンパス」主宰
介護・福祉分野の制度動向、現場実務、研修企画に関する情報を継続的に発信しています。本記事では、各媒体で公表されたニュース・記事をもとに、介護・福祉現場に関わる動きを横断的に整理し、要点がつかみやすい形で解説しています。
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